死んだゴリラは燃やすゴミに出せばいいのか

先日のことだが外を歩いていたらカラスに襲われた。

べつにカラスになにかしたわけではない。ただ普通に歩いていただけである。もしかしたらカラスの逆鱗に触れるようなことを私が知らず知らずのうちにしてしまったのかもしれないが、まったく心当たりがない。幸いケガとかはしなかったが、カラスに襲われるなんてはじめてのことだったし、なにしろいきなりだったのでびっくりしてしまった。

しかしカラスだからまだ良かった。

これがゴリラだったらどうか。

その日は休日だった。昼間、家でくつろいでいたら突然窓ガラスの割れる音がした。驚いて音がしたほうに目をやるとなにやら見慣れない物体が蠢いてるではないか。

ゴリラである。獰猛な目をして私を睨みつけている。あきらかに「殺る気まんまん」だ。

家にいきなりゴリラがやってきて、あまつさえ、いまにも襲いかかろうとしている。

戦うしかないじゃないか。

もちろんゴリラ相手に素手で戦うなんて馬鹿なマネはしない。私はふだん料理はしないが家にはバターナイフがある。目や首元などの急所をバターナイフで突くしかない。

大格闘の末、ゴリラは死んだ。部屋中の至る所がゴリラの鮮血で赤く染まっている。まあ、壁紙などは管理会社にひととおり説明すればリフォームしてくれるだろう。

問題はゴリラだ。

死んだゴリラをどう処理すればいいのか。

もちろん警察に連絡すべき案件だろう。ただ、警察を呼んだら事情聴取などで相当な時間を費やすことになるはずだ。ニュースにもなるだろうし、テレビなんかがおもしろがって取材しにやって来るに違いない。ああ面倒くせえ。

ゴリラが勝手に入ってきたんだ。なぜ貴重な休日をゴリラのために潰さなければならないんだ。

大事にはしたくない。

そうか。ゴミに出せばいいんだ。

しかし燃やすゴミと燃やさないゴミ、どちらで出せばいいのか。普通に考えれば燃やすゴミか。あるいは大型ゴミで出せばいいのか。

それにしてもゴリラって思ってた以上にデカいんだな。あとすごくクサい。なんか腐った餃子みたいな匂いがする。野生のゴリラだからだろうか。

なんて書くと「えっ、こいつマジでゴリラぶっ殺したの…?」ってなりませんか。ならないですか。そうですか。