2023年5月の消化物(映画)その2

というわけで先月劇場に観に行ったヤツの感想文、後編を書いてみましょう。

 

『ソフト/クワイエット』

「黒人もヒスパニックも黄色もキモい男もフェミニストも嫌い! 保守系白人女様万歳!」みたいなキモいババアどもが偶然出会ったアジア系姉妹とモメてムカついたから嫌がらせしてやんべギャハハ〜つって家のなか忍び込んでワイワイやってる最中に姉妹が帰宅してきて……みたいなお話。まあ、すこぶる気分が悪くなる胸糞感まんまんの映画だった。だったが、個人的にそこまで胸糞感を感じなかったのはこの作品も影響を受けてるっぽい『ファニーゲーム』を先に観ていたからだろう。なにしろ一応「理由」がある本作に比べて、あっちは「なんとなーく暇つぶしでやっちゃいました〜テヘッ❤️」みたいな得体の知れない残酷描写が強烈だったので。

 

『フリークスアウト』

ナチスドイツが調子こいてる時代にこんな奇術師たちがいたら……というお話。落ちこぼれの奇術師たちが全員人間臭い魅力に溢れていて自然と応援したくなったし、悪者がある特殊能力を持っているのだがその設定も捻りが効いてて巧いなと感心した。個人的には『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『ラストナイト・イン・ソーホー』を観たときに感じたような「こんな御伽話、本当にあったらいいなあ」という爽快感を味わえてとても良かった。好き。

 

『65/シックスティファイブ』

「宇宙船が事故って謎の惑星に不時着したと思ったらなんと絶滅寸前の恐竜どもがワイワイやってる6500万年前の地球だったヨ!」というお話。『猿の惑星』をもっとなんかシュッとさせた感じと言ったら聞こえはいいが、なにしろビックリ展開が一切なくて違った意味でビックリしてしまった。きっとこの監督は撮影中に下痢でもしてて体調を崩していたに違いない。

 

『THE WITCH/魔女増殖』

超能力少女が大活躍する『THE WITCH/魔女』の続編。前作のほうが良くできていたという意見に異論はないし、荒いCGも気になるっちゃ気になったが、なにしろお話的にも視覚的にもやりたい放題エンタメ要素めちゃんこぶち込んでくれてて圧倒された。謎が謎を呼ぶあの人やアレが最終作で果たしてどう転ぶのか、楽しみでならない。

 

『クリード/過去の逆襲』

今回の敵はムショから18年ぶりにシャバに出てきてボクサーに復帰した友達のおっさんだった。まあ、ありえない。マンガである。でもまあ、ロッキーシリーズだって充分マンガだったしな。というわけで今回もフツーに燃えた。にしても気になったのは娘がやる気まんまんだったことで、クリードが終わったら当然娘を主役にしたシリーズが始まるのだろうし、娘のあとは娘の子どもがまた主役になって、そんでまあずっと親族だとさすがに飽きられるだろうからたまには近所に住んでるニートのボクシングオタクを主役に挟んだりとか、これはもしかしたら永遠に続けられる凄い発明をスタローンはしたのでは、と驚愕した。

 

『THE KILLER/暗殺者』

鬼嫁が友達と旅行に行くつーんで嫌々ながら嫁の友達の娘のお守りをすることになった殺し屋のおっさんがすんたもんだしたあげく悪党どもとぶっ殺しあいするハメになって……みたいなお話。良く言えばクールでスタイリッシュ、悪く言えば緊張感のないデタラメなぶっ殺しアクションという感じだろうか。アクション自体はなかなか見応えがあるので、とりあえずなんも難しいこと考えずスカッとしたい、という人は満足できるのではないかと思う。

 

以上。疲れた。おしまい。