私は猛烈に馬鹿な人間で高校生やってたころにはじめてバイトの面接に行って特技の欄に「やる気がないこと」と書いた履歴書を提出したら普通に落とされたのですが逆にどうですか。採用しますか。先月もぐもぐした映画の感想文です。
『バッド・デイ・ドライブ』
いつものようにガキンチョらを学校に送り届けるためにリーアム・ニーソンさんが車ぶっ飛ばしてたら正体不明の人物から「車に爆弾仕掛けたよ。あっ、降りたら爆発するからね」」という電話が掛かってきて「んなわけあるか! って、どれどれ……爆弾だーッ!!!」みたいなことになるお話です。「なーんか観たことあるような…」と途中からなんだか釈然としない思いが湧いてきてモヤモヤしたまま劇場出てググってようやくわかったのですが、何ヶ月か前にアマプラで観た『ハード・ヒット 発信制限』という韓国映画のリメイクでした。と思ったらその韓国映画もリメイクで、実際は『タイムリミット 見知らぬ影』というベルギー映画がどうやらオリジナルらしいことが判明したのでした。ああややこしい。で、ベルギーのは私は観てないので置いとくとして、韓国のやつはわりかし社会的な問題を盛り込んだ内容だった記憶がぼんやりあるのですが、本作はもっと単純明快というか、「わさび山かけ牛丼がシンプルな牛丼になった」みたいな、ようするに「リーアム・ニーソンさんが悪いやつをぶっ飛ばすいつものアレ」でした。
『バッド・デイ・ドライブ』観た。「なんか既視感が凄いな…」と思ったらそれもその筈でつい先日アマプラで観た韓国映画のリメイクだった…。しかもオリジナルは重たい社会派映画だったのにこっちは悪い奴を成敗的な超人映画に改変されててビックリ。「さすがリーアムさんだ!」と色んな意味で感心した pic.twitter.com/TZx43pVPxg
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月3日
『市子』
恋人にプロポーズされて快諾したのに翌日バックレてしまったおねーちゃんのお話です。当然ながら「なぜ?」という話になっていくわけで、話が進むにつれていろいろと込み入った事情があることが明らかになっていきます。意外な展開の連続で途中までは興味津々に観ることが出来たのですが、「不幸の連鎖を描くのはいいとして、ちょっと現実味がなさすぎでは。つーか、くどい」みたく段々どうでもよくなっていっちまったというか、たぶん中盤あたりからはCoCo壱のカレーうどんのこととか考えてたような気がします。
『市子』観た。筋肉モリモリの超人が悪党をぶっ飛ばしてみたいなアレじゃないのは観る前からわかってましたが、にしても想像以上に重たい作品でした。涙が出ました。何度もあくびして。はあ。人の心がないのかなあ俺。 pic.twitter.com/2JA0k9Kg9O
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月10日
『ほかげ』
終戦直後の東京を舞台にしたお話です。居酒屋を営みながらひっそりと身体を売って生計を立てている女、空襲で両親を失った男の子、PTSDに苦しむ帰還兵の3人を軸に物語は進んでいきます。ぼんやりと薄暗い質素な画が、焼け野原となってしまった当時の風景そのものを映しているかのようでリアリティがありました。「戦争はやだなあ…」という当たり前を、具体的な事象でもってあらためて思い起こされてくれる、いい映画だな、と思いました。ただ、「映画=エンタメ」を求める私としてはもう一捻り欲しかった、というのが正直な感想ではあります。
『ほかげ』観た。戦争に翻弄された人日を描いた意義のある作品だったと思う。ただ、映画にはどうしてもエンタメ性を求めてしまう俺としては違った意味でしんどかった。まあそんなような感じで戦争映画が基本的に苦手な癖になんとなく観に行ってしまった俺が悪い。 pic.twitter.com/HbmdKjANoY
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月17日
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』
