最近観た旧作映画の感想文をひさびさにまとめて書いてみましょう。ちなみにタイトルの【ザ・カンソー】てのは「ザ・ダイソー」ぽく安い感じがしてなんかいいなと思って付けてみたというか、ようするに長い文章にするのが面倒になり短めに省略して書いた雑で安い感想文である。
『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』
プロのカメラマンを目指す傍ら夜な夜な空き巣に入ってる見た目郷ひろみ似のにーちゃんが金持ちのオッサンの家にいつものように空き巣に入ってお持ち帰りする品を物色してたらバカでかい鍵で施錠されてる部屋発見して「きっとこの部屋にはお宝が眠っているに違いない!」つって鼻息荒く侵入してみたら全身傷だらけで猿ぐつわ噛まされて椅子に鎖でグルグル巻きにされてる悲惨な状態のねーちゃんがいてビックリ仰天、じつはオッサンは女を家に拉致・監禁・拷問している連続殺人鬼でした、みたいなお話。警察もFBIも無能で主人公が自分で解決しなきゃならんお約束の展開ながらテンポ良く進むし殺人鬼役のオッサンも程よくサイコ感あるしでわりと楽しめた。本物の郷ひろみ主演でリメイクしたら違った意味で100倍おもしろくなりそうだがたぶんというか絶対に実現しないであろう。
『リトルトーキョー殺人課』
筋肉モリモリマッチョマンの刑事と筋肉モリモリマッチョマンの相棒がLAでオラついてるヤクザどもをぶっ飛ばすヤツ。日本育ちの刑事を謳っている癖に一夜漬けで覚えたとしか思えぬぎこちない日本語を披露するドルフ・ラングレンや法被&「闘魂」と書かれた日の丸入りの鉢巻というトンチンカンな格好してマジ面でヤクザとの決闘に臨むドルフ・ラングレンやドルフ同様まともに日本語喋れないヤクザや全然日本人じゃない日本人役のヒロインや乳丸出しの女が相撲取ってたりとか女体盛りとか、とにかくバカ映画愛好家にはたまらないシーンがてんこ盛りの珍品である。「アクションシーンだけはわりと見応えアリ」みたいなレビューもあるが、よっぽど物好きな人間以外は鑑賞中怒りや絶望や倦怠感が湧き上がる等の病的な症状に見舞われるのはまず間違いなく、まともな格闘ストーリーを求めるならこんなのより「RIZIN CONFESSIONS」を1から順に鑑賞していったほうがよっぽど楽しめるであろう、と一応忠告しておく。
『エンドレス 繰り返される悪夢』
娘がタクシーに轢かれて死んでしまう場面を延々と見るハメになってしまったオッサンのお話。いわゆる「ループ物」で、この種の映画は『バタフライ・エフェクト』や『ミッション:8ミニッツ』や『ハッピー・デス・デイ』など秀作が多い気がするが、こちらの韓国産作品も例に漏れずなかなかおもしろかった。ループに気づいている人間が主人公以外にひとり、またひとりと登場してきて、でもってじつはこの3人は……という意表を突いたプロットがよく出来ている。中盤あたりでなんとなくオチが読めてしまったものの良作。
『デス・レース』
刑務所で囚人どもが武装車でぶっ殺しあうレース大会が定期的に開催されてて、無実の罪で投獄された主人公ジェイソン・ステイサムもある人物になりすましてレースに参加するが……という、シュワちゃん主演の『バトルランナー』のカーレース版みたいなお話。実況中継役の悪徳司会者や電飾まみれの悪役のデブとか『バトルランナー』に登場するような強烈なオモシロキャラが出てこないのが少し残念だったが、昨日の敵は今日の友的な展開は大好物だし、なにより俺はこういう馬鹿馬鹿しい映画は大好きなのでわりと楽しめました。
『ザ・ディープ』
大しけによって漁船が沈没し極寒の海に投げ出された漁師たちのなかでひとりだけ生還を果たしたオッサンの物語。実話ベースの作品とのことで、ドキュメンタリータッチ風というか、闇夜に包まれた海とそこに取り残されたオッサンの画が音楽もほぼなしに静謐かつ淡々と描かれていて、それがなんだかじつに不気味でリアルな怖さがあって映画的な盛り上がりが一切ないのが逆に新鮮でおもしろかった。
『TATOO <刺青>あり』
あーナンバーガールの曲名の元になった例の映画かー、アマプラ見放題にあったんだー、いつか観ようと思ってたんだよなーってことで鑑賞。なんだか既視感あるお話だなーと思ってたら犯罪ノンフィクション読み漁ってた時期に散々目にした三菱銀行人質事件をベースにした物語だった。こういうジメジメ&ドロドロした雰囲気のヤツは日本の映画のお家芸だなーとあらためて思った。あと宇崎竜童の演技がフツーにお上手でちょっとびっくりした。
まだまだあるが精根尽き果てたので以上。今回の一等賞は『ザ・ディープ』でした。
疲れた。おしまい。