2023年2月の消化物・その1(映画)

月に一度の新作映画の感想文。今月もそこそこの本数観に行ったので2回に分けて書く。

 

『FALL/フォール』

山でフリークライミング中に落下事故で旦那を亡くし「てかマジやる気出ねえ。よっしゃ死のう!」みたいな感じで毎日ヤケ酒かっ食らってるねーちゃんを立ち直らせようと同じクライミング仲間で親友でもあるねーちゃんが「オメーいいかげん元気出せよ。じつはさ、すげえバカ高い鉄塔があってよ、そこふたりで登ってさ、そんでその動画をネットで生配信してバズらせようぜ」とか誘ってきて、でもって見事鉄塔の頂上に到達し降りようとするが老朽化していたハシゴが崩れ落ちちゃって、おまけに助けを呼ぼうにも辺り一面はだだっ広い荒野で人なんて通る気配がないわスマホも電波が届いてなくて通信不能だわで「ひえー助けてー!」ってなるお話。なにしろ高所映像がふつうに怖いし、ストーリー的にも動きが少ないかなと思ってたらひとひねりあるしで楽しかった。キモい狂人やキモい化け物とかが出てくるホラー映画なんて全然平気という人もこれはふつうに怖いだろうし、ジェットコースターとかに乗ってわざわざ怖い思いをしたりするのが好きな人なら問答無用で楽しめるのでは。

 

『バイオレント・ナイト』

サンタさんが良い子にプレゼントを届けようとクリスマスにとある民家を訪れたがなんと凶悪な強盗団が来客してました、というお話。ついでに強盗団にもおもちゃをプレゼントをして「ありがとうサンタさん! めでたしめでたし!」というわけにはもちろんいかず困り果てるサンタさんなのだが、なにしろ相当やさぐれてるサンタさんであり、酒飲んでクダ巻いてゲロ吐いてそんでもってクソしまくるトナカイにブーたれたあげく血まみれになりながら悪党どもをぶっ殺しまくる夢いっぱいのクリスマス映画だった。個人的にはもっとめちゃくちゃやってくれても良かったのではと思うが、そこいらへんはいずれ公開されるらしい次作に期待したい。

 

『呪呪呪/死者をあやつるもの』

悪霊退散的な韓国ホラー。「とくに説明もなく当たり前のようにいきなり登場してきたこの人やあの人は誰…?」みたくなって、じつはもともとはドラマだったやつの拡張版でした、というのを観終わったあとで知った。ちゃんと調べなかった私も悪いが、そういうことはポスターにでっかく書いといてほしい。

 

『対峙』

銃乱射事件の加害者と被害者の両親たちがボランティア団体に一席設けてもらって話し合いに興じる物語。なにしろずっと4人が話し合ってるだけなので絵的な動きはほぼ皆無だし劇伴も一切ないしで、映画というよりドキュメンタリーっぽい。テイストとしては『十二人の怒れる男』に近い作品かもしれない。正直、また観たいとはまったく思わないが、作った意義は充分にある映画だと思う。

 

『バビロン』

サイレントからトーキー映画へ変わる時代に生きた3者を主軸にしたお話で、新進気鋭の女優をマーゴット・ロビー、サイレント映画の大スターをブラピ、映画製作を夢見る青年をディエゴ・カルバが演じている。なんか時代考証がデタラメだとかいろいろ言われてるみたいだが、私は映画はファンタジーと割り切って観ているからか、映画を単なる暇潰し以上のモノと考えていないからか、設定が雑すぎだろクソがとかならなかったし、というかふつーに楽しめたし、傑作とは言わないまでも良い映画だなと単純に思った。じゃぶじゃぶ金かけて作られた感満々の映像は見応えあったし、3時間の長尺作ながらテンポが良くて起承転結もきっちりしてたし、汲めども尽きぬエネルギーみたいなモノが終始感じられたし、なにしろ「映画観た感」がめちゃくちゃあって大満足なヤツだった。

 

以上。続きは次回。

疲れた。おしまい。