映画『クワイエット・プレイス』-ホラー映画と思ったら、規模がでかい騒音トラブルのお話だった-

劇場公開当時それなりに話題になっていた『クワイエット・プレイス』をようやく観た。

音を立てるとモンスターが全力でぶっ殺しにやってくるという、そういうお話である。

クワイエット・プレイス (字幕版)

クワイエット・プレイス (字幕版)

  • 発売日: 2019/01/09
  • メディア: Prime Video
 

 

モンスターによって地球はほぼ壊滅状態。そんな中、数少ない生存者であるひと組の家族の日常が描かれている。

なにしろ音を立てちゃいけないから意思疎通は基本的に手話。どうしてものときは極力小声で話すか、もしくはモンスターに音が察知されづらい場所(滝の側や地下室など)で会話する。

足音を立てるのも当然NGで、移動するときは素足でそろりそろりと歩くというキワキワな生活をしている。

実際、ある日、手違いでおもちゃの音が鳴ってしまうのだが、もうそれこそとんでもないことになってしまう。じつに厄介なことこのうえないモンスターだ。というか、騒音クレーマーと言ってもいいレベルである。

で、思った。

このモンスター、眠くて眠くてしかたがないのではないか。

理由は知らない。

毎日バイトだかなんかしててお忙しい日々を過ごしているのかもしれない。モンスターがどういうバイトをこなせるのか、皆目見当も付かないので、あるいは出来うるかぎり寝ていたいだけの単なる怠け者なのかもしれないが、とにかく毎日ひどく眠い。

モンスターも生まれてしまった以上、生きるために生活せねばならず、がために、ちょっとした物音にもストレスを感じてしまう。あきらかに神経過敏であり、メンタル的な病を抱えているに違いないが、あいにくモンスターを診察してくれる心療内科など存在するはずがない。

いやね、俺も以前、上の住人の騒音に悩まされた時期があったからさ。気持ちはわかるよ。ただ、だからってぶっ殺しちゃうのはいかんだろ。ここは人間同士、お互い腹を割って話をしてだね….….って、あっ。モンスターだったねキミ。悪い悪い。

というわけで、ようするにこれは、ホラー映画の皮を被りつつ、じつはご近所さん同士の騒音トラブルという現代的な問題に警鐘を鳴らしている、そういう作品なのだった。

ような気がした。

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