私を構成しているのかよくわからない42枚の雑感(前編)

例によってブログの更新意欲がなかなか湧かないがやめる気とかはさらさらなく、さりとて取り立てて書きたいネタもないので、最近ツイッターで流行ってたので私もおもいっきり乗っかってツイートした「私を構成する42枚」について、選んだ42枚にまつわる雑感をこのブログで書いてみることにする。

というわけで、私の「私を構成する42枚」がこちらである。

 

で、これを

こういう感じで一番上の段から順に書いていく。長々と書くつもりはないがなにしろ42枚もあるので前編・中編・後編の3回に分けて書く。

それでは早速行ってみよう。

 

【1枚目】ナンバーガール『SAPPUKEI』

open.spotify.com

ナンバーガールは音楽を最高に聴きまくってたヤングのころにもっともお熱を上げた邦楽バンドなので外すわけにはいかない。で、なぜこのアルバムなのかというと、楽曲、演奏、サウンドアレンジのクオリティが他のアルバムと比べてもダントツに優れていると思っているから。

 

【2枚目】小島麻由美『愛のポルターガイスト』

open.spotify.com

このアルバムはリリース当時のころ(2003年)にヴィレッジヴァンガードでたまたま見かけ、「あー、この人たしか『ミュージックマガジン』でやたらと絶賛されたなー」と興味本位で手に取ってみたのだが、当時の私はホーンセクションだとかビッグバンドだとかが苦手だったこともあってどこが良いのかまったくもってわからず、というか「オシャレ気取ったサブカル好き向けの中身のない音楽だ!」とかひどい感想しか出てこなかった。ところが数年前に聴き直してみたらこれがおもいっきりハマってしまった。という体験をしたことで、昔聴いてよくわからなかったアルバムも折に触れて聴き直すようにもなった。ちなみに今ではホーンセクションもビッグバンドも大好物である。

 

【3枚目】オアシス『(What's the Story)Morning Glory?』

open.spotify.com

みんな大好き、かどうかはわからんが、私が大好きな言わずと知れたオアシスの代表作であり私が「生まれてはじめて買った洋楽のCD」でもある。リアムの歌いっぷりもノエルのソングライティングも絶好調だし何気にドラムもいい味出してたりする名曲揃いの金字塔級名作。ちなみに私が正真正銘生まれてはじめて買ったCDはとんねるずの『みのもんたの逆襲』というひどいタイトルのアルバムだったりする。

 

【4枚目】エレファントカシマシ『俺の道』

open.spotify.com

「エレカシって『今宵の月のように』とか『悲しみの果て』とか、なんか腑抜けたポップソングみたいなの歌ってる自称ロックバンドでしょ?」みたくよく知らない癖に勝手に決めつけていたので、何気にこのアルバムを聴いてみたらびっくりした。こんなに怒り狂ってて「フルチンかよ!」と言いたくなるくらいあけすけな音楽ははじめて聴いた、と思った。その後、すべての作品を集めて聴いたが、個人的には今でもこのアルバムがエレカシの最高傑作だと思っている。

 

【5枚目】レディオヘッド『OK Computer』

open.spotify.com

これも言わずがなの大名盤であるが、個人的にも「初レディオヘッド」となった記念すべきアルバムであり、ギターロックとエレクトロニクスのパーフェクトな融合っぷり+パーフェクトにネガティブな世界観に、当時絶賛モラトリアム期だった私はもうとにかくハマってハマってハマりまくった。そして、私が「Computer」という綴りをパーフェクトに覚えた記念すべきアルバムでもある。

 

【6枚目】ニルヴァーナ『In Utero』

open.spotify.com

『Nevermind』を挙げている人がやっぱり多かったし、べつにそれに異論を唱えるつもりは毛頭ないが、ニルヴァーナで一番好きな楽曲の「Heart-Shaped Box」が収録されているし、キンキンに冷えてて、なおかつ、より混沌っぷりが際立っているサウンドの質感も含めると個人的にはこっちかなあ、と。いや、『MTV Unplugged in New York』と迷ったんだけどライブ盤入れるのは反則かなあ、とも思ったので。

 

【7枚目】プライマル・スクリーム『XTRMNTR』

open.spotify.com

プライマルといやアレでしょ、ってことでまずは『Screamadelica』を定石どおり聴いてみたがさほどハマらず、というか「このバンドあまり好きじゃないかも…」くらいに思っていたが、それから数年経ってリリースされたこのアルバムを聴いてみたら自分でもびっくりするぐらいハマりまくった。なにしろめちゃくちゃ怒ってて素晴らしいし、今でも機嫌がよろしくないときとかに爆音で聴いて頭のなかで人ぶっ殺したりしてる。

 

