2023年の曲、ベスト5

2023年が終わった。音楽インポになってひさしい私だが、なんだかんだで好きになれた新規ミュージシャンに出会えたし、ライブもかなりの本数観に行けたし、いくつかの好きな曲にも出会えた良い年だった。良い年だったとしたい。というわけで私の私による私のための2023年の曲ベスト5がこちらである。

 

5位.ボーイジーニアス「Not Strong Enouph」

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「3人の著名シンガーソングライターがトリオを組んだスーパーバンド」と言われても正直誰ひとり知らんし、さんざ絶賛されていた1stフルアルバムもあんまりピンとこなかったが、この曲は好きだ。気に入った。なにしろ瑞々しいバンドサウンドが良いし、キャッチーなメロディも、眩いコーラスワークスも、いずれも素晴らしく、それでいて暑苦しさとは無縁なのがとてもよろしい。なんかよくわからんが広大な平野を軽やかに進んでいくような解放感があり、これぞアメリカンロックという趣があるというか、ホールの『Celebrity Skin』という私の大好きなアルバムを彷彿とさせるというか、とにかくすこぶる良い。

 

4位.ザ・ウェイヴ「You’re All I Want To Know」

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ブラーのグレアム・コクソンとローズ・エリナー・ドゥーガルという人が結成したユニットのデビューアルバムからのナンバー。この曲の魅力はなんといっても「ちょっと暗くてオトナな雰囲気」に尽きる。まず、グレアムのギターがなんといっても素晴らしい。静と動を巧みに行き来するギター奏法でもって、ただ単に暗いだけではない、メロウな味わいだったり静謐な美しさだったり、奥行きの広さを感じさせてくれる。さらりと歌い上げるツインヴォーカルもベタベタ過ぎないストリングスもちょうどいい塩梅で、くどさとは無縁なのがまた良い。

 

3位.ZAZEN BOYS「永遠少女」

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11年ぶり新曲ということもあったのかもしれない。とにかく、はじめて耳にしたときは音楽聴いてひさびさに鳥肌が立った。音楽的になにか特別変化した感じはない。11年経ってもZAZEN BOYSはZAZEN BOYSだった、みたいな、「変わってなかった喜び」のほうがなんならデカいかもしれない。ギターとベースとドラムがジャキジャキブリブリドゴドゴ鳴ってて、そんで向井がバリバリ気合い入った歌うたってて、ああZAZEN BOYSだなー、やっぱカッケーなー、で、まあ、とても良いな、嬉しいな、と思った。

 

2位.カネコアヤノ「気分」

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私が単に怠け者であるせいもあるのだろうが、にしても「堕落は悪くない こころを守るんだ」という歌詞が良い。なんてやさしい言葉なんだろう、と思う。しかし、ただのあまっちょろい曲ではないというか、どちらかというと現実の厳しさが投影された、切なくてほろ苦い楽曲である。感傷的なメロディ、表情豊かな歌声がまた良い。グッときてしまう。まあ、沁みる。名曲。

 

1位.ブラー「Barbaric」

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ブラーがひさびさに復活してライブをやるという第一報が流れてきたのは2022年の8月で、その時点では2024年に復活予定という話だったので、まさか2023年に復活してしかも新譜まで出すとは思ってなくてビックリしたし、新譜がすこぶる素晴らしいデキだったのもビックリした。で、この曲は件の新譜『The Ballad of Darren』に収録されている曲のなかでも個人的に一番好きな曲であり、私の2023年ベストソングでもある。ブラーらしい快活さのみならずおセンチなエキスがたっぷりで、これはいま現在のブラーだからこそ出せた味でしょう、と何度聴いてもグッときてしまうし、終盤(3分36秒あたり)のストリングスがさり気なく入ってくる瞬間は涙腺が崩壊してしまいそうになる。

 

以上。疲れた。おしまい。