「どうせテメエ盆休み暇なんだろ行ってみたらいいじゃねえか」
という声がどこかから聞こえてきた気がしたので観に行ってきた。
betcover!!
初のライブ観覧である。
というわけで、やってきた東京キネマ倶楽部。こちらもお初の会場だ。
ここがちょっと変わってておもしろかった。
まず1階の入場口から建物のなかに入る。これはまあふつうだが、それからエレベーターの前まで行く。するとエレベーターボーイと言ったらいいのか、上から降りてきたスタッフの人に「はいこちらへどうぞ〜」と呼ばれる。で、エレベーターにある程度の人間を詰め込んだらエレベーターボーイの人が「では、上の階にまいりま〜す」などと言ってステージがある6階まで連れて行かれる。みたいな流れだった。
で、元々、昭和の時代にはグランドキャバレーだったとのことで、私はキャバレーなんぞ行った経験がないのでよくわからんが、内装も全体的な造りもそれっぽい風情があったりする。へー。結構好きかも。
開演時間を若干過ぎたあたりで場内暗転。バンドメンバーが続々と登場してきて演奏がはじまり鍵盤奏者の人が歌をうたいはじめるが、主役の柳瀬二郎がなかなか現れない。
と思ったら、なんとスポットライトを浴びた柳瀬二郎がステージ左手にある階段から颯爽と降りてくるではないか。
本日のbetcover!!
— けふ (@HNBIY7mKcfN6MPl) 2024年8月15日
柳瀬二郎の入場シーンだけで元が取れた
東京キネマ倶楽部、いい会場です pic.twitter.com/D4XUVyuPoJ
場内から歓声とともに笑いが漏れる。柳瀬二郎の風貌も相まって西部警察の新オープニング映像と見紛うようなこの粋な演出に、当のご本人はまんざらでもないようにも、軽く照れてるようにも見えた。
この数日前のことだ。どこかで開催されたライブ中に演奏のタイミングが合わなかったドラマーにブチギレて殴りかかるような仕草をしているところを捉えた動画がネット上に拡散された。本人は非を認め謝罪の文章を出していたが、じつは意外にユーモアがある人なのか。まあなんだかよくわからんがウケた。
オープニングナンバーはなるほど、よく知らない曲だ。聴いたことがあるような、ないような、いずれにしてもよくわからない。仕方がないじゃないか。まだbetcover!!をちゃんと聴くようになってからそんなに経ってないんだ。
その後も知らない曲、知ってる曲が次々と演奏されてゆく。おお「バーチャルセックス」! やったぜ「フラメンコ」だ! 大好きな曲だ。俄然テンションが上がる。
しかしやはりカッチョいい。柳瀬二郎のみならず、ギタリストもベーシストもドラマーも鍵盤奏者の人もラッパの人も、なんというか、じつにイカしてる。基本的には「爆裂」と言いたくなるようなエモーショナルなロックンロールサウンドだが、昭和のアングラな歌謡曲っぽかったり、ジャズやフレンチポップスっぽい匂いを醸したり、哀愁や猥雑やオシャレ感みたいなのが渾然一体となったバンドアンサンブルがなにしろ素晴らしい。とにかくbetcover!!ならではのとベタ褒めしたくなるような個性がある。
そして客層が若い。ヤングな連中でいっぱいだ。柳瀬二郎の年齢を考えれば当然といえば当然だろうが、それにしても「いまの若者にロックはウケない」みたいな話はなんだったのか。異質な音を鳴らすbetcover!!だからこそなのか。
まあ、良かった。うん。また観にきたい。
東京キネマ倶楽部ではじめてのbetcover!!。「爆裂」という感じ。そしてムーディーだった。歌にギターにベースにドラムスはもちろん、ピアノとラッパが効いててオシャレ。それでいてどこか昭和っぽいデタラメな猥雑感もまたイイ。あとグラサンかけた柳瀬二郎は思ってた以上に「団長感」が強かった。 pic.twitter.com/Kg1FvlV0AQ
— とんちの人 (@tonchinonaka) 2024年8月15日