2023年4月の消化物(映画)その1

まるまる1ヶ月近くブログをさぼってしまったが読んでくださる方はいるのでしょうか。なにはともあれ先月もぐもぐした新作映画の感想文、前半ぶんを書いてみましょう

 

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』

私はマーベルだとかDCコミックだとか、ああいうスーパーヒーロー的な連中が悪いヤツをぶっ飛ばすみたいな映画にはあんまり関心がない人間で、で、この『ダンジョンズ&ドラゴンズ』もまあたぶんおんなじような感じでしょ? しかも全然知らんゲームが原作みたいだし……ということで全然観るつもりはなかったのだが、Twitterのタイムラインに絶賛のツイートがわんさか流れてきて、気になって観に行ったらこれが大正解、という嬉しい結果になった。まず世界観が親切設計でわかりやすいのが良いし、シリアスとふざけのバランスが絶妙だし、なによりキャラクターたちが全員生き生きしていてすこぶる魅力的なのが大変よろしい。ゲームのキャラクターたちだが、「こんな人、いるよなあ」みたいなリアリティのある人物として描かれているので親近感が自然と湧いてくるし感情移入もしやすいので、この種の作品を苦手としている人もためしに観てみる価値が大いにある良作だと思う。

 

『エスター ファースト・キル』

「見た目は子どもなのにじつは大人の殺人鬼、あのエスターちゃんが帰ってきたよー!」というわけで傑作ホラー『エスター』の前日譚を描いた続編である。精神病院からトンズラこいたと思ったら、娘が4年間行方知れずで悲しみに打ちひしがれながらもいまだ娘との対面への希望を捨ててない一家のもとへ「あたしゃ娘だよー!」と身分を偽って目論みどおり家族の一員となり、お約束どおりパパに惹かれてしまったエスターちゃんが邪魔な嫁と息子をぶっ殺そうとするが……みたいなお話。話が進むにつれて「そう来たか!」とも「いや、さすがにデタラメすぎるだろ!」とも取れる超展開に突入。まあ、エスターという殺人鬼自体がデタラメとも言えるし、前作ほどではないにせよ、個人的にはなかなかに見応えのある「バトル映画」として楽しめた。あと私はプロレスラーみたいなババアがツボなのでそういった意味でも満足できた。

 

『ノック 終末の訪問者』

ゲイのカップルと養子の少女という幸せいっぱいの3人家族のもとに「じつはこのままだと世界が滅びますが安心してください、3人のうちのどなたかが死んでいただければ地球は助かります。ではどうぞ死んでよろしく」とかのたまう謎の集団が突然やって来て……みたいなお話。3人家族と同様、観ているこちらも狐につままれた状態になってしまうお馴染みのシャマランっぷりが味わえる作品であり、まあ、わけがわからなかったが、「こんな終末モノ、観たことないよー!」という意味でわりと楽しめた。あと私はプロレスラーみたいなおっさんがツボなのでそういった意味でも満足できた。

 

『ザ・ホエール』

恋人を亡くし悲しみに暮れるあまり過食症になり介護なしでは身動きが取れないほどデブってしまったゲイのおっさんが家族を捨て男に走った自分を憎んでいるひとり娘のために幾ばくもない余命を振り絞り親子の絆を取り戻そうとするが……みたいなお話。私は恋人を亡くした経験も過食症になってしまったこともないし、少々腹は出てきているがデブというほどじゃないし、嫁も子もいないせいか共感とか感動とかはなかったが、まったくおなじとは言わないまでもこういうような人もいるのかもしれないなあ、と興味本位的な視点でわりと楽しめた。オチがコントみたいで軽く笑いそうになってしまったが悪気はないので許してほしい。

 

『AIR/エア』

エアジョーダンの開発に至った軌跡を通じて、その原動力となった愛と信頼を余すところなくドラマ化したものであるのかどうかはよくわからんがまあおおよそそういう感じの実録モノ。私が提唱している「ベン・アフレックの監督作、だいたいハズレなし」「マット・デイモンの主演作、だいたいハズレなし」を見事に実証した作品だったしフツーに楽しかったが、それ以上でも以下でもないかなーと思ってしまったのは、私がエアジョーダンにもお仕事のサクセスストーリー的な映画にもとくに興味がないからかもしれない。

 

では後半は近日中に。

以上。疲れた。おしまい。