「おいノエルこのやろー俺は許してるんだからオメーもいいかげん俺のこと許せや、なあだからオアシスもっかいやろうぜコンチキショー」
みたいな発言を相変わらず繰り返してるがなんだかんだでソロミュージシャンとしてコンスタントに活動しているリアム・ギャラガーさんの新作3rdアルバム『C'MON YOU KNOW』を聴いた。
ちなみに私は1st『As You Were』を聴いてガッカリして2ndはいまだに聴いていない。ようするに、リアムのアルバムをがっつり聴くのは1st以来久方ぶりである。
さて本作。
いいなと思うような曲はあるにはある。
たとえば、Tr6「It Was Not Meant To Be」は軽快で瑞々しいポップチューンでありリアムの柔らかいタッチの歌声も新境地と言えそうな感じでなかなか好きだし、さらにはデイヴ・グロール作でおまけにドラマーとしても「客演」しているTr7「Everything's Electric」のキャッチーに弾けたロックサウンドと歌声も嬉しくなる。ビートルズ「Tomorrow Never Knows」を下敷きにしているTr11「Better Days」も凡庸な歌い手が歌ったら単なるパクリ認定されそうな楽曲ではあるが、なにしろリアムが歌ってるのでフツーにカッコいいな、と思える。
とはいえ全体的な印象としてはどれも佳曲どまりというか、いまいちインパクトがないというか、ようするに大好きと言いたくなるようなアルバムではない。
べつに新機軸的なやつとか革新性みたいなもんは求めてない。実際、楽曲によってはゴスペル調のコーラスを組み込んだり、レゲエのフレーズを鳴らしたり、ほんのりサイケっぽかったり、音楽的な冒険をしてるっぽい部分もところどころ垣間見られるが、でもねえ、とも思う。ただもう、これでもかとばかりに全曲おもいっきりエレキばりばり鳴らしてる音圧バカ高い最高にロッキンなアルバム作ってくんねえかなあと思う。なぜなら、リアムのヴォーカルは凡百の歌い手と比べてエレキとの相性がいまだに頭ひとつ抜けていると思っているので。
そういった意味でジョン・スクワイアが加わるかもと最近リアム本人が仄めかしているスーパーグループの結成・活動に期待している。なんか一作こっきりで関係悪化→解散みたいな結末になりそうな予感が満々にするが、ここらで一発どデカい花火をぶち上げてほしい。