2022年3月の消化物(映画)

恒例の今月劇場でもぐもぐした新作映画の感想文です。

 

『ハングリー/湖畔の謝肉際』

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これは少し前に1本の記事として書いた。

gu-tara-tonchi.hatenablog.com

 

上の記事でも書いたとおり紛うことなきクソ映画だが、なにしろクソっぷりがハンパなかっただけに、じつは今月観た新作映画のなかではこの作品がもっとも印象に残ってたりする……。

 

『ガンパウダー・ミルクシェイク』

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殺し屋のおねーちゃんが良かれと思ってやったことが組織の逆鱗に触れてしまい、やがて命を狙われるようになり……というお話。キラキラしたネオン街の感じがエドガー・ライトっぽいなーと思ったり、なんか全体的にタランティーノっぽい作風だなーと思ったり、まあそういうオマージュ的な演出は全然いいんだけど、ほとんどのアクションシーンがなんだか鈍臭く感じてしまったし、テンポも良くないせいか爽快感もあんまりなくて、個人的には合わないノリの作品だった。

 

『THE BATMANーザ・バットマンー』

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登場人物多すぎるわ話があっちこっち展開していくわでなんだかよくわかんねーなって感じだったが、最終的にきっちりまとまってたし、キャットウーマン役の女優さん綺麗だったし、アクション派手で楽しかったし、つーか暗い映画、基本的に好きだし、フツーにおもしろかった。ただやっぱり3時間はなげーなと。あと、カート・コバーンをモデルにしたらしいがあんまりそこいらへんがピンと来なくて、なんか全体的な世界観とかバットマン=ブルース・ウェイン演じるロバート・パティンソンの見た目含めて、カート・コバーンというよりナイン・インチ・ネイルズ=トレント・レズナーっぽくね? などと思ったりなんかした。

 

『アンビュランス』

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血は繋がっていないが固い絆で結ばれている兄弟が弟の妻の手術費を捻出するため銀行強盗を計画・実行して、で、見事大金をせしめてイェーイ計画通りだぜーいなんつって浮かれてたら追跡してきた警察に仲間たちがぶっ殺され一転ピンチになって、それでもなんやかんやあって救急車を強奪することに成功したかと思ったら車内にはさっき弟が拳銃ぶっぱなしたせいで瀕死状態の警官とその警官の延命措置をしている救急救命士の女がいてぐちゃぐちゃな感じになっちゃって、まーしゃんねー予定外になっちまうけどこいつらふたりを人質にして逃げんべーってなるが、そうこうしているうちにやべーギャングとか弟と同級生だったFBIのおっさんとかも騒ぎに加わってきてさらにぐちゃぐちゃに……みたいな、もうとにかくなんかレッドゾーン完全に振りきってるスゲー映画だった。まあ、はっきり言ってつっこみどころありまくりのムチャクチャなお話なのだが、鬼気迫る突進力というかちょっと尋常じゃないハイテンションぶりというか、とにかくムチャクチャなのに抗いがたい魅力がある。そして、なんかトニー・スコットっぽい。トニスコ好きな私は大満足でした。

 

『ヴォイジャー』

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温暖化により滅亡が迫りつつある地球を抜けだし移住可能な惑星へ飛び立った若者たちの物語。なんかどこかで観たようなお話だなー、にしても管理体制ザルすぎじゃね? と思いつつ観てたら、ある人物が退場してから一気におもしろくなった。人間って醜いなーってしみじみ思える、とても楽しい映画でした。にしてもコリン・ファレル、いい味出す役者になったなー。

 

『ナイトメア・アリー』

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オカルト系のあやしげなショーが売りの移動式遊園地で雑用係をしている男がショーマンとして頭角を現すようになりやがて同僚の女とともに独立開業し順風満帆な日々を過ごしていたが、男のほうが次第に金や権力や支配欲に取り憑かれていって……というお話。これも『ヴォイジャー』と同種の、人間の業がテーマの作品と言ってよろしいかと。とにかくかなりエグいお話でばっちり好みな映画だったが、もっとエロなりグロなり強烈に不快な展開なりギアを上げていれば最悪な胸クソ映画として語り継がれる大名作になったのでは、という思いもあるっある。

 

以上。疲れた。おしまい。