2023年映画ベスト10

ロクに趣味もないような人間なので日常の娯楽にしようじゃないかと2023年は意識的かつ積極的に劇場へ行って映画を観に行くようにした。

結果的に劇場鑑賞本数221作という過去イチで映画を観に行った年になった。数撃ちゃ当たるという言葉どおり、これだけの本数観に行った甲斐があってたくさんのとても素晴らしい作品に出会えた。ただ、同時にとても素晴らしくない作品にもたくさん出会ってしまった。今年はあらすじや予告編などの事前情報をしっかり頭に入れ、自分が楽しめそうな映画かあるいは合わなさそうな映画か、ちゃんと吟味してから劇場へ足を運ぶようにしたい。

と言いつつ、ほかに特別趣味も楽しみもない生活が変わるわけではないから、やっぱり観に行っちゃうんだろうけど。

というわけで、2023年に劇場で鑑賞した映画のベスト10。

 

10位『イノセンツ』

子どもは天使じゃないし、じつは大人よりも子どものほうが恐ろしい存在なんじゃないか。社会性がまだ身についていないぶん、頭のなかではとんでもないことを考えたりしてるんじゃないか。そんなことをこの監督が考えたのか知らないが、本作『イノセンツ』は「超能力」という「腕力」を身につけた子どもたちを描いた作品になっている。なんかショッカーみたいな世界征服を企むような悪い連中がいるから超能力でやっつけてやろうぜ! みたいなアレではなく、様々な問題を抱えているわけありの「無垢」な子どもたちがとんでもないことを起こす。なんというか、ひさびさに「嘘のない映画」に出会えた気分になれたし、「容赦ない感じ」がとても良いな、と思った。

 

9位『FALL/フォール』

FALL/フォール

FALL/フォール

  • グレイス・キャロライン・カリー
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リアルのぶっ殺しの場面だったりゾンビや人喰いサメに襲われた経験もないので、それらはあくまでも「映画のなかの出来事」として高みの見物が出来るが、本作は「高いよ怖いよー!」という誰にとっても身近なホラー体験を味わえるという意味で「その手があったか!」と目から鱗だった。アトラクション映画と言ってしまえばそれまでだが、お話的にもどんでん返しっぽい展開があったりして、最後までタマヒュンしながら飽きずに観られたし、なにより「劇場に観に来て良かった!」と心から思えた。

 

8位『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』

ファンタジー映画ってあんまり得意じゃないし、クリス・パインってなんだか冴えないイメージがあるし、ゲームが原作とのことで不安だったが、まあ良かった。敵キャラ含めて全登場人物がなんだか愛らしい魅力があるのがイイ。謎解きとアクションとギャグがバランス良く詰め込まれてて、その上ゲームを知らない一見さんにもわかりやすい親切設計になっているところも感心した。

 

7位『イコライザー THE FINAL』

イコライザー THE FINAL

イコライザー THE FINAL

  • デンゼル・ワシントン
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2023年ぶっ殺し大賞。なにしろテンポ感がすごい。体感時間1時間(実際の上映時間→1時間49分)。悪いやつらをこの上なくスピーディーに残酷きわなりなくぶっ殺してゆくマッコールさんのご活躍を拝見してスッキリしたし一生ついていこうと思った。いつか『新イコライザー 』『イコライザー 帰ってきたマッコールさん』みたいなタイトルで復活してほしいと心から願っている。

 

6位『オオカミ狩り』

オオカミ狩り

オオカミ狩り

  • ソ・イングク
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2023年ぶっ殺し大賞その2。はっきり言ってマンガだが、ここまで気合い入ったぶっ殺しはそうそうお目にかかれるもんではないだろう。とにかく予測不能ですこぶる楽しく、「次は誰がぶっ殺されるんだ?!」みたいなスリルを満々に味わえた。

 

5位『BLUE GIANT』

BLUE GIANT

BLUE GIANT

  • 山田裕貴
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「友情・努力・勝利」的な少年漫画あるあるなお話だし、ピアノの彼が終盤にアレするくだりは「いくらなんでも反則では…?」と思わないでもなかったが、私は音楽が好きな人なのでフィクションだとはわかっていても興味津々に観られたし、なにしろ熱がダダ漏れ状態の演奏シーンがしこたま流れてくるので私自身も自然と胸が熱くなってしまった。映画とジャズってなんでこんな親和性が高いのか。とにかく、ジャズならではのムーディーな雰囲気と熱っぽさに終始酔いしれてしまった。

 

4位『トゥ・レスリー』

To Leslie トゥ・レスリー(字幕版)

To Leslie トゥ・レスリー(字幕版)

  • アンドレア・ライズボロー
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キャラクターの作り込みっぷり、リアリティに舌を巻いた。「こういうダメな人いるよなー」というか、「つーか、俺も似たようなもんか…」というか、いろいろと考えされらせたし、いろいろと身につまされた。そして、とてもやさしい映画でもあった。まあ、しみじみとした。

 

3位『私がやりました』

とにかくコメディの古典作にオマージュを捧げたような世界観がよろしい。軽妙洒脱っぷりがじつに見事で、映画が娯楽の王様だった古き良き時代の名画を堪能したような気分を味わえた。そして、これも「劇場に観に来て良かった!」と心から思えた作品でもある。

 

2位『福田村事件』

単にドキュメントドキュメントしてる内容だったらここまで順位は高くしてなかったと思う。これがはじめての劇映画作とは思えぬほど「エンタメ」としても機能してて、ちゃんと飽きさせないつくりになってるのが「エラい!」と思ったし、本筋である「事件」そのものも容赦なく描いていて結末が容易に想像できたのに観終えたあとにはぐったりとした。

 

1位『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』

このブログやツイッターというかX的なSNSでも何度も書いたり呟いたりしているが、私は夜の街を徘徊する映画が大好物なんです。もうおもいっきりツボ。ネオンが煌めく夜の街で愛すべきキャラクターたちが繰り広げる、SF(少し不思議)でデタラメな魅力満載の非日常感に終始夢見心地な気分になった。

 

以上。疲れた。おしまい。