2024年1月の消化物(映画)その2

さあ、この3つの中で正解は果たしてどれでしょうか?! という質問がない3択クイズをいきなり出してみましたがどうですか。どうですかってなにがって話ですか。1月にもぐもぐした新作映画の感想文後編です。

 

『カラオケ行こ!』

合唱部の部長やってる中坊がヤクザの人に「今度組長主催のカラオケ大会に出なきゃなんないんだけど最下位になるとクソダサいモンモン入れられることになっちゃうんだよね。だから君さあ、俺に歌のレッスンしてくんない?」ってお願いされて……みたいなお話です。で、渋々ながらもカラオケ店に行ってレッスンして、やがてふたりのあいだに奇妙か友情が……みたいなチンパンジーでも想像できるような定石どおりの展開になっていきます。が、これがオモロい。登場人物のキャラが立ってるし、テンポも良いし、なんというか、押し付けがましいところがなくて、いい感じに笑わせてくれます。さらにいい感じに熱い気持ちにさせてくれて、最終的になんだかほっこりさせてくれます。そして無性にカラオケに行きたくなります。楽しかったです。素直にそう思えました。

 

『アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション』

依頼人のアリバイをつくってトラブルを回避する会社「アリバイ・ドット・コム」の運営から足を洗い恋人と結婚して真っ当な社会人として生活をしようとする主人公だったが様々なトラブルが発生して自分自身のアリバイをつくるために会社を再始動して……みたいなことになるお話です。なにしろギャグがすごい。1分に1発くらいのハイペースでギャグがぶち込まれます。下ネタはもちろん、コロナだったりガキンチョがアレしちゃったりする不謹慎系ギャグまでなんでもアリ。なにからなにまで笑えたわけではありませんが、「このブラックジョーク満載の攻めた姿勢は断然支持したい!」とフリーダムな表現を愛して止まない私は思いました。

 

『僕らの世界が交わるまで』

歌うたってチヤホヤされたい息子と堅実な生活を良しとする母親のすれ違いを描いたお話です。反抗期というかモラトリアムというか、「あるある」と共感する人も多いのではないでしょうか。私も「あー俺にもこんなような時代があったなあ」ってなりましたし、じっさい丁寧につくられたヒューマンドラマだと思いましたが、些か歳を取りすぎてしまったせいか、共感や感動まではいきませんでした。というか、パンチ不足というか、「せめてゾンビを出してくれれば…」とか思っちゃいました。ようするに、趣味じゃない映画でした。

 

『哀れなるたち』

かなりざっくり言っちゃうと「古い価値観みたいなモンはファックだぜ!」みたいな作品なんだろうな、と思いました。「自殺した女に胎児の脳を移植して…」みたいな設定の奇抜さやパイや珍満載の過激な性的描写に目が行きがちですが、テーマ自体は今風で真っ当で極めてシンプルでした。だったように思われます。テーマには個人的にも共感できましたし、エンタメとしてしっかり楽しめたので、フツーに良い映画だな、と思いました。と同時に、後ろのおっさんが大イビキかいて爆睡してて「届かないやつにはなにやっても届かないんだな…」と世の無情を感じてしまいました。

 

以上。疲れた。おしまい。