【8枚目】ブラー『Blur』

open.spotify.com

ブリットポップで洋楽にはまった人間なので当然ながらブラーは外せない。で、おもいっきりブリットポップしてた『Parklife』と迷ったがサウンドの質感でこっちにした。コンセプト性では『Parklife』に軍配が上がるが、こういう暗くて重ための音は大好物だし、名曲もたくさん入ってるし、ギターのグレアムがどのアルバムよりも活躍してる感もあるしで、今でもたまに聴き返したりする。

 

【9枚目】フィオナ・アップル『Tidal』

open.spotify.com

「いや、ピアノ弾き語り系のシンガーソングライターはちょっとねえ…」という私の苦手意識を吹っ飛ばしてくれたという意味でこのアルバムの存在は大きい。ちょうど数日前に久方ぶりに聴いたが、とにかくソングライティングが神がかっているなーとあらためて感動した。小島麻由美とおなじように、じつはこのアルバムもわりと早い段階で耳にしていたが当時はさっぱり良さがわからなかった。

 

【10枚目】マーズ・ヴォルタ『De-Loused in the Comatorium』

open.spotify.com

次作『Frances The Mute』もおんなじくらい好きだが、「あのアット・ザ・ドライヴインのアフロたちがまさかこんなアルバムを作るとは!」というインパクトも込みでこちらのファーストをチョイス。「こんな音楽、聴いたことねー!」と変態的なバンドサウンドに衝撃を受けたし、以降、ドラマーのスキルをより重要視して音楽を聴くようになったという意味でも個人的にはターニングポイントとなったアルバムでもある。

 

【11枚目】Shing02『緑黄色人種』

open.spotify.com

ヒップホップのおもしろさを教えてくれた名盤。いや、今もヒップホップを積極的に聴いているわけではないし、洋楽のヒップホップとか言葉がダイレクトに伝わってこないのでまったく聴く気にならなかったりするが、このアルバムに関してはほぼ例外的に好き。ヒップホップならではの韻踏みの心地よさとか、言葉とリズムの絡み具合のおもしろさとかを教えてくれた。ような気がする。

 

【12枚目】パルプ『Different Class』

open.spotify.com

これは「ピコピコした電子音が鳴り響くロックなんてロックじゃない!」という苦手意識を払拭してくれたアルバム。基本的にメロディがしっかりしている音楽が好き、ということをはっきりてわからせてくれたアルバムかもしれない。ブリットポップと聞いてまず思い浮かぶのがコレ。

 

【13枚目】スーパーカー『Futurama』

open.spotify.com

このアルバムと1stの『スリーアウトチェンジ』とラストの『ANSWER』の3枚かで迷ったが、混沌っぷりと洗練っぷりの両極端性が妙におもしろく感じられるこのアルバムにした。そして、これはだるそう感満々の音楽の心地よさを教えてくれたアルバムでもある。

 

【14枚目】UA『la』

open.spotify.com

「ライブ盤は反則」とか書いてたくせにバリバリ選んでた。UAがジャズに接近していたころのライブ盤で、バンドメンバーには菊地成孔(tp)だとか外山明(dr)だとかジャズの有名どころが参加している。私はライブ盤中毒患者なのでいろいろなライブ盤を今まで聴いてきたが、一番好きなライブ盤かもと言っても言い過ぎではないくらい好き。なにしろUAの自由奔放な歌いっぷりも、ジャズな方々の豪放磊落な演奏っぷりも、とにかくとんでもなく素晴らしいし、「ジャズ、良い!」ってなれた一枚でもある。なのにいまだに「ジャズ、やっぱよくわかんねー」ってちょくちょくなるのはなぜなのか。

 

……というわけで、短めにすっきり書くつもりがダラダラ長い文章になってしまった。こんなもん読んでくれる人はいるのだろうか。ま、いっか。

続きは次回の中編で。

以上。疲れた。おしまい。

海外ミュージシャンの逸話・エピソードをまとめてみた(その6)

ミュージシャンのものすごくどうでもいい、でもなんだかおもしろい逸話・エピソードがそこそこ集まったので例によってまとめて記事にしてみましょう。

 

デイヴ・グロール

・「髪型も服装も自由だから」という理由で若いころタワーレコードのワシントンDC店で店員やってたらしい。

 

イギー・ポップ

・『男はつらいよ』(寅さん)の大ファンらしい。とりあえずなんだかよくわからんが『平成狸合戦ぽんぽこ』の大ファンとかじゃなくて良かったと思う。

 

フランク・ザッパ

ZAPPA [Blu-ray]

ZAPPA [Blu-ray]

  • キングレコード
Amazon

・ライブでギターソロをがんがん弾いてる最中に客数人と握手する荒技を披露。これは笑った。演歌歌手のディナーショーか。

 

ジ・オーブ

・ハゲてることにとくに意味はないらしい。

 

スティーヴ・アルビニ

At Action Park

・訪日時、同行者から海老天を勧められたものの「虫は食わん!」と断固として拒否したらしい。おんなじ理由で蟹なんかもたぶん拒否るだろうし、お稲荷さんなんぞ勧めようものなら「いや、おりゃー金玉は食わねーっつーの!」とか怒りそうである。

