長らく開店休業状態が続いているブラーがついに再始動するらしい。
なんでも名盤『Parklife』のリリース30周年を記念した大規模ライブを2024年に行う計画があるそうだ。
報道が事実ならあと2年待たなければならないし、新曲なりニューアルバムのリリースなどもおそらくないのだろうが、いずれにせよ大変喜ばしいニュースである。つーかなんならその前にウォームアップがてら来日ライブ開催してくれてもいいんですよ。
ところでブラーといえばノエル・ギャラガーのこんな言葉を思い出す。
相当昔に読んだ『ロッキング・オン』に載っていた。デーモンの女にパイズリがどうのとかいうヤツではない。第一、あれはリアムの発言だ。例の「ブラーVSオアシス」がメディアを賑わす少し前のころの記事だったと記憶している。言葉のニュアンスは多少異なっているかもしれんがだいたいこんなことを言っていた。
「俺から言わせるとブラーはザ・ジャムと一緒でシングル・カットされた曲がとてもいいんだよ」
ようするに、
「ブラーのアルバムは捨て曲が多くてとてもじゃねえが聴いてらんねえ。ただ、シングルは一聴の価値あるぜ」
と、そんなようなことを言っていた。
ノエルのこの発言にはブラーのファンも激おこであったろう。まあ、なにぶん大昔の発言だし、いまのノエルの考えはまた違っているであろうから許してあげてほしい。
では、ブラーのシングル・カット・ナンバー以外の名曲はなにか。
例によってベスト5を勝手に選んでみた。
5位「Jubilee」
まず5位はやはり外すわけには行かない傑作3rdアルバム『Parklife』に収録されているこちらのナンバー。ちょっとパンクロックっぽいヤツ作ってみました、というテイの荒々しげな曲だが、ブラーの持ち味と言えばなんといってもどこかひねくれ感があるところ。創意工夫に溢れたコーラスワークだったり電子音が素っ頓狂な感じでピコピコ鳴ってたり一癖あるサウンドデザインが敷かれているし、グレアム・コクソンのギターもいろいろなパターンのフレーズを掻き鳴らしていて大忙しな感じだ。全体的にユーモラスかつすこぶるポップな曲調に仕上がっていて、「これぞブラーの真骨頂!」言いたくなる楽曲である。
4位「Essex Dogs」
続いて4位は5th『Blur』収録のこちら。ポエトリーリーディング調というかブラーの楽曲のなかでもとりわけ攻めてる感が強い楽曲である。工場の機械音みたいなひんやりとしたサウンドをバックに、デーモン・アルバーンがほとんど歌いもせずただ淡々とセリフを呟いていて、それが8分近く続く。要するにヤマもオチもない曲だが、これが妙に心地よい。不意にワンフレーズだけ歌が流れてきたり、ダブっぽい音処理が適材適所で施されていたり、細やかなアレンジが光る一品で、まったりダークな気分に浸れる。
3位「Death Of A Party」
同じく『Blur』収録曲。この曲も好きだなー。出だしからインパクトがあるこの音はシンセサイザーだろうか。カラフルで夢見心地なサウンドでありながら気怠げなムードもあって、この曲を聴くと『Blur』のアルバムジャケのようなくすんだキャラメル色が脳内に広がる。あとBメロが良い。メロディが綺麗でなんというかグッとくる。自分で選んどいてアレだが3位なのも納得のデキ。
2位「Bad Head」
2位は『Parklife』収録のこちらのバラードナンバーだ。この曲はとにかく物憂げなメロディがとても良い。ムードを高めるための調味料としてトランペットなどの管楽器が加えられていて、これが効果的でじつに心地よい。単音のフレーズを流麗に刻むグレアムのギター演奏も絶品モノだ。あまたあるブラーのバラードの代表曲のひとつと言っていいだろう。
1位「Trimm Trabb」
そして栄えある1位に輝いたのは6thアルバム『13』に収録のこちら。ちなみにこの曲は以前「ライブで聴いて痺れたギターソロ、ベスト5」という記事で5位に選んだこともある。ブラー流グランジロックというかブラーmeetsニルヴァーナと言えそうな楽曲で、静から動へと激しく展開していく静謐さとヘヴィネスを組み合わせたソングライティングが秀逸だ。もちろん、グレアムの豪快このうえないギターソロが炸裂するアウトロも必聴である。いやあ、素晴らしい。
以上。疲れた。おしまい。