今月もぐもぐした音楽と映画の感想文です。
【音楽】羊文学『our hope』
羊文学。なんか最近私のTwitterのタイムライン上とかでちょくちょく話題になったりしてるなー、音楽詳しい人らにかなり褒められてるっぽいなー、へー新作出たのかー、というわけで聴いてみたのがこのアルバム。シューゲイザーっていうの? 俺は音楽は門外漢な人間なのでよくわからんが、ようするにキラキラ成分強めのギターロック。全体的にポックロックとしての完成度が高くて、でもところどころから青臭さがダダ漏れしていて、といってあざとさようなものは一切感じられなくて、つまりなにが言いたいのかというと、どの曲も歯切れの良いグッドなバンド演奏とアレンジで統一されていて、尚且つ、耳馴染みの良いグッドメロディが敷き詰められてて、単純に聴いてて心地よい。とくに②「光るとき」がすこぶる良い。名曲。うん。とても気に入った。これはライブも観に行きたいな。
【音楽】ザ・スマイル『A Light For Attracting Attention』
レディオヘッドのメンバーふたりとトム・スキナーというドラマーの人が結成したバンドのデビューアルバム。正直、レディオヘッドは『The King Of Limbs』(2011年リリース。つーかもう11年も前の作品なのか…)あたりでグッと熱が冷めてしまって、なのでこのバンドにもまったく期待感みたいなのはなかったのだが、いやこれはとても良いですね。まあ、やってることはレディオヘッドとたいして変わらんような気がしないでもないが、単純に曲が良い、演奏が良い、アレンジが良い、録音が良い。そして、トム・スキナーのドラムがめちゃくちゃカッチョいい。③「You Will Never Work In Television Again」はドラムの弾けっぷりにテンション上がったのか久方ぶりにトム・ヨークが荒ぶってて嬉しくなるし、⑨「Free In The Knowledge」もトム・ヨーク節満載の美しい旋律が展開される名バラード。いやあ、いいねえ。来日公演しに来てくれるならぜひ観に行きたい。
【映画】『バニシング:未解決事件』
なんかスゲー無残な感じのぶっ殺され方した死体がソウルで発見されて、おいおい犯人まったく見当つかねーぞなんつって刑事のおっさんが困り果ててたら、都合良くというかシンポジウムのため偶然韓国に来ていたフランスの有能な法医学者に協力を依頼して難事件の解決に挑む、みたいなお話。グロ描写がわりとあって、わりとキツいお話でもあるが、まあよくあるっちゃありがちなストーリー展開で意外性がとくになくどうにも地味な感じが否めずつーかオルガ・キュリレンコ呼ぶほどか? と思えてしまった。あと刑事とオルガさんのロマンスはお似合い感なさすぎ、無理ありすぎで完全に蛇足だったと思う。ただしソウルの街並みを映した映像がわんさか見られるので観光映画としてはそれなりに見応えアリな作品である、などとフォローになってないようなフォローを一応しておく。
『バニシング 未解決事件』、つまらなくはなかったがなんというか良くも悪くもあっさり風味でオルガ・キュリレンコ呼ぶほどか、と思えてしまうような地味な内容だった。そして猛烈に焼肉が食いたくなった。 pic.twitter.com/tVY0MWDvpF
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2022年5月14日
【映画】『死刑にいたる病』
中学のときに通っていたパン屋のオヤジがじつはパンをこねるだけでは飽き足らず高校生の爪を剥いだりだの拷問したうえ最終的にぶっ殺したりする連続殺人鬼でいまはとっ捕まって死刑判決受けて牢屋でクサいメシ食ってるがある日その元パン屋のオヤジ兼連続殺人鬼から手紙が届いて興味本位で面会しに行ったら「じつは一件だけ俺ヤってないんだよね。一応昔馴染みの関係だしさ、キミ、真犯人見つけてくんないかな?」って頼まれて……みたいなお話。いや、これはエグいお話だった。そして、こういうエグくてドロドロしたお話は個人的にばっちり好みなのでとても良かった。私が邦画をあまり積極的に鑑賞しない理由として、キャストがテレビとかでよく見かける人だと絵面がどうしても安く観えてしまうというのがあるのだが、この映画に関してはそういう「安さ」はなく、いやあるにはあるがむしろそれがいい意味でB級カルトっぽい不気味な雰囲気を生み出すことに繋がっている感じがしたというか、自分でもなに言ってんだかよくわからなくなってきたがとにかく秀逸なオチを含めなかなか満足感のある映画でした。
『死刑にいたる病』先の読めない展開、キャストの抑えた演技、「綺麗な爪してたんだね知らなかったよ」的なオチのドンデン返しも良かったし、子役達が「ちゃんと似ている」のにも感心した。もっとエグい描写てんこ盛りにして衝撃度マシマシでも良かったのではという気がしないでもなかったが面白かった pic.twitter.com/4iJqvNgJ0h
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2022年5月21日
【映画】『トップガン マーヴェリック』
前作 『トップガン』から相当年月が経ったいまも戦闘機の超一流パイロットとして現役バリバリなピート・ミッチェルことマーヴェリックだが、もういい歳したオッサンだし無茶苦茶なことするからと上司からいらん人扱いされ、妥協案で教官として配属されたのがかつて自分も所属していた飛行士訓練校トップガンで、しかし生徒は自分を化石扱いしてきて言うこと訊いてくれない問題児ばかりであり、おまけにトップガンで一緒に訓練してたときに命を落とした仲間の息子も生徒としていてなんか俺のこと恨んでるし……みたいなお話。私は前作『トップガン』を大昔に観たがとくに思い入れはなかったし、内容よく覚えてなかったのでアマプラで再度観てみたがやはりとくに好きという感じはなくて、ところが本作のオープニングであのテーマ曲が流れ出した瞬間からワクワクしっぱなしでもう最後まで最高なヤツだった。王道中の王道なエンタメ超大作と言ってしまえばそれまでだが、気持ちいいツボを押しまくることに徹底したストーリー展開、気持ちいいキャラクターたち、気持ちよすぎる伏線回収、気の利いたユーモア、さらにラストのトニスコへの感動的な追悼メッセージを含め、とにかく「気持ちいい」ことに特化した作品である。そして、未見の人も観たけどイマイチだったという私のような人も騙されたと思って前作を直前鑑賞してから本作を観に行ってほしい。快感度100が200に倍増しになるから。個人的にはいまのところ今年劇場で観た映画ではブッチギリのナンバーワンである。
『トップガン マーヴェリック』これぞまさに極上エンタメ超大作と言いたくなる出来!前作に特に思い入れないがオープニングで例のテーマ曲が流れてきた瞬間からワクワク感が最後まで止まらん!前作未見の人は鑑賞必須だし鑑賞済みの人も復習推奨!快感度100が200に倍増しになる筈!とにかく最高だ! pic.twitter.com/j8XYqIkxjz
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2022年5月28日
あとは今月は柴田聡子やリアム・ギャラガーの新譜もリリースされたがまだ出たばかりでロクに聴けてないので来月感想書く。
以上。疲れた。おしまい。