 

スティング

Nothing Like the Sun

Nothing Like the Sun

  • アーティスト:Sting
  • A
Amazon

・なんかすげえパンツ履いて映画出てたらしい。

 

以上。疲れた。おしまい。

地名ソング、ベスト5

テキトーに思いついたお題に沿った曲を勝手にベスト5形式で選んで発表するこの「○○な曲ベスト5」は今回で26回目となるが、登場するのは毎回おんなじようなミュージシャンだったり、あるいはだいたい90年〜00代の楽曲だったり、だいぶ偏ったランキングになってしまっていることにいまさらながら気がついた。

ま、いっか。

というわけで、今回はタイトルに地名が入っている楽曲、略して「地名ソング」を例によってベスト5形式で発表したい。

それでは早速行ってみよう。

 

5位.ストロークス「New York City Cops」

youtu.be

ストロークスは1stアルバムしか聴いてないしとくに思い入れがあるバンドでもないがこの曲は素晴らしい。というわけで5位はその1stアルバムに収録されているストロークスのこちらのナンバー「“New York City” Cops」だ。ジュリアン・カサブランカスの荒っぽさと青臭さが仲良く同居した歌声やら、贅肉を極限まで削ぎ落としたようなスカスカなバンドアンサンブルやら、全体的にクールでヒリヒリしていてとても良い。つーか、ひさびさに聴いたらやっばりかっちょいいなー。うん。ほかのアルバムも聴いてみよう。

 

4位.椎名林檎「丸の内サディスティック」

youtu.be

4位は椎名林檎のやはりおなじく1stアルバムに収録されているこちらのナンバー「“丸の内”サディスティック」だ。椎名林檎に関しては数年前にはじめてライブを観に行ったら結構つまらなく感じてしまい、以降、活動をほとんど追わなくなってしまったのだが、この曲はいまでも大好きである。キャッチーでなおかつどこか哀愁を喚起させられる秀逸なポップソングであり、なんだか夕暮れ時に無性に聴きたくなる楽曲である。

 

3位.スーパー・ファーリー・アニマルズ「Ohio Heat」

youtu.be

続いて3位はスーパー・ファーリー・アニマルズのこちらのナンバー「“Ohio” Heat」だ。ほんのりサイケなアレンジが巧妙に組み込まれたスーファリ流カントリーソングと言いたくなる楽曲で、ホノボノとした曲調がじつに味わい深い。要所要所で隠し味的に鳴り響くエレピの優雅な音色も絶品。

 

2位.宇多田ヒカル「Somewhere Near Marseillesーマルセイユ辺りー」

youtu.be

2位はなんと宇多田ヒカルの「Somewhere Near “Marseills”ー“マルセイユ”辺りー」だ。昨年、「2022年の曲、ベスト5」という記事で見事1位に輝いた楽曲がまさかの2位に甘んじた格好だ。とはいえ、素晴らしい楽曲であることはもちろん間違いない。バッキバキですこぶる刺激的で、しかもまったりポップな味わいもある、宇多田ヒカルならではの個性が遺憾なく発揮されたトランスナンバーである。

 

1位.ホール「Malibu」

youtu.be

そしてあまたの強豪を抑え見事トップに輝いたのがこちら、ホールの「“Maribu”」だ。なにしろ、ひたすら美しいメロディラインとコーラスワークがとんでもなく良い。タイトに引き締まった風通しの良いバンドサウンドも心地良いし、ドスの効いたコートニー・ラブのヴォーカルも鳥肌モノだ。完璧なポップロックソングと手放しで褒めたくなる。非の打ち所がない大名曲。

 

以上。疲れた。おしまい。

歌詞に食べ物が登場する曲、ベスト5

この世の中には歌詞に食べ物が登場してきてなんだかハッとさせられる曲がある。

というわけで、例によっていきなりになるが今回は「歌詞に食べ物が登場する曲、ベスト5」を発表したい。尚、私は英語はからっきしだめ人間であり洋楽は歌詞とか基本的にとくに気にせず聴くので、便宜上、邦楽縛りのランキングとさせていただく。

それでは早速行ってみよう。

 

5位.MO'SOME TONEBENDER「ボルケーノラブ」

youtu.be

まず5位はモーサムのこちらの曲。対応が悪い飲食店に怒りをぶち撒けるパンクナンバーだ。「おいウェイターこれはオレが頼んだ料理じゃないぜ パフェ持ってうろちょろしてる場合じゃない かれこれ一時間も待ちぼうけ しかもオレの注文はとなりのデブが食っている!」といった調子で、なにしろ超怒っている様が圧巻でありストレス解消にうってつけの一品である。運悪くムカつく飲食店に立ち寄ってしまった際はぜひこの曲を聴いて溜飲を下げていただきたい。

