まだ月末までに少し日にちがあるがやる気があるうちに先月休んでしまった「今月の消化物」を書いておこうと思う。
尚、今月は音楽についてのみ書く。
「おまえが普段聴いている音楽の感想文なんて興味ねえよ」
なんていう方は、私よりも音楽について詳しい情報を載せているブログなり音楽サイトはごまんとあるのでとっとと違うところに移るなり、DMMドットコムでアダルト動画を視聴するなり、有意義な週末を過ごしていただきたい。
● リアム・ギャラガー『AS YOU WERE』
20回ぐらい通して聴いたが、オアシスのファンとしても普段からロックを愛聴している人間としても「ふつうに聴けるアルバム」であることは間違いない。少なくともビーディ・アイのファーストアルバムよりかずっと良い(セカンドアルバムのほうは未聴)。
個人的にはとくにサビでのキャッチーなコーラスワークが印象的な②の「Bold」がわりと気に入っている。ミドルテンポの曲がちょっと多いかなとも思うが、「Wall Of Glass」、「Greedy Soul」、「Paper Crown」、「For What It's Worth」、「Universal Gleam」あたりもわりといい曲だと思うし、リアムにしてはめずらしくファルセットでやさしげに歌い上げる曲もいくつか収録されていたりして、そこそこ幅の広さを感じさせる作りのアルバムでもある。ここらあたりはやはり複数人参加したという作家陣の貢献が大きいのだろう。
全体的に、そこそこラウドで、そこそこメロディアスで、そこそこポップな、そこそこいい曲が並んでいて、前述したとおり最後まで通してふつうに聴ける。とはいえ、じゃあ1年後にも愛聴しているかと想像すると、うん、微妙、と言うしかなかったりする。
●ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ「Holy Mountain」
で、上の人のお兄ちゃんのほうも来月にリリースされるソロ3作目『Who Built The Moon?』からの先行シングルがYouTube上にアップされたのでワクワクしながら再生してみたら、「なんじゃこりゃあ! なんてすっとぼけた曲なんだ……」と悪い意味で驚いてしまったが、何度も繰り返して再生するたびに「うん、これはこれで案外悪くないかも…」なんてなふうに好感触になりつつある。
「あのノエル兄がこんなお茶目な曲を!」
みたいな、変化球的な曲として、まあ、アリっちゃアリだと思う。
ただ、ドラムがちょっとなあ…。ギターにゲム、ドラムにクリス・シャーロックという元オアシスのメンバーらが加わり、ファンとしては喜ぶべき状況なのだろうが、正直プレイヤーとしてゲムやクリスの演奏にはほとんど魅力を感じたことがないので悪い予感がしないでもない(※追記:新作アルバムでドラムを演奏しているのはこれまでどおりジェレミー・ステイシーで、ゲムもレコーディングには参加してないとのことでした)。
●スクービー・ドゥー『CRACKLACK』
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13作目となるスタジオフルアルバムだが、柔らかいタッチで統一されたソウルチックなサウンドプロダクションは個人的には8th『何度も恋をする』以来のひさびさのヒットと言っていい出来。ただ、ドーパミンがドバドバ溢れ出るようなキラーチューンが見当たらず、いまのところ10回ぐらい通して聴いた感じとしては、どうも物足りなさのようなものを感じてしまう。
全体的に洗練されている印象を受けるが、そのぶんインパクトに欠けるというか…うーむ……。もう少し聴き込んでみよう。あとどうでも良いが、特典で付いてきたオリジナル絆創膏は私の音楽リスナー史上、「もっとも有り難くない特典」だった。
●松崎ナオ『賞』
空飛ぶ音楽祭でのライブを観覧して以来なんとなく気になっていたので、タワレコでリアムのアルバムを買いに行ったついでにこちらのアルバムも購入。
うん。良い。
ライブでは「技巧的にどうこうよりも感情に任せて歌う方」という印象だったので、情念ドロドロ系の重たい雰囲気が特徴の地味めなフォークソングが並んでいるのでは、と勝手に想像していたが、これがなんともポップかつ親しみやすい曲ばかりでびっくりした。
端正なバンドサウンドと力強さと脆さが同居した歌声にグッとくる「チロみたい」、ユニークな歌詞が印象的な疾走感溢れるロックチューン「桃からはじまる音楽もある」、雨が降る日が待ち遠しくなってしまう瑞々しいポップナンバー「はらいのけダンス」、美しいメロディと流麗なストリングスが展開されるバラード「大人は知っている」等々、じつにバラエティに富んだ内容。それでいて余白のあるサウンドプロダクションで構築されているので妙な重苦しさは一切ない。
いやあ、素晴らしい。来月にリリースされるらしい鹿の一族のアルバムも購入決定。あと、また今度ライブも観に行こう。
●「小島麻由美 with Dr.kyOn アコースティック・コンサート@モーション・ブルー・ヨコハマ」(10/21)
行ってきた。ようやく「恋の極楽特急」も生で聴くことができたし、そのほかにも聴きたい曲があらかた聴けたので満足した。
それにしても、まったく衰える気配のない歌声には毎度のことながら感心してしまうばかりだった。どこかのリアム・ギャラガーさんは見習ってほしいと思った。
以上です。気が向いたら来月も書きます。