ブラー『The Ballad of Darren』収録曲、ベスト5

先週末に開催されたサマーソニック2023で土曜日(8月19日)のマリンステージのトリを務めたブラーのライブを観てきた。

良かった。とてもとても素晴らしい、とにかく素晴らしすぎるライブだった。

なにしろ実質的におよそ8年もの間、バンドは長い長い冬眠生活に入っていたし、日本でライブを行うのだって相当ひさかたぶりである。2014年の1月、場所は日本武道館だった。私も観に行った。

あれから9年も経ってしまった。

当たり前だがデーモン、グレアム、アレックス、デイヴが目の前にいる。往年の名曲が聴けた。ものすごくひさしぶりに聴けた。

それだけでも感涙モノだったが、今年の7月、8年ぶりにリリースされた新作『The Ballad of Darren』からの楽曲も往年の名曲群に全然負けてねえというか、なんなら凌駕している感さえあり嬉しくなってしまった。

新作を聴いて懐メロ懐古バンドなどではなく現在進行形のバンドであることは重々わかっているつもりだったが、9年ぶりに生のパフォーマンスを観ることが出来て、その思いが確信に変わった。

「すげーなあ。全然現役バリバリのバンドじゃん。つーか、ブラーってこんなにかっちょ良かったっけ」

と、なんだかしみじみと感動してしまった。

なにしろ生ブラーからすでに2日経ったが感動と興奮がまったく収まらない!

つーか、ツアー後はまた長い冬眠生活に突入でチーズ売りに再び専念とか罪深すぎだろ。まだまだ新作わんさか作るべきだし単独でもフェスでも来年でも再来年でもいいからまた来て欲しい。

というわけで、そんな願いも込めて『The Ballad of Darren』収録曲のベスト5を発表したい。

収録されている楽曲は以下のとおりだ。

  1. The Ballad
  2. St.Charles Square
  3. Barbaric
  4. Russian Strings
  5. The Everglades(For Leonard)
  6. The Narcissist
  7. Goodbye Albert
  8. Far Away Island
  9. Avalon
  10. The Heights
  11. The Rabbi(ボーナストラック)
  12. The Swan(ボーナストラック)
  13. Sticks And Stones(国内盤CDボーナストラック」

以上、ボーナストラック3曲を含めて計13曲。

このなかから見事ベスト5にランクインするのは果たしてどの曲か。例によって私個人の独断と偏見で勝手に選ばせてもらう。

それでは早速行ってみよう。

 

5位「Russian Strings」

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まず5位はTr.4「Russian Strings」だ。なにしろ枯れた味わいがじつに心地よい。物憂げな美しいメロディといい、凪のように穏やかなバンドサウンドといい、とにかく「グッとくる」要素がたっぷり詰まっている。それでいてジジイが懐古趣味でつくったような退屈な代物になっておらず、現役バリバリのバンドとしてしっかりスウィングしている。そして、これこそが本アルバムならではの特色、魅力なのではないかと思う。

 

4位「The Heights」

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続いて4位は本編のラストナンバー「The Heights」だ。この曲の最大の聴きどころはなんといってもグレアムのギタープレイ。全体的にどこか異物感が漂うバラード調の楽曲であり、歪んだエレキギターの音が不穏な雰囲気をさらにひたすら煽る。とくにアウトロでのフィードバックノイズは特筆モノで、カッケーと痺れるしかない名演を聴かせてくれる。サマソニでは5つぐらいのパターンのフィードバックノイズを鳴らしてくれて「やっぱグレアム最高すぎる!」とめちゃくちゃ興奮した。

 

3位「The Narcissist」

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明るい曲調のポップソングで、本作収録曲のなかでも比較的ブリットポップ期に近い雰囲気がある。耳馴染みの良いキャッチーなメロディが素晴らしいし、デーモンのヴォーカルとグレアムのコーラスの絡み具合も絶妙。アレックスとデイヴのプレイも地味だがいい味出してる。良い! 好き! というわけで3位はこの曲。

 

2位「Goodbye Albert」

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2位はこの曲、Tr.7「Goodbye Albert」だ。なにしろ、哀愁あふるるグッドメロディが素晴らしい。切々と歌い上げるデーモンのヴォーカル、アレックスのうねるベース、デイヴのタイトで切れ味があるドラム、そしてそよ風のような心地よい味わいがあるグレアムのギター! 最高だ!

 

1位「Barbaric」

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そして栄えある1位に輝いたのはこちらの曲、Tr.3「Barbaric」だ。「これぞブラー!」と言いたくなるキャッチーなポップソング。それでいて年輪を刻んだがゆえに生まれたようなコクや味わいがある。とくにラストのサビが展開されているときにストリングスが絡んでくる瞬間は鳥肌モノ。とにかく「グッとくる」。そして泣ける。文句なしの一等賞だ!

 

以上。疲れた。おしまい。