 

4位.鹿の一族「うめぼし」

youtu.be

続いてはこちら。松崎ナオがフロントマンを務めるロックバンド、鹿の一族のナンバーだ。松崎ナオといえば桃が歌詞に登場する「桃からはじまる音楽もある」という名曲もあるが、そちらは以前投稿したべつのランキング記事に入れたことがあるし、なにしろこの「うめぼし」も甲乙つけ難いデキなのでとにかく問答無用の4位にランクインだ。「うちのばあちゃんは 梅干し しょう油 味の素 一粒もらって変な味 駆け出した」という子どものころの食卓風景を喚起させられるフレーズがじつに味わい深くて素晴らしい。ザラついたバンドサウンドも相俟って「和風グランジロック」と言いたくなる名曲である。

 

3位.サカナクション「忘れられないの」

youtu.be

個人的にサカナクションといえば「新宝島」かこの曲、というわけで3位はサカナクションの「忘れられないの」だ。シティポップ風のオシャレで儚げな曲調がまずとても良いし、「素晴らしい日々よ 噛み続けていたガムを夜になって吐き捨てた つまらない日々も長い夜もいつかは思い出になるはずさ」というフレーズがモラトリアムな雰囲気をグッと盛り上げてくれる。尚、「つーか厳密に言えばガムは食べ物じゃねーだろ!」という突っ込みは無視させていただく。

 

2位.小島麻由美「真夜中のパーティー」

youtu.be

2位は小島麻由美のこの曲。ビスケットのかけらをたよりに迷い込んでしまった森から抜け出そうとしているカップルを歌った摩訶不思議な小島麻由美ワールド全開の曲だ。なにしろビスケットだ。なんだかよくわからないSF(少し不思議)な世界観がたまらなく良い。これが大根のかけらやラーメンの汁だったら雰囲気ぶち壊しになっていたはずだ。ときおり鳴り響くフルートもSF感をより一層盛り立ててくれる絶品のポップソングである。

 

1位.JAGATARA「タンゴ」

youtu.be

そして見事トップに輝いたのはこちら。JAGATARA(じゃがたら)の「タンゴ」だ。「ゴミの町に埋もれた喰いかけのハンバーグ あんたの手からおちて地面に吸いとられた」という、短い文章なのに猥雑な都会で空虚な生活を送る人間が鮮明に浮かび上がってくるフレーズがすごい。とにかく秀逸というほかないキラーフレーズだ。繊細さと毒々しさ、相反するエキスがどっぷりと詰まった名曲中の名曲である。

 

以上。疲れた。おしまい。

イントロのベースがかっちょ良くてヤベーッスと褒めたくなる曲、ベスト5

「ギターソロとかコスパ悪いしいらん! あとイントロもコスパ悪い! いらん! ついでに死ね!」

という昨今の風潮にあえて逆らいたい!

というわけで、今回はイントロのベースがかっちょ良くてヤベーッスと褒めたくなる曲を、とてもおもしろくないダジャレで申し訳ないが、例によってベスト5形式で勝手に発表していきたいと思う。

それでは早速行ってみよう。

 

5位.ゆらゆら帝国「EVIL CAR」(演者:亀川千代)

youtu.be

まず5位はゆらゆら帝国のこちらの曲だ。ゆらゆら帝国というバンド名をそのまま音にしたような、ゆらゆらと蠢くベースラインがじつに味わい深い。怪しさ全開でクセになるような魅力全開だ。演者はバンドの紅一点、ではなく、ちゃんとちんこが付いてる亀川千代様だ!

 

4位.MO'SOME TONEBENDER「FREEZE」(演者:武井靖典)

youtu.be

続いて4位はここ数年ほぼ開店休業状態でなんだか心配になってしまうモーサムのこちらの曲。演者は武井靖典だ。なにしろ出だしからブリブリ弾きまくるヘヴィなリフが強烈このうえない。あまたあるモーサムの名曲のなかでもイントロでのベースのインパクトという意味では随一の楽曲だと断言したい。

 

3位.ニルヴァーナ「Lounge Act」(演者:クリス・ノヴォセリック)

youtu.be

3位はニルヴァーナの代表作であり言わずと知れた歴史的名盤『Nevermind』に収録されているこの曲。演者はクリス・ノヴォセリックだ。「ニルヴァーナはカートとデイヴだけじゃないぜ!」と言わんばかりに最高にシブくてクールなベースラインを聴かせてくれる。名曲揃いの『Nevermind』のなかで見過ごされがちな感がある楽曲だが、全体を通して抜群にキャッチーな構成だし、個人的にはクリスの名演ともども、もっと評価されてもいいのではと思う。

 

2位.ピクシーズ「Gigantic」(演者:キム・ディール)

youtu.be

2位はオルタナティヴロックの父、ピクシーズのこの曲。演者は正真正銘バンドの紅一点、キム・ディールだ。「これはもはやメロディでは?」と拍手をしたくなる華麗なベースラインを耳にした途端に虜になること必至の名演。いつかのフジロックで聴けたときは感動したぜ!

