小島麻由美の3分未満の名曲、ベスト5

今年は小島麻由美のデビューからちょうど25周年目にあたる記念すべき年である。

じつにめでたい。ぜひ30周年40周年とこれからもお元気にご活動していただきたい。いちファンとしてそう願わずにはおれない。

小島麻由美の音楽の魅力とははたしてなんであるか。

まず、歌声がいい。

まるで無垢な少女が歌っているかのようなプリティでキュートな声色がじつにチャーミングだ。と同時に、なんとも艶めかしい色っぽさや毒っけをほのかに匂わせたりもする。このような相反する魅力を兼ね揃えた歌声を持つシンガーなど滅多にいないだろう。

曲ももちろん素晴らしい。

昭和歌謡にジャズにブルースにフレンチポップに童謡に、さらに近作ではグループサウンズなど、様々な音楽的要素を取り入れ我流に染め上げるセンスに秀でている。独創的な音楽でありながら、それでいて耳ざわりの良いポップスとしてしっかり機能しているし、なにより中毒性がハンパではない。まさに天才と呼ぶに相応しいミュージシャンだ。

などと、かなり躊躇なく褒めてみたが、さらにもう一点、しつこいだろうが褒めたいところがある。

「どの楽曲もコンパクトにまとまっている」

小島麻由美の楽曲はどれもだいたい4分程度の長さである。5分を超える楽曲は稀だし、むしろ3分にも満たない短い楽曲も少なくない。

もちろん、短けりゃいいってもんではない。ないが、小島麻由美の楽曲には音楽的な旨味調味料がふんだんにぶち込まれている。ただし、楽曲の長さが「絶妙にコンパクト」なので、だから胸焼けするようなくどさは皆無だ。むしろ、濃厚でありながらどこかあっさりとした後口がある。そして、気づいたら病みつき状態になり「もうひとくち」とばかりに何度もリピート再生してしまう。

というわけで、前置きがくとくどと長くなってしまったので読んでて胸焼けを起こした者もいるかもしれないが、小島麻由美の3分未満の名曲ベスト5を選んでみた。

 

5位「わいわいわい」

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まず5位に選んだのは2分7秒のこちらのシングルナンバー。いかにも小島麻由美らしいプリティでキュートでなおかつ毒っけもほのかに盛り付けられた独特なセンスが光る名曲。4th『My Name Is Blue』収録。

 

4位「やられちゃった女の子」

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続いて4位は3rd『さよならセシル』に収録されている童謡チックなこの曲。寂しげで儚くもあり、と同時にどこかホラーな雰囲気もそこはかとなく漂っており、なんだかやだなー、怖いなー、などと思わず稲川淳二になったり、2分48秒の短いあいだに様々な感情が込み上げてくる名曲だ。

 

3位「白い猫」

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3位は9th『路上』に収録されている2分9秒のこちらのナンバー。グループサウンズ調の軽快な演奏に乗せて猫目線で語りかけてくるというなんとも独特すぎる発想が最高に楽しい。ウキウキするようなメロディも最高に素晴らしい名曲だ。

 

2位「結婚相談所」

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僅差で2位に食い込んだのは記念すべき1stシングルでありライブでも定番の2分9秒のこのナンバー。まず、イントロの口笛から意表を突かれること必至だ。溌剌としているのにどこか冷めているようにも聴こえる魅惑の歌声、人を食ったようなユーモラスな詩世界など、デビュー時からすでに「小島麻由美ワールド」が確立されているのがよくわかる。うん。これもやっぱり名曲。

 

1位「ブルーのテーマ(scat)」

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そして堂々たるトップに輝いたのがわずか2分6秒のこの曲。4th『My Name Is Blue』収録のスキャットナンバーだ。鍵盤が醸し出すモダンなようでもありレトロなようでもある不思議な雰囲気がとにかくもうじつに素晴らしい。スキャットなんだから当たり前だが歌詞なんて「ぱ」と「ら」と「ん」とちっちゃい「つ」の4文字しか使ってない。なのに有無を言わせず引き込まれてしまう。小島麻由美の歌い手としての並外れた表現力にも脱帽するしかない。文句なしの名曲。

 

以上。疲れた。おしまい。