よくある悪魔憑きホラーのようでしっかり捻りを加えられたお話になってて好感。フツーに楽しかったです。なにしろこっくりさんみたいなあのアレが良い。おかーちゃんの怨念がアレしてみたいなのは正直よくわからない部分がありましたが(とくにオチ)、グロあり幽霊ホラー耐久ゲームみたいなあのアレがとにかく新鮮味があっておもしろかったです。
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』観た。
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月23日
「ククク…こいつは俺のものだ」
「おのれ神よ力を与え給え悪・霊・退・散!」
的なよくある悪魔憑きホラーじゃなくて謎解きサスペンスとしても頭使わせてくれて好感触。上映時間長いわけでもないのにブルってちびったのか途中退場・再入場する人が4人もいた pic.twitter.com/TfJ2D3AT6z
『PERFECT DAYS』
役所広司演じる清掃員のおっさんが毎日毎日公衆便所をピカピカにしてカセットテープで音楽聴いて飲み屋に行って一杯ひっかけて小説読んで洗濯して写真撮ったりする。それだけ。たまーに「ちょっとした出来事」が起きるが基本的にはそれだけ。だのになぜかこれがすこぶるおもしろい。一体どういうことなんだ。とにかくこの一連のルーティンの流れ、映像、音楽、さらに役所広司をはじめとする役者陣のアクト、すべてが静謐で滑らかで美しくも心地よい。そしてこの主人公みたいなおっさんはたぶんいない。というか断言してもいい。絶対にいない。しゃらくさいといえばものすごくしゃらくさい。なんだかハリボテの世界のような嘘くささがある。そうか。これはよく出来た御伽話なんだ。どうりでうんこがびっちりついた便器が一切出てこないわけだ。御伽話にうんこびっちりはありえない。仙人がピカピカの嘘東京に降臨、みたいな御伽話なんだ。あー、とても感じの良い仙人を観られてしみじみとした。みたいな映画でした。
『PERFECT DAYS』観た。一見無口で気のいいおっちゃんだが実は裏の顔は猟奇連続殺人鬼で…みたいなアレではないんだろうなとは思ってたが、にしても特にどうって事ない話なのによくもまあ退屈させないなあと感心した。「面白い」とはまた違うといか、「侘び寂び」の美というか、何しろしみじみとした。 pic.twitter.com/pyDSovlmAU
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月23日
『サンクスギビング』
モールが感謝祭セールを開催したはいいが安売り目当てで狂人と化した客が殺到してそのせいで死人が出て死人の遺族っぽい人が怒り狂って事故関係者たちをバカスカぶっ殺していくみたいな馬鹿馬鹿しい展開には笑わせてもらいましたがそれだけだったなー。
『サンクスギビング』観た。ショッピングモールでバーゲンセール→安売りに目が眩んだ狂人客がわんさか詰めかけ死人が出る→死人と近しかったっぽい人物が事故関係者を次々とぶっ殺していく、という馬鹿馬鹿しい設定には笑わせてもらったが既視感アリアリの展開で乗れず。豚の丸焼き食いたくなった。 pic.twitter.com/AnzNLUKNtD
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月29日
『ファースト・カウ』
西部開拓時代にドーナツで一攫千金を企てた男たちの愛と信頼を余すことなくドラマ化したのかどうかよくわかりませんが、とにかく地味で眠たくなりました。あとドーナツが全然美味そうじゃないぞ! つーかコレ、ドーナツか? 観終わったらプレスリーみたくドーナツばくばく食う気まんまんだったのに! みたいなよくわからない感想しか出てこないまったく合わない映画でした。
『ファースト・カウ』観た。「丁寧に作られている」という見方も出来るのだろうが、俺にとってはただひたすらテンポが悪くて無駄なシーンが多い地味でエキサイトしない作品だった。ドーナツも美味そうじゃないし出番も少ない。羽毛布団と枕があれば爆睡していただろう。とにかく合わない映画だった。 pic.twitter.com/suFNrIXx5G
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年12月30日
以上。疲れた。おしまい。