 

1位.パブリック・イメージ・リミテッド「Poptones」(演者:ジャー・ウォブル)

youtu.be

そして栄えある頂点に輝いたのはPILの名盤『Metal Box』に収録されているこの曲。演者はアルバム完成後にバンドを脱退してしまったジャー・ウォブルだ。まるで呪いのようなというかかなり悪魔っぽいというかほぼ悪魔なベースラインがすさまじい。イントロのみならず最後までほぼずっとおんなじフレーズを弾いてるだけなのにこのおどろおどろしさ満々のインパクトは只事ではない。カッケー! 素晴らしい!

 

以上。疲れた。おしまい。

【第12回】気が向いたときに追加していくロック用語辞典

3年ぶりに気が向いたのでひさびさにロック用語辞典を更新してみようと思う。

尚、これまでに更新してきたロック用語は以下の記事にまとめてあるので「ロックを勉強したい!」というガッツな者はぜひ目をとおしていただきたい。

gu-tara-tonchi.hatenablog.com

 

というわけで早速行ってみよう。

 

●なきのぎたー【泣きのギター】

いとしのレイラ

「これは人の泣き声では…?」とリスナーを錯覚させる効果があると厚生労働省から正式に認められたギター奏法のこと。べつに演者本人が泣きながら演奏しているわけではない。例=「エリック・クラプトンはーの達人だね」

 

●べっどるーむ・みゅーじっく【ベッドルーム・ミュージック】

快眠を得られる効果があると厚生労働省から正式に認定された音楽のこと。ピストン運動やオナニー用のBGMのことではない。例=「不眠症なのでためしにーを聴いてみたら爆睡してしまい遅刻を繰り返したせいで会社をクビになってしまった」

 

●みゅーじしゃんず・みゅーじしゃん【ミュージシャンズ・ミュージシャン】

3<紙ジャケット&デジタル・リマスター>【初回生産限定】

3<紙ジャケット&デジタル・リマスター>【初回生産限定】

  • アーティスト:キリンジ
  • ワーナーミュージックジャパン
Amazon

同業者のミュージシャンたちから高く評価されている音楽家またはバンドのこと。例=「キリンジはヒット曲こそないものの彼らが残した作品への深い愛を公言するミュージシャンはいまだに止むことがない。まさにーという言葉が相応しい存在である」

 

●しぶやけい【渋谷系】

高音質のピチカート・ファイヴ

高音質のピチカート・ファイヴ

Amazon

90年代に流行ってたらしいオシャレ音楽のこと。渋谷陽一の信者の蔑称ではない。※類語→清水圭。錦織圭。クリスタル・ケイ。例=「なんか昔はヤマンバギャルに好きな音楽を尋ねられた際に『もちーだね!』って答えると即ハメできたらしいよ」

 

●しんがろんぐ【シンガロング】

open.spotify.com

たとえ重度の鬱病患者であろうと楽曲を耳にした途端、即ハイになりつい一緒に歌を口ずさんでしまう病的症状のこと。海外のフェスで乳丸出しにして歌ってる女の客をよく見かけるが、あれなんかもシンガロングしたせいで頭がアレしてしまった典型例であろうと思われる。例=「ノエルのライブ観に行ってドンルクでーしたらいつのまにか鬱病が治っていた」

 

●やまたつ【ヤマタツ】

【Amazon.co.jp限定】SOFTLY (初回限定盤) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】SOFTLY (初回限定盤) (メガジャケ付)

  • アーティスト:山下達郎
  • ワーナーミュージック・ジャパン
Amazon

山下達郎のこと。※類語→アマタツ。例=「去年出たーの新譜のジャケ、怖くね?」

 

●けーだぶしゃいん【K DUB SHINE】

いつも光輝いている各務貢太(かがみこうた)さんのこと。例=「キングギドラのーは、King Gnuのライブを観に東京ドームへ向かったが、日付を一週間誤ってしまいNiziUのライブに行ってしまったことがある」

 

●ぎたー・そろ【ギター・ソロ】

ギタリストのギタリストによるギタリストのための曲芸的な演奏のこと。ライブともなれば聴衆を盛り上げるため、あわよくば女にモテるため、ギタリストは全身全霊を込めてギター・ソロを弾くが、その間、ヴォーカリストをはじめ他のメンバーらはカレーライスのこととか考えていればいいのでラクである。例=「なんとほていがおきあがりーをひきたそうにこちらをみている! ひかせてあげますか?」

 

