2023年4月の消化物(映画)その2

先月もぐもぐした新作映画の感想文の後編をいまから書きます。

 

『オオカミ狩り』

凶悪このうえない犯罪者どもを韓国に輸送するためマニラから貨物船が出航するが、犯罪者どもの仲間が船内に乗り込んできて犯罪者VS警察による壮絶なぶっ殺しあいがおっぱじまったかと思ったら謎の怪人まで参戦してきて阿鼻叫喚の地獄絵図状態に……というお話。キレキレのぶっ殺しアクションに加え、誰が死んで誰が生き残るのかまったく先が読めないプロットで、おしっこちびりそうなくらい最高に楽しかったが、怪人の正体があきらかになってからはデキの悪いマンガのような感じになり個人的には一気にトーンダウンしてしまった。

 

『search/#サーチ2』

5年前に劇場公開されヒットを飛ばした『search/サーチ』の続編というか話がとくに繋がっているわけではないので正確には「新作」と捉えるべき作品。シングルマザーが出会い系アプリで知り合い恋人になったおっさんと海外に旅行しに行くが帰国予定日になっても帰ってこず心配になったシングルマザーのひとり娘があの手この手を使って捜索に乗り出して……みたいなお話。前作はPCモニター&スマホ画像のみで話が展開されるという斬新な構成っぷりが話題になったが本作に於いてもそれは踏襲されていて、機械音痴の私としては前作同様、「へー、こんなこともあんなことも出来るのか! スゲー!」と新感覚的な気分を味わえた。プロット的には少々強引な部分が感じられたもののシンプルに楽しいなと思える作品だった。

 

『聖地には蜘蛛が巣を張る』

イランで実際に起こった娼婦を狙った連続殺人事件をもとに製作されたというクライムサスペンス。『ヘンリー』のようなドキュメンタリー色の強い作品なのかなと思ったらエンタメ性もしっかり打ち出していていい意味で裏切られた。殺人鬼のおっさんと事件を追う女性ジャーナリスト2者の視点で物語が進んでいく凝った構成で飽きさせないし、女性ジャーナリストが殺人鬼のおっさんのところへ単身で乗り込んでいくシーンはひさしぶりに本気でハラハラドキドキしたし、闇の深さを思い知らされる終盤の展開を目の当たりにしグッタリした。

 

『ベネシアフレニア』

イタリアのヴェネツィアで観光客が次々とぶっ殺される怪事件が発生、ぶっ殺しは観光客のマナーの悪さに怒り狂った地元民どもが結成した秘密結社の仕業だった!……というお話。ぶっ殺し描写は悪くはなかったが、お話が一昔前のC級ホラーみたいなスカスカな内容で、ジャンル的には一応ホラー映画なのだろうから怖がるべきなのだろうがなんだかほっこりしてしまった。

 

『レッド・ロケット』

ポルノ男優やってたおっさんが地元に帰ってきて妻と義母を養い自分も生活するため社会的に認められるような職に就いて人生の再出発を図ろうとするが、気づいたら大麻売って未成年の少女に恋して付き合って突き合って少女にポルノ女優になってもらうついでに自慢のデカマラを武器に己ももう一度ポルノ男優に復帰しようとして……みたいなお話。「とんでもないクズ人間が観られる!」とTwitterで話題になっていたのでクズ大好物な私もスキップしながら観に行ったが、うーん、どうでも良かったかなあ。というか少女、嫌がるどころかむしろノリノリだったし、働いて金稼ごうとしている時点であんまりクズ感ない気がしたし、第一俺が好きなクズはカップルがセックスしている最中にわざわざぶっ殺しにやって来たりするホッケーマスクのクズや『レイク・プラシッド3』の女の着替えを覗いてる最中にワニ喰われるクズだったりするので、「ああこれは俺が求めていたクズじゃないわ」ってなった。

 

以上。疲れた。おしまい。