というわけで先月もぐもぐしたヤツの後編をいまから書いてみましょう。にしてもツイッターが終わりそうで残念だなー。まだ2年ぐらいしか遊んでないのに。
『怪物』
何気にコレが私にとっての是枝監督作初鑑賞。是枝映画=社会派というイメージがあったので重ためで硬派な感じなんだろなと思って観に行ったら登場人物3者の視点で構成されたわりとエンタメしてるつくりで驚いた。「息子が担任の教師に体罰を受けたっぽい! 許さん!」つってお母ちゃんが学校に乗り込んで行ったら、担任は一応やったことはなんとなーく認めるものの息子さんにも非がある的なこと言ってきて「担任コノヤロー!」ってなって、おまけに校長もクソだるそうに対応してきて「校長コノヤロー!」ってなって、「こんな学校は嫌だ!」みたくなんだかたけしの大喜利っぽい感じになるがじつは……みたいなお話。前述した凝った構成はおもしろいなと単純に感心したし、とりあえず物事・出来事は一面的に見ちゃいけませんよー的なこと訴えてるんだろなと私は勝手に解釈して、まあこれはこれでなかなか意義深いテーマを持った作品ではと思ったが、だんだん技巧的にもプロット的にも鼻につくとは言わないまでもくどいなーってなってって、というか校長の伏線回収できてないのでは校長わけわからんねーとかなったあたりから結構どうでも良くなってしまった。
『怪物』観た。バンテージ・ポイントというかパルプ・フィクションというか現金に体を張れ的な構成には驚いたし重いテーマを扱いつつエンタメしてて良いなと思ったが、凝った作りに慣れた中盤辺りから割とどうでも良くなってしまった。サイコっぽい校長がひと暴れしてくれるのではと期待してたが…。 pic.twitter.com/gv3RG7YXIE
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月11日
『探偵マーロウ』
探偵やってるリーアム・ニーソンさんが富豪夫人に「行方不明になった浮気相手を探してちょうだい!」って依頼されて早速調査したら「フーム。交通事故に巻き込まれて死んだっぽい」ってなって報告しに行ったら「うん知ってた。つーか、こないだ町で見かけたから生きてるはず! ちゃんとやれや!」って言われて「いや知ってたのかよ!」ってなって、再度調査して「どうやら生きてますぞ奥さん!」ってまたまた報告しに行ったら「なるほど。つーかそれも知ってた」って言われて「いやコレも知ってたのかよ! わけわかんねー!」みたくなるお話。リーアムおじさんもさすがに年齢的にアクションはきびしくなってきたのでここらで一丁キャラ変はかったのか、と思わされる内容で、それは全然いいんだが、いくら時代劇だからってテンポが悪すぎるように感じたし、登場人物が漏れなく魅力なしで結構眠たくなった。
『探偵マーロウ』観た。「今回は探偵に扮するリーアムおじさんが悪い奴をバカスカぶっ飛ばしちゃうゾ!」みたいなのではなくめちゃくちゃ地味なお話だった。時代劇らしくジャズ中心の劇伴による雰囲気作りはなかなか良し。ただ善人も悪人も魅力的に思える人物が皆無なのがねえ…という感じ。 pic.twitter.com/J6CkoRmXLX
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月17日
『カード・カウンター』
製作総指揮マーティン・スコセッシということでかなり期待しつつ、にしてもそのわりに随分公開してる映画館が少ないなと思ったら、それも納得のものすごく地味渋な映画だった。なにしろ天才ギャンブラーが主人公の物語なのにギャンブルで盛り上がるシーンが皆無! いやまあ、ギャンブルがメインのお話じゃないんダヨーン! というごもっともな理由があるのだが、だったらべつにギャンブルじゃなくても良くね? って感じだったし、散々面倒見てた相棒がアレして胸糞で終わるのかなと思ったら必ず最後に愛は勝つ的なオチでポカーンとした。
『カード・カウンター』観た。天才ギャンブラーが主人公なのにギャンブルの場面の見せ場が一切ないというヘンな映画だった。まあ意図的なんだろうけど。にしても「なんでコレがR15指定なの?べつにエグい描写ないだろ」って観てたらおもいっきりちんこ出てきて「コレかー!」ってなった。 pic.twitter.com/TWRVQAlJoC
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月18日
『ザ・フラッシュ』
評判良さげだったので観に行ってみたが、やっぱ俺スーパーヒーローが大活躍みたいなヤツ基本興味ねえわ、としみじみ実感してしまった。いや、べつに嫌いじゃないしおもしろくなくはなかったけど。まあ、ニコラスにたっぷり笑わせてもらったからオーケーとしたい。
『ザ・フラッシュ』観た。まさかのあんな人もこんな人もご登場だったり巻き戻しとやり直しを執拗に繰り返したりとか良くも悪くもゲップが出そうなくらいのてんこ盛りっぷりだった。んで次作はニコラスのアレが公開されるのだろうか。笑っちゃいそうだぞ。マジでいいのかそれで。 pic.twitter.com/v8HEbEQqnW
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月18日
『プー あくまのくまさん』
悪いプーさんが大活躍するヤツ。C級、もしくはZ級と言ったほうが良いかもなすこぶる出来の悪いスラッシャー映画だったし、酷評が目立ってるのも納得だが、私は「ネズミの王国でみんなを笑顔にしているあのプーさんがあんなことやこんなことを…」と常に頭に入れながら鑑賞する「努力」をしたのでかなり笑わせてもらった。続編も既にクランクインしているそうなので次も大いに笑わせてほしい。めちゃくちゃ期待している。
『プー あくまのくまさん』観た。ただの出来損ないのC級ホラーだったが「鼠の国でみんなを笑顔にしているあのプーさんが…」と常にイメージしながら観る努力をしたおかげで結構笑わせてもらった。ただブタはいらん。あんな奴ディズニーのキャラでいないだろ。プーさんが殺るから面白いのだ。アホか! pic.twitter.com/YlGXmQBB56
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月24日
『トゥ・レスリー』
シングルマザーのおばさんが宝くじに当たってヒャッホー! ってなるが、ガブガブ酒飲みまくって数年後金使い果たして家賃払えないから借家追い出されて、ほんじゃあと都会で働いてる息子のところに行って「息子よまじめに働くぜ!」つって期間限定で同居することになるがガブガブ酒飲んでるのがバレて追い出されて、地元に帰って昔の友人の世話になるがガブガブ酒飲んで追い出されて、でもって今度はたまたま知り合ったモーテルを経営してるおっさんのもとで働くことになるが……みたいなお話。いやーこれは良かったなー…。しみじみした。私はガブガブ酒飲むようなアル中とかじゃないが、脛に傷があるというか心にダメがある私のような人なら誰しもが身につまされるお話ではないかと思わされるほどダメな人ならではのキャラクター造形がなにしろとてもよく出来ている。ダメな人をエグいほどリアルに描いていて、それでいてダメな人を優しく包み込むような視線が感じられる。そこがとても良い、素晴らしい、泣ける。と私は思った。
『トゥ・レスリー』観た。丁寧なキャラ設計と乾いたトーンが良い。なんか色々身につまされたりして「嗚呼…」ってなった。底知れぬ怠惰や虚無を抱えたクズ中のクズを目の当たりにしたかったという期待もあったがこういうのも嫌いじゃない。というかラストの流れにはうっかりグッときてしまった。良作。 pic.twitter.com/h9R5nhHFBP
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2023年6月24日
以上。疲れた。おしまい。