●えいとびーと【8ビート】

8分音符を基本単位として作られたビートのこと、とされているが、上記の方曰く、そもそも8ビートも16ビートも英語には存在しない用語らしく、定義も曖昧なのになぜか本邦だけでなんとなく使われるようになってしまったっぽい「日本語英語」である、とのことである。まあとにかくなにがなんだか私にはよくわかりません。例=「最後にゴキゲンなーのロックンロールを送ります。モラル!」

 

以上。また気が向いたときに追加するかもしれないししないかもしれない。

疲れた。おしまい。

【ザ・カンソー】最近聴いた旧譜アルバム

これまで「ザ・カンソー」と題して旧作映画の短めの感想文を気が向いたときに何度か記事にしてきたが、「ザ・カンソー」音楽編として最近聴いた旧譜アルバムの短めの感想文も書いてみたくなったというかここは俺のブログなので好き勝手に書かせていただくので、今日はケツ毛をひっこ抜くくらいしかやることがないみたいな人は暇つぶしがてら目を通していただければ幸いである。

 

スネイル・メイル『Lush』

open.spotify.com

昨年のフジロックでのご活躍も記憶に新しい米国女性シンガーソングライターのデビューアルバム。件のフジロックのライブ時にオアシスのTシャツ着て演奏していたというのを知り俄然興味が湧いたので聴いてみたが、これがとても良かった。全体を通してポップ色強めのロックナンバーが収録されているのが私的におもいっきりツボだし、どの曲にもキャッチーなフックがあるし、宅録ふうの質素で風通しの良いアレンジも絶妙。なんでもご本人さんはやっぱりオアシス好きだそうで、それからオルタナなんかもお好きとのことで、「そういやこのアルバム、なんだかスマパンの『メロンコリー』っぽい感じあるなー」と思ってたら、YouTubeでまさに『メロンコリー』のオープニングトラックである「Tonight, Tonight」をカバーしているライブ動画を見つけてなんだか嬉しくなった。

 

スネイル・メイル『Valentine』

open.spotify.com

で、そんなスネイル・メイルさんの2ndアルバムも聴いてみたがこちらもとても良かった。前作と同じように過剰さや装飾過多感が皆無で、それでいてポップセンスが遺憾なく発揮された楽曲・アレンジが素晴らしいし、メロディ構成もより研ぎ澄まされた感がある。全曲好きだが、個人的には湿ったポップ感が味わい深い⑤「Forever(Sailing)」がとくに気に入っている。にしても、前作時は10代、続く本作に関してはハタチ前後で制作されたというのだから末恐ろしい。

 

コーン『Follow The Leader』

open.spotify.com

このバンドのことはもちろん知っていたがなんとなくスルーしててずっと聴かずにいた。で、ようやっと聴いてみたのが一番評判良さげなこの1stアルバム。グランジとヒップホップが悪魔合体したような重低音上等なすこぶるヘヴィなロック。そしてなんだか知らんがめちゃくちゃ怒っている感がある。嫌いじゃない。むしろバリバリ好きなタイプの音楽のはずだが、闇雲に怒りに震える若者ではなくもはやくたびれ果てたオッサンに私がなってしまったからか、どうもいまいちしっくりこない。ただライブで生で聴いたらめちゃくちゃテンション上がりそうな曲はいくつかある。

 

パルプ『His N Hers』

open.spotify.com

パルプは音楽に最も熱を上げていた若いころに出会った大好きなバンドだがじつは名盤として有名な『Different Class』しか聴いたことがなかったので『Different〜』の前作であるこちらを拝聴。いやあ、いいねえ。ヘロヘロでダサくてすこぶるポップなパルプワールド全開のアルバム。ああ、一度でいいからライブを観てみたい。少し前にまたまた再結成したそうでライブもやるらしいが、私にはイギリスに行くようなガッツがないし、こっちでもやってくれませんかねえ…。

 

青葉市子『0』

open.spotify.com

お名前は知っていたが聴いたことがなかった人。なんでもこのアルバムが海外の音楽好きにやたらと評価されているらしいという話を小耳に挟んだのでならばと拝聴してみた。なんだろう、ドリームポップって言ったらいいのか、私は小学2年生なのでよくわからないのですが、クラシックギターと環境音を仲良く同居させた長尺曲多めの実験的なアルバムみたいな作風で、音楽性は全然異なるがシガー・ロスっぽい癒し効果みたいなのがある。ハマるまでは行ってないが野外ライブで聴いたらめちゃくちゃ気持ち良さそう。

 

ジェームス・ブラウン『In The Jungle Groove』

open.spotify.com

これまで何度もトライしてよくわからず挫けて結局諦めてきたJBに性懲りもなくまたまたトライしてみたがやっぱりよくわからなかった。たぶんJBを掴む最大のポイントはリズムセクションになるのだろうし、たしかに本作を聴いてカッケーとは思うものの、曲が進むにつれて次第に飽きてきたり、どの曲もおんなじように聴こえてたりで挫けて諦めてしまう。私的にJBとジャズは定期的に聴きたくなって作品を拝聴するが「やっぱよくわかんねー!」という残念な結果に毎度なってしまう二大巨頭だったりする。

