2023年5月の消化物(映画)その1

毎月恒例の新作映画の感想文。今月は大型連休が絡んだこともあり月間最多記録を更新し鑑賞本数は15本。「さすがに観に行き過ぎでは? なんかキモいかも俺」ってなった。そんなキモいおじさんのキモい感想文を早速書いてみましょう。

 

『セールス・ガールの考現学』

とくに将来の夢とかがあるわけでもなくぼんやりとした毎日を過ごしている大学生のねーちゃんがなんとなーくアダルトグッズショップでアルバイトすることになってオーナーのおばちゃんと交流したりするうちに大人の階段を上っていく……みたいなお話。モンゴル映画とのことで、恥ずかしながらモンゴルといや大草原とモンゴル相撲とモンゴルマンと朝青龍と白鵬くらいしか私は知識がなくて、こんないかにもミニシアター映えするようなオシャレな映画モンゴルで作られたりしてんだなー、とちょっと驚いた。そういった意味で結構新鮮味があったし、まあ、内容的にはよくあるようなモラトリアムな若者の成長譚で大したお話ではないのだが、「ふふふ」みたいに軽く笑えたりお色気シーンもあったり、なんかいい意味で落ち着いていてしみじみできるコメディといった趣があってわりと楽しめた。

 

『高速道路家族』

高速道路のサービスエリアで寝泊まりしながら通りがかった人らに「財布なくしちゃったんですわ。金貸してくれまへんかの」みたいな詐欺で生活を賄っている家族が父親が逮捕されたことをきっかけに母と長女と次男が詐欺の被害者女性の家に居候することになって……みたいなお話。貧困を描いたわりと悲惨なお話で、やりたい放題でバリバリ大暴れする父親には笑わせてもらったが、ドラマとしてはなんだか鈍臭くて盛り上がる部分もとくになく全体的にパンチ不足な感じがした。

 

『EO イーオー』

ロバがメインの映画というのは予告やポスターを見てなんとなくわかってたが、まさか主演だとは思ってなかったのでちょっとびっくりした。しかも主演のロバは本物のロバで、当然ながら言葉を発するとかは一切なし。人間も出てくるがあくまでも基本はロバ視点というのがおもしろかったし、幻想的な映像描写も相まってなかなか風変わりで刺激的な体験が出来た。

 

『ウィ、シェフ!』

勝気な性格が祟って勤め先の一流レストランからビークーを言い渡された女性シェフが移民支援施設に再就職して専属シェフとして美味そうなもんをバリバリ作ろうとするが、「そんな凝ったメシ作らんでもいいから」みたいなこと言われたり、「そもそもアタシ以外まともに料理作れる奴いねー! ムキー!!」みたくなって、しゃんねーから移民の少年たちに料理手伝ってもらったりしてるうちに仲良しこよしになってって……みたいなお話。「仲良くなるのが超速すぎでは」とか気になる点がないではなかったが、そのぶんテンポがすこぶる良いし、ウィットに飛んだコメディ描写も良しで、「まあ、想定できる展開をそのまま丁寧に描いて最終的にスカッとさせてくれる映画だなコレは」と油断して観てたら最後の最後にガツンとやられた。

 

 

『帰れない山』

「名物=山」「娯楽=登山」みたいなド田舎の村で生まれ育った仲良しこよしの男子ふたりだったが、片方の少年が都会の街に引っ越したことで音信不通状態となり、「噂によるとアイツは就職して結婚してそこそこの生活してるんだって? そんで俺は相変わらず山に囲まれた村で無職やってんのかよ…」みたくもう片方がウジウジやってたら都会に行ってたアイツが帰ってきて……みたいなお話。嫉妬に狂った田舎男が元田舎・現都会男を付け狙ってやがて血みどろバイオレンスに発展するのでは、と満々に期待してたが、そんなおもしろいことになるはずもなく、ひたすら重たいヒューマンドラマでまったく好みじゃないヤツだった。

 

『MEMORY メモリー』

リーアム・ニーソンさんが悪い人たちをバカスカぶっ飛ばすいつものヤツだった、と正直あんまり内容覚えてないのでうっかり書いてしまったが、リーアムさんが重篤な病を抱えていてそれなりにハラハラした気がするし、わりとヘビーで重厚なお話だったような記憶がかすかに残ってて、いつものポップコーンムービーとは若干毛色が違ったわりと新鮮味があるそれなりに楽しい映画だった、ような気がしないでもなかったりする。

 

『デスパレート・ラン』

シングルマザーやってるおかーちゃんがいつものように森でジョギングしてたら息子が通っている学校で銃の乱射事件が起きたという電話がかかってきて、そのうち「家で引きこもりやってる息子が犯人なのでは」と疑わざるを得ない情報が続々と集まってきて、しかし肝心の息子のスマホに電話かけても繋がらず、とりあえずおかーちゃんは学校に向かうが……みたいなお話。電話相手の声をヒントに状況を想像しながら鑑賞する、というシュチュエーションスリラーでなかなか新鮮味があり楽しかったが、犯人が判明したあとはビックリ展開がゼロになってしまったのがアレだったなーという感じ。

 

『TAR/ター』

まあ、よく寝た。映画館でこんなに寝た映画ははじめてかもしれない。何度も観るとどんどん「わかってくる」映画らしいが、なにしろそこそこ寝てしまったので「わかってくる」もなにもないし、もう一度観たいという気にもまったくなれないので感想を述べるのも土台無理な話なのであった。

 

『聖なる復讐者』

これは寝ていないはずだが上の『TAR/ター』とおなじくらいほとんど内容を覚えていない。イガグリ頭の青年が誰かをぶっ殺そうとするがなかなかぶっ殺しが始まらずイライラしたのはなんとなく覚えているが、それ以外のことがほとんど思い出せない。なぜだろう。失神でもしていたのだろうか。

 

というわけで続きは後編。

以上。疲れた。おしまい。