2023年3月の消化物(映画)その1

恒例のもぐもぐしたヤツの感想文です。今月もそこそこの本数観に行ったので2回に分けて書きます。

 

『エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス』

「アカデミー作品賞その他諸々受賞おめでとう!」と賛辞の言葉を述べたいところですが、ああ無念、私はまったく乗れませんでした。平凡な主婦やってるミシェル・ヨーさんが並行して存在する世界に飲み込まれ悪者どもをぶっ飛ばすため変顔キメたりカンフーで闘ったり終始ワイワイガヤガヤやってるのですが、どうにもについていけず。とくに下ネタが全然だめで、「こんな無茶苦茶な下ネタ平気でやっちゃってる俺、スゲーだろ?」みたいな、なーんか私がものすごく苦手としている某国民的バンドの某歌手を想起させられるような押し付けがましさを感じてしまった次第です。ようするに個人的にノリが合わない映画でした。ただそんな私でもひとつだけこの映画いいなーと思ったところがあります。なにしろ、ポスターがかっちょいい! 以上です。

 

『BLUE GIANT』

私は基本的にアニメ映画には関心がない人間です。「アニメ映画を観に行くくらいなら近所の公園で開催されている老人どものゲートボール大会を観に行くほうがまだなんぼかマシだ!」とまで言うつもりはありませんが、とにかくこの映画に関してはまったくのノーチェックで観に行くつもりなど1ミリもございませんでした。しかし、鑑賞した方々が揃いも揃ってTwitterやブログなどで称賛の声を寄せておられるのを拝見し「ジャズと映画って食い合わせいいしなー。よっしゃ、観に行くか!」となった次第。結果、大正解でした。まあ、言ってしまえば「友情・努力・勝利」という王道中の王道的なストーリーではあるのですが、それだけではなく「ジャズバンドならではの現実」がしっかり描かれていたのが良かったですし、なにしろ劇中で流れるジャズの演奏がとんでもなく素晴らしい! 最高! あとジャズのライブ観に行きてえ! ってなりました。

 

『フェイブルマンズ』

スピルバーグ監督の自伝的映画とのことで、スピルバーグにもスピルバーグの映画にも取り立てて思い入れのない私などが果たして楽しめるのか些か心配でしたが心配したとおりになってしまいました。いや、自身のプライベートを赤裸々に描ききるスピルバーグの映画監督としての業、みたいな凄みは感じましたが、肝心の赤裸々なプライベートの部分がまったくおもしろくない。べつに「ゴジラや半魚人を出せ!」とは言いませんが、つーか自伝的映画にリアルなゴジラや半魚人が出てくるわけがないのですが、「母ちゃんが○○と××してて、そんでもってアレしてしちゃってだねー」だとか、なんというか、その、申し訳ないですが「いや俺、アンタの家庭の事情にとくに興味ねーっす!」と言いたくなってしまいました。

 

『ブラックライト』

「どうせリーアム・ニーソンさんが悪い奴らをバカスカぶっ飛ばすいつものヤツでしょ? まあ、それが楽しいんだけどな! HAHAHA!」とスキップしながら劇場に足を運んだのですが、これがまさかまさかのリーアムさんが全然ぶっ飛ばさないヤツでした。いや、そりゃまあ多少はぶっ飛ばすのですが省エネすぎて物足りねえわ! ある程度動いて疲れたら毎度のごとくチョークスリーパーで終わらせる現役晩年のころの猪木かよ! と言いたくなりました。5月にまたリーアムさんのぶっ飛ばす系ぽい主演作が公開されるみたいですが、おんなじような惨状になってやしないか、心配でなりません。

 

『Winny』

「Winny? あーなんか聞いたことあるけどよく知らねえ!」レベルで観に行ったのですがこれは良かった! 実話ベースの社会派作品であり、Winnyというモノがなんであるか、開発者はいかなる人物であったか、司法や警察はどんな横暴を働いていたのか、といった部分を非常に丹念かつ真摯に描いているように感じました。あと、本作の主人公であるWinnyの開発者・金子勇氏を演じる東出昌大さんが素晴らしかった! 私は東出さんに関しては「下半身スキャンダルの人」という認識しかなく、演技を拝見したのははじめてだったのですが、「あー、こういう感じの頭いい人いるわー」感がハンパなかったです。「下半身のことはともかく良い役者さんだ!」と思いました。そして髪型のせいかパンサーの尾形にも見えました。

 

というわけで続きは次回の記事で。

以上。疲れた。おしまい。