 

以上。今回の一等賞はスネイル・メイルの『Valentine』でした。

疲れた。おしまい。

邦楽ミュージシャンの逸話・エピソードをまとめてみた(その5)

ミュージシャンのものすごくどうでもいい、でもなんだかおもしろい逸話・エピソードが結構溜まってきたのでひさびさに記事にしてみようと思う。

今回は邦楽ミュージシャン編の第5弾である。

一応断っておくが今回もマジでめちゃくちゃどうでもいいエピソードしかないぞ。それでも知りたい! という人はどうぞご覧あれ。

 

甲本ヒロト

・エディ・ヴァン・ヘイレンと対面した際、寿司1貫をプレゼントされたらしい。なぜよりにもよって寿司なのか。そしてその寿司を食うヒロトもちょっとどうかしている。とにかくなんだかよくわからないと言うしかないエピソードだが寿司ネタが果たしてなんだったのか。マグロかイカか、はたまたタコかハマチか、まさかの軍艦モノだったのか。たいへん気になるところではある。

 

・まだ金がない無名な若者だったころ、誰かに風呂に入れてもらおうと石鹸とタオルを持ち歩いていたらしい。カレーを食わせてもらいたいときとかはスプーンと皿を持ち歩いていたりしたのだろうか。

 

デーモン閣下

・レコードショップにいた客に自身のアルバムを買うよう強迫するもあえなく失敗したらしい。「さすが悪魔! 人間とはやることのスケールが違うぜ!」と誰しもが感嘆せざるを得ないエピソードであろう。

 

江戸アケミ

・週刊誌に掲載された女性のヘアヌード写真第一号は江戸アケミの彼女のまん毛。なんかあんまり意外な感じがしないというか、むしろ納得感があるような気がしないでもない。

 

郷ひろみ

・なんと雑誌の企画でボブ・マーリーと対談していたらしい。一体どんな話をしたのか。つーかそもそも話になるような共通の話題があったのか。これまたたいへん気になるエピソードである。

 

ゆず

栄光の架橋

栄光の架橋

  • アーティスト:ゆず
  • Senha
Amazon

・なんか知らんがすげーファンがいるらしい。

 

長渕剛

・長渕バンドに参加すると筋トレが漏れなく付いてくるらしい。あなたの身近にいる人が急に筋肉モリモリのマッチョマンに変身していたらもしかして……。

 

・なんかヤベーTシャツが売ってるらしい。

 

以上。またネタが溜まったら次回も書く。疲れた。おしまい。

2022年の曲、ベスト5

そろそろ今年もおしまいらしいのでタイトルどおり2022年の曲ベスト5を発表したいと思う。尚、言うまでもなく音楽評論家などではない単なるしがない音楽好きのちんこである私個人にとってのベスト5ソングであり、当然ながらかなり偏ったランキングであることは予め申し上げておく。

それではさっそく行ってみよう。

 

5位.羊文学「光るとき」

youtu.be

まず5位は羊文学のこちらのナンバーだ。なんといってもシューゲイザー風味溢るるキラキラとしたギターロックサウンドが良いし、さらに憂いを帯びたメロディラインがドッキングされてるしで、なんというかもう、とにかく良い。シングルリリースされたのも納得の名曲。

 

4位.レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Eddie」

youtu.be

続いて4位はこちらのナンバー。故エディ・ヴァン・ヘイレンに捧げた曲だそうで、ジョン・フルシアンテはエディ・ヴァン・ヘイレンっぽいギターを弾こうとしたもののうまくいかず結局いつもどおり自分のスタイルで演奏して完成させたらしいが実際それで良かったと思う。なにしろ、終盤に展開されるジョン・フルシアンテ節満載のエモーショナルなギターソロがじつに素晴らしいからだ。縦横無尽に躍動しまくっているフリーのベースとのコンビネーションもバッチリだし、全体的にスリリングな曲調ながらすこぶるポップな仕上がりになってるのも嬉しい。レッチリの新たな代表曲と言える名曲だと思う。

 

3位.SCOOBIE DO「荒野にて」

youtu.be

トップスリーに食い込んだのはスクービーのこちらのナンバー。スクービーの特色であるファンキー&メロウな旨味成分がたっぷりと詰め込まれたポップで心地良い楽曲であり、しかも中年の悲哀も味わえる。まあ泣ける。本物の名曲である。この曲が収録されているアルバム『Tough Layer』もとても良かったので、来年はひさびさにライブを観に行きたいというかたぶん観に行く。

 

