というわけで、ツイッターで流行っていたのでとりあえず選んでみたものの私を構成しているのかどうかはよくわからない42枚のアルバムの雑感(後編)を書いてみることにしましょう。
私の「私を構成する42枚」がこちら。
で、これを一番上の段から
こういう順番で前編・中編14枚ずつ雑感を書いた。今回は残りの14枚について書く。
それでは早速行ってみよう。
【29枚目】エイフェックス・ツイン『Richard D. James Album』
「こんな音楽、聴いたことねー!」(3回目)。これもケミカル・ブラザーズとおなじようにテクノのおもしろさを教えてくれた一枚だが、ケミカルと違うのはまったく踊れないこと。混沌とした音楽の楽しさを知った。
【30枚目】宇多田ヒカル『ULTRA BLUE』
あらゆることに悩んでいたモラトリアムなヤングなころ、痛いロック好き青年だった私は「男の俺の気持ちは男にしかわかんねーよ!」みたいなよくわからないアホみたい理由で女性ミュージシャンを意識的に聴かないようにしていた時期があった。そんなときに彗星のごとく現れたのが宇多田ヒカルで、「なんかこの人、すごい!」ってなって、宇多田ヒカルの作品を聴くようになり、こうして私が女性ミュージシャンを避けて過ごすというよくわからない時期がようやく終わりを告げることとなった。
【31枚目】ベック『Odely』
このアルバムは『ロッキング・オン』とか『クロスビート』とか『ミュージックマガジン』とか、当時穴が開くんじゃないかくらいの勢いで熟読していた音楽雑誌でベタ褒めされていたので発売日に買いに行って聴いたがさっぱりわからなかった。メロディが弱いし、エレキがガンガン鳴りまくっているわけでもないし、Aメロ→Bメロ→サビみたいなわかりやすい構造の曲とかもほぼ皆無。ようするに「こんな音楽、聴いたことねー」(4回目)。しかし聴き込むうちにあらゆるジャンルを鍋にぶち込んでグツグツ煮込んだような魅力があることに気づいた。私の音楽リスナーとしての趣味嗜好を確実に広げてくれた一枚だと思う。
【32枚目】INU『メシ喰うな!』
このアルバムはたしかじゃがたらからの流れで聴いたんだと思う。「昔の日本にもこんなかっけーバンドがいたんだ! スゲーや!」ってなったのをよく覚えている。
【33枚目】スライ&ザ・ファミリーストーン『There's a Riot Goin'』
ファンク系のブラックミュージックはこのアルバムが初体験だったはず。全体的に暗くてドロドロしているのが好みに合ったんだと思う。その後、JBやオーティス・レディングだとかを聴いてみたが、いまだに魅力を掴めていない。あー、でもカーティス・メイフィールドはわりと好きだな。なので、これも音楽的な趣味嗜好を広げてくれたアルバムと言っていいと思う。
【34枚目】スマッシング・パンプキンズ『Mellon Collie And The Infinite Sadness』
このアルバムは個人的にいまいち印象に残ってないようないわゆる捨て曲が多いので入れるか迷った。しかし、M2「Tonight, Tonight』、M19「1979」という大名曲が収録されているし、なにより「オルタナ」と言われてまず思い浮かぶのがこのアルバムでありこのサウンドなので。
【35枚目】スーパー・ファーリー・アニマルズ『Love Kraft』
スーファリも結構迷った。なんか地味な感じがするバンドだし、今聴いてもやっぱりヴォーカルがちょっと弱いなと思う。しかし、それらを補って余りある完成度が高いアルバムなので、ということで入れた。ロックというよりも「ポップス寄りのロック」のおもしろさを教えてくれた一枚。
【36枚】MO'SOME TONEBENDER『The Storys of Adventure』
「衝撃」という意味ではこのひとつ前のアルバムである『TRIGGER HAPPY』に軍配が上がるが、何度も書いているように私はまず「メロディがしっかりしている音楽」が好きなんです。なのでこっち。
【37枚目】R.E.M.『Automatic For The People』
これもさっぱりわからなかったな。「おいおいエレキがんがん鳴ってねーじゃん! ヴォーカルもなんだか弱々しいし地味すぎ! ジジイが聴く音楽か!」と思った。何度も聴き込んでいったら「枯れた味わいを醸すロックってステキ!」みたくその魅力がわかるようになった。
【38枚目】ミューズ『Absolution』
演奏→元気いっぱいで大変よろしい、メロディ→すこぶるキャッチーで大変よろしい、サウンドアレンジ→いかにもロックっぽい重量感があり大変よろしい、というおもいっきりど真ん中のやつなので入れた。個人的にハードロックやべヴィメタはちょっと苦手なのでこれぐらいがちょうどいい。
【39枚目】マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン『Loveless』
誰もがおんなじような理由でこのアルバムを選んだだろうが、やっぱりエレキギターの可能性の大きく広げたエポックメイキング的な大傑作でしょうこれは。当然ながら選ばない理由がない。
【40枚目】ザ・プロディジー『The Fat of the Land』
まずデジタルロックというやつが新鮮だったし、音の圧とテンションがすこぶる高くて驚愕したし、ヴォーカリストが電撃ネットワークの人みたいで衝撃だったし、そういう意味では私にとってのセックス・ピストルズはこの人たちのこのアルバムだったのかもしれない。
【41枚目】レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Californication』
俺の思い浮かべるレッチリは「ファンクファンクしたやつも好きだけど、まずメロディがしっかりしている曲を作って演奏する人たち」なんです。なのでこのアルバム。あとギターのカッティングやベースの気持ち良さを知るきっかけになったのもこのアルバムだったと思う。
【42枚目】スネイル・メイル『Valentine』
最後の一枚は新しめのこの人のアルバム。ここ数年、話題の洋楽のニューカマーをいろいろ聴いても誰ひとりピンと来なかったので、ひさびさにばっちり好きな音楽やってる人に出会えて嬉しかった、という意味も込めての選出。
以上。疲れた。おしまい。
……と言いたいところが、前回の中編を投稿してひとりで満足してたら重要なバンドをおもいっきりど忘れしていることに気づいた。
なんでビートルズが入ってないんだ!
というわけで、一枚増えてしまうが選んだ。これだ。
【43枚目】ビートルズ『Abbey Road』
『Revolver』と『The Beatles』(ホワイトアルバム)も頭に浮かんだがやっぱりこれかなー。なにしろ素晴らしい楽曲がてんこ盛りなアルバムだし、一曲目から最後の曲までまるまる通して聴く、という楽しさを教えてくれたアルバムでもあるので。
というわけでマジで以上。疲れた。おしまい。