2023年8月の消化物(音楽、映画)その1

先月もぐもぐした新譜音楽アルバムと新作映画の感想文を書いてみようと思います。

 

【音楽】ザ・ウェイヴ『The Waeve』

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なにしろサマソニで9年ぶりにブラー観ることが出来て大変満足したので熱が冷めるかと思ったら「もっとブラーくれ!」みたいな飢餓感がハンパじゃないのです。というわけで、ブラーのギタリストのグレアム・コクソンがローズ・エリナー・ドゥーガルという人と結成したザ・ウェイヴの2月にリリースされた1stを今さらながらがっつり聴いてみたのですが、いやこれがなかなか良い代物で気に入りました。エレクトロポップ〜ロック調の作風で、相変わらずグレアムのギターがヘンで面白いですし、ノイジーなギターと電子音が大活躍してるパンクっぽいはっちゃけた曲があれば、ラッパがムーディーに鳴り響くオシャレな曲もあったり、アレンジも曲調もバラエティに富んでいる。曲によってローズさんが歌ったり、グレアムが歌ったり、はたまたツインヴォーカルの曲もあったり、自由度が高いところも好感触だし、メロディがキャッチーなのも嬉しい。個人的には③「Over And Over」や⑩「You're All Want To Know」等の歪さと美しさが仲良く同居しているバラード系がとくにツボ。こういう派生的なグループは、大体アルバムを1、2枚出して大した評判にならず気づいたら自然消滅してた、みたいなパターンが多い気がしますが、ぜひ継続的に活動してほしいなと思います。

 

【映画】『トランスフォーマー ビースト覚醒』

私は男の子のくせにロボにまるっきり興味がなかったりするので一抹の不安を抱きながら観に行ったのですが、フツーに楽しかったです。なにしろストーリーがシンプルなのがよろしい。人間とロボとロボゴリラ率いるロボ動物たちが協力して悪いロボ軍団をぶっ飛ばす。それだけ。だがそれがいい。シンプルに振り切ったぶん、頭からっぽにして楽しめる快活さに溢れてます。キャラクターたちも総じて魅力的。スクリーン映えするエンタメのお手本のような映画でした。

 

【映画】シャーク・ド・フランス

なにしろ映画のタイトルとポスターがこんな感じなのでひじょうに頭のよろしくないサメ映画を観る気まんまんで行ったらこれが真逆の大真面目なサメ映画で面食らってしまいました。自然保護の問題とかSNSの危険性だとか、いろいろと訴えたいことがあるのは充分すぎるほど伝わってきましたが、私は頭が悪いバカ映画を観て大笑いするために劇場に足を運んだわけで、なんというか、本屋さんで『地獄甲子園』のコミックスを買ってきたつもりがページを開いたら太宰治の『人間失格』だったみたいなというか、たとえがわかりにくくて申し訳ありませんが、とにかくさっぱり乗れませんでした。

 

『アウシュヴィッツの生還者』

ナチスドイツによって強制収容所に収監されたもののどうにか生き延びた男が、戦時中生き別れになったしまったフィアンセに見つけてもらうためにアメリカに渡りボクサーとして有名になろうと頑張るのですが、なかなか芽が出ず「というか、フィアンセ死んじゃってるのでは…」とか、いろいろと苦悩したりする実話ベースのお話です。なんというか、切実な体験談であり、「大変だったんだなあ…」とは思ったのですが、つーか後ろに座ってるおばさんのすすり泣きも聞こえてきたりしたのですが、私は基本的に映画に「感動」は求めてない人間であって、なんかすいません、あんまりでした。

 

【映画】『バービー』

前評判がすこぶる良かったのでまんまんに期待して観に行ったのですがフツーにおもしろかったです。まず、あの有名なおもちゃの人形が人間化しているという世界観が新鮮でしたし、従来の凝り固まった社会常識にノーを突きつける意思表明には痛快な気分になりました。それでいて馬鹿でもわかるようなキャラクター造形やストーリー展開もよろしい(オチだけ「ハア?」でしたが)。そのぶん説明的すぎるという批判意見もいくつか見られましたが、「わざと」わかりやすくした、という皮肉が込められているのかな、と思った私がこの監督の初監督作を買い被りすぎているか否かは次作を観て判断しようと思います。

 

以上。疲れた。続きは次回。