2位.柴田聡子「ぼちぼち銀河」

youtu.be

いよいよ2位である。柴田聡子のアルバム『ぼちぼち銀河』のタイトルトラックであるこちらのナンバーだ。耳について離れないキャッチーなメロディラインがまず素晴らしいし、さらに色とりどりのコーラスワークや、鋭さときめ細やかさが仲良く同居したバンドアンサンブルや、ほんのりサイケな電子サウンドも、とにかくもう何度褒めても褒めたりなく思えるほど聴きどころたっぷりの名曲である。

 

1位.宇多田ヒカル「Somewhere Near Marseilles ―マルセイユ辺りー」

youtu.be

そして2022年のトップオブトップに輝いたというか私が勝手に選んだ今年ナンバーワンの名曲中の名曲、それは宇多田ヒカルのこちらの曲だ。12分近くある宇多田ヒカル史上最長の楽曲であり、宇多田ヒカルにとって初となるトランスナンバーでもある。なにしろバッキバキかつ幻惑的なサウンド構築が絶妙であり、やたらとクソ長いのに頭からお尻までずっと心地良く聴けるし、つーかなんなら永遠に聴いていられそうだし、しかもこれまでになんべんも繰り返し聴いたがまったく飽きない。「こんな素晴らしい曲を作ってくれてありがとう宇多田さん!」と声を大にして言いたい。

 

以上。……と言いたいところだが、ついでに年間ベストアルバムもそんなにわんさか聴けてないが5作挙げてみる。以下である。

  • 5位.SCOOBIE DO『Tough Layer』
  • 4位.ザ・スマイル『A Light For Attracting Ateention』
  • 3位.クーラ・シェイカー『1st Congregational Church Of Eternal Love And Free Hugs』
  • 2位.宇多田ヒカル『BADモード』
  • 1位.柴田聡子『ぼちぼち銀河』

 

というわけでこれにて本当の以上。疲れた。おしまい。

【第27回】はじめて○○へ行ってみた「映画館でライブビューイング」(観たライブ→ナンバーガールのラストライブ〜2022年12月11日)

ナンバーガールの最後のライブを観てきた。残念ながらチケットは取れなかったのでライブ会場である神奈川・ぴあアリーナMMで生観覧することは叶わなかったが、いくつかの映画館でライブビューイングなるモノが開催されるというのでわりと近場の映画館へ行き観てきた。

 

ライブ会場、というか劇場内は満員だった。どの席も見事に埋まっている。満員って『アバター』を観に地元の映画館へ行ったとき以来じゃなかろうか。いやーなんだかすごい光景だ。

にしてもライブビューイングなるモノを体験するのははじめてである。当然ながらいつものように映画を観るのとは勝手が違うはずだ。

たとえば、通常のライブを観に行ったときのように立ち上がって観てもいいのか。ヘッドバンギングしながらノリノリな調子で身体を動かしていいのか。「ウォー!」とか奇声を上げたり拍手をしたりしても構わないのか。あるいはダイブはどうなのか。

結果から言うと、立ち上がったりヘドバンやダイブをかましたりする客は一切いなかった。いや、私は3列目の席にいたので後ろの客どもの様子はわからなかったが、おそらくいなかったはずだ。

ただ、席に座りながらナンバーガールの演奏に合わせて身体を動かす客はいた。というか私自身もそうした。「した」というか自然とそう「なった」。

さらに曲が終わると拍手も起こった。最初のほうこそぱらぱらとまばらだったが、ライブが進んでいくうちに拍手の音がどんどん大きくなっていった。

なので実際のライブ会場と同等とまでは行かないものの一体感みたいなものはあるっちゃあった。この日のライブはスペースシャワーTVでも生中継されていたらしいが、家でひとりこたつに入りぬくぬくしながら観ていた人間とは感じるものがちょっと違っただろう。

あとライブということで飲酒しながら観覧して膀胱が活発になったのか、途中退場→再入場する客がやたらと多かった。唯一不満を挙げるなら音が小さく感じられたことだろうか。やっぱり音楽の、ロックのライブなので、音量はもっとバカデカくしていただきたいなと思った。

そして肝心のナンバーガールのラストライブである。

とてもとても素晴らしかった。

私は20年前の1度目の解散時のツアー、つまり、今は亡きZepp Tokyoで行われた関東圏での最後となった公演を観に行ったのだが、あのときとは随分様相が違った。

gu-tara-tonchi.hatenablog.com

 

なにしろナンバーガールの面々に笑顔があった。ナンバーガールらしくギラギラしているが、それでいて生温さのようなものは一切なく、メンバー各々の演奏技術・表現力が増した「新生ナンバーガール」を最後の最後まで見せつけてくれた。

20年前、仲違いのような形で空中分解してしまったバンドを新たに違った姿で甦らせ、最後のステージ上で満足そうな笑顔を浮かべ、その活動に終止符を打った。

新曲なり新作アルバムを作らなかったのは、せっかく修復したメンバー間の仲をまた拗らせたくない、という向井の思いがあったからではないか。

じつに幸福な最後のライブだった。