「音楽のつぎは映画かよ! もういいわ!!」
と思いつつ選んでしまった。
というわけで、せっかくなのでこのあいだの音楽に続いて最近ツイッターで流行ってるので私もおもいっきり乗っかってツイートした「私を構成する42本」(映画)について、選んだ42本にまつわる雑感をこのブログで書いてみることにする。
私の「私を構成する42本」がこちらである。
で、これを
こういう感じで一番上の段から順に書いていく。音楽のヤツを書いたときと同じように長々と書くつもりはないが、なにしろ42本もあるので前編・中編・後編の3回に分けて書く。
それでは早速行ってみよう。
【1本目】『ターミネーター』
これは私が子どもやってたころ淀川長治氏解説でお馴染みの『日曜洋画劇場』で放映されているのを観たのが初見だったはず。鑑賞後にはアーノルド・シュワルツェネッガーさん演じるターミネーターが夢に出てきたほどで、「こんな恐ろしい未来が本当にやってくるのでは…」と恐怖に打ち震えたのをよく覚えている。ブルーレイも持っているし、今でも年1くらいの頻度で観返すくらい好き。『ターミネーター2』もフツーにおもしろいと思うが、あれは良くも悪くも単純明快な英雄奇譚といった感じが私の好みと少しズレてて、物語の展開やキャラクター造形など恐怖SF映画としての質は断然こちらのほうが上だと個人的には思っている。
【2本目】『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』
なぜ1作目でも3作目でもなくPART2なのかというと1作目からの伏線回収がめちゃくちゃお見事すぎるから。「前作の場面の裏側でこんなことやあんなことが! スゲー!!」とはじめて観たときは驚愕したしすこぶるワクワクした。「心底楽しめるエンタメSF映画」といったらまず思い浮かぶのがコレ。
【3本目】『遊星からの物体X』
ジョン・カーペンターの監督作はひととおり鑑賞済みだが、やはり本作がマストだしベストではないかと思う。なんといってもまず特撮が秀逸だし、当事者以外は人っこひとりいない雪山で「物体X」と対峙する、という無理矢理感を感じさせない恐怖シチュエーションも最高にワクワクさせてくれる。さらに「誰が敵で誰が味方か」というドキドキサスペンスも味わえる。「完璧なホラー映画」と言っても言い過ぎではないと思う。
【4本目】『ミッドナイト・クロス』
ブライアン・デ・パルマも大好きな監督さんでしてねぇ。この人の監督作も当然ながらほぼすべて鑑賞済みだし名作が多いがベストとなるとコレ。ヒッチコックの手法を継承した舐めるように撮る官能的なカメラワークと映像美を存分に堪能できる一品。悲しいお話の筈なのに撮り方によってはひたすら美しく感じさせてくれる、ということを本作にかぎらずデ・パルマ先生は教えてくれたように思う。皮肉が効いたオチもまた素晴らしい。
【5本目】『マンハッタン殺人ミステリー』
これまた大ファンやらしてもらっているウディ・アレンの監督作。『アニー・ホール』『カイロの紫のバラ』『ブロードウェイと銃弾』などなど好きな作品を挙げていったらキリがないが、一本選ぶとなるとコレだろうか。単純に見返した回数が一番多い作品なので。本人も出演していてお馴染みの丁々発止のやり取りが楽しいし、電話のトリックのシーンは何度観ても笑ってしまう。
【6本目】『ブレードランナー』
初見時はストーリーがさっぱり理解出来なかったが、何度か見返すうちに今では大好きな作品になった。当初は付いていた主人公のナレーションを公開時に全カットしてしまったという逸話があるが、結果的にそのおかげでいい意味で一筋縄では行かない噛めば噛むほど楽しめるみたいな作品になったのでは、と思う。ノワール調のどんよりした雰囲気がたまらなく良いし、近未来感溢るるヴィジュアル描写も鮮烈。
【7本目】『ペイルライダー』
イーストウッド御大の監督作も外すわけには行かない。好きな作品はこれまたキリがないくらいあるが