2023年1月の消化物・その2(映画)

1月に観に行った新作映画の感想文後編。前回はこちら。

gu-tara-tonchi.hatenablog.com

 

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネの生涯を追ったドキュメンタリー。ポップス系の歌手に曲提供してただとか、前衛音楽に手を出してただとか、私の知らないエピソードがわんさか出てきて興味深かったし、氏が遺したあまたの名曲を一挙に総ざらいで聴けるような構成になっててとても良かった。にしても氏も悔やんでいた『時計じかけのオレンジ』モリコーネVerが実現していたとしたら果たしてどんな具合に仕上がってたんだろうか。

 

『キラーカブトガニ』

カニがぶっ殺しに来るふざけたヤツ。初っ端からセックスしてる最中のカップルをわざわざぶっ殺しに来たりとか、まあお約束どおりのよくあるB級パニックホラーだなーと思って観てたら唐突に○ン○○風バトルをぶっ込んできて頭が爆発しそうになった。ふざけすぎ。よくやった。

 

『野獣の血』

田舎町のヤクザどもがぶっ殺し合いする内紛劇。とにかく登場人物多すぎ、「○○部長」だとか「××専務」だとか似たような肩書きのやつ多すぎ、相関関係複雑すぎで、ほぼほぼなにが起こってるのかわからず終始ポカーンとするばかりで、唯一はっきりわかったのは「狂ったヤクザのデブを演じてる役者の声がジャイアン(たてかべ和也)に似てる」だった。

 

『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』

逃がし屋として裏世界で大活躍中の超級凄腕ドライバーのねーちゃんが賭博でトラブってゴロツキどもから追われてるおっさんの息子を匿うことになって……というお話。タイトルがタイトルだしこれは相当すごいカーアクションがてんこ盛りの映画に違いないと期待して観に行ったら思ってたよりも運転シーンが少なめで物足りなさを感じてしまったが、欲張って2列目の席取ったせいで画面酔いし吐く寸前になった私のような馬鹿のために控え気味にしてくれてたのではと今では感謝の思いでいっぱいだったりする。

 

『イニシェリン島の精霊』

「おまえつまんねーから友達やーめた! 今後俺に話しかけてくるたびに俺は自分の指を一本ずつ切り落とすからな! なので話しかけてくんじゃねーぞ! 以上!」って親友だったはずのおっさんに絶縁されてしまったおっさんの物語。おっさんらが口きくきかないで揉めてるお話とか私はなにを見させられているのだろうかと謎感が湧いたりしなくもなかったが、単純にヒューマンドラマとしてまったく先が読めない楽しさがあったし、おっさんらの関係を国家間とかの問題に置き換えて考えてみたりいろいろと想像力を喚起させられたりしておもしろかった。役者陣も総じて素晴らしかったが、中でも眉唾だったのがフラれたおっさん役のコリン・ファレルで、「ハァァァァン?」とかいかにも頭が悪そうな雄叫びを何度も上げて空気が読めない&話がまるで通じないアホを一生懸命演じててとても良かった。

 

以上。疲れた。おしまい。