2025年2月の消化物(音楽、映画)

さあ、5月なのに2月にもぐもぐした音楽と映画の感想文を書いちゃうわよ! 心してお読み!

 

【音楽】ラブリーサマーちゃん『Music For Walking(Out Of The Woods)』

open.spotify.com

「ミニ」ではあるけどアルバムとしてはおよそ5年ぶりとなる新作。スマパンから影響を受けて書いたという①「普請中」をはじめ、かねてよりラブっぷりを公言している90'sオルタナ&UKロック調の楽曲が居並んでいるわ。で、ありながら、この人ならではのチャーミングな魅力もしっかり発揮されていて嬉しくなっちゃう一品よ。個人的には⑤「(Song For Walking)Out Of Woods」が好み。こういうおセンチなメロディが展開される曲に弱いのアタシ。

 

【映画】『遺書、公開。』

高校新学期の春に担任教師を含むクラスの生徒全員の順位が記された謎の「序列書」がSNSに送られてきて、その半年後、「1位」に位置付けられていた優等生的な女子生徒がなんの前触れもなく自殺してしちゃうの。で、「?!」ってなってたら、葬儀の翌日になぜか「序列」の関係者ひとりひとりに宛てられた故人の遺書が教室に置いてあって、さらに「?!」ってなって、ならばここは一発、みんなで一枚ずつ読み上げていって謎を解こうではありませんかじっちゃんの名にかけて! みたいなお話。じっちゃんとか出てこないし、全然高校生に見えない高校生がいたりとか突っ込みどころは多々あるんだけど、人間の本性がどんどん露わになってく展開っぷりがイイわ。イヤーなドロドログチャグチャ感を味わえるわよ。なんかいい意味で「Jホラー」という感じ。オススメ。

 

【映画】『おんどりの鳴く前に』

ルーマニアの田舎町で斧によるぶっ殺し事件が起きて、死んだ魚のような目をしたダルそうなおっさん警官がダルそうに捜査するが……みたいなお話。展開的に単調だしテンポも鈍めだしで軽く寝落ちしちゃったんだけど、70年代あたりのマイナーで地味めなサスペンス作を彷彿とさせるような味わいがなんだか心地よくもあり。「今年最高のラストシーン!」という謳い文句どおり、ダルダルなおっさんが覚醒する最終盤のシークエンスには痺れたわ。嗚呼、諸行は無常。

 

【映画】『ショウタイムセブン』

ラジオの生放送中に爆弾テロを予告する電話が掛かってきて、ビークーになった元キャスターのおっさんが名声回復と視聴率獲得のため急遽テレビのニュース番組に復帰して犯人とのやり取りを生放送することに…みたいなお話。オーバーアクトに説明的な台詞回しに不自然すぎる行動に…という感じで邦画の悪いところが全開に発揮されちゃってる作品。でも、「いや、ありえんだろ」と思いつつ、しっかりエンタメしてて好感。アタシ的にはそこそこエンジョイできる作品だったわ。あくまでも「そこそこ」だけどね。

 

【映画】『リアル・ペイン〜心の旅〜』

ホロコーストの歴史を辿るため現地のツアーに参加した友人同士のおっさんふたりの物語。あーん、大好き。めちゃくちゃ良かったわ。クソ真面目っちゃクソ真面目なお話で、アタシはクソ真面目なお話は大概苦手なんだけど、なんというか、おっさんらの会話とか些細なやり取りだとか、「あー、あるある。つーか、こういうおっさんいるわー」みたいな人物描写がなにしろ丁寧で巧いの。そして、キーラン・カルキン君演じるベンジーがとてもとてもイイ! 精神的に不安定で危なっかしくて、でも真っ当な社会人が失いがちな子どもっぽい無垢な魅力があって、みたいな愛すべき好漢をじつに繊細に演じててオスカー助演男優賞戴冠も大納得。エンドロールを眺めながらひさしぶりにしみじみとしたわ。超オススメ!

 

【映画】『コメント部隊』

フェイクニュースに踊らされててんやわんやする報道記者という今っぽいテーマ性のあるお話なんだけど、いかんせんテンポ悪いし予想どおりの展開になっちゃったなーとガッカリしてたら最後の最後で見事に意表を突かれたわ。まあ、それを見届けるまでがダルいっちゃやっぱりダルいんだけど、充分に観る価値がある映画だわよ。

 

【映画】『セプテンバー5』

テレビでミュンヘン五輪を放送中にテロ事件が発生して、人道的にどうかと迷いつつ視聴率獲得のためテロの生中継を決行するが……という偶然にも先の『ショウタイムセブン』と似たようなお話。ただし、あっちはマンガでこっちは実話を描いたリアリティ重視のクソ真面目系。実際の映像を随所に入れ込んだり細部まで忠実に再現したであろうこだわりっぷりはハンパないんだけど、『世界仰天ニュース』かよというか、ドキュメンタリーでやればいいのでは、と思っちゃったわ。

 

【映画】『聖なるイチジクの種』

イランの映画で政府への抗議活動に焦点を当てたお話かと思ったら中盤あたりでガラリと展開が変わってポカーンとしちゃったわ。いや、ある意味、全体的に繋がりのあるテーマを提示してるんだけど。面白かったわよ。面白かったけど、中盤以降は冗長で滑稽で違った意味で面白くなっちゃったわね、というのが正直なところ。

 

【映画】『ドライブ・イン・マンハッタン』

夜の街を徘徊する映画って超好き。なので、超期待して観に行ったんだけど、なんか道路工事でわりと長く停車しててあんまドライブしないし、ドライブしてても夜景あんま映らないし、そもそも会話メインのお話だし、しかもその会話がクソ面白くないしで、「あーん! こんなつまらない奴らとドライブなんて絶対ムリ!」ってなっちゃったわ。

 

【映画】『ブルータリスト』

ホロコーストを生き延びて渡米して著名な建築家として成功するハンガリー系ユダヤ人のおっさんの退屈すぎる半生が延々と展開されるお話で、ハア長い、あらインターミッションってステキ、おしっこしてスッキリしたし帰っちゃおうかしら、でもこっから捲って面白くなるかも、と考え直してそのまま観たら、やっぱりおっさんの退屈すぎる半生がさらに延々と展開されて、もう、なんというか、じつにブルータルな体験をしたわ。

 

以上。疲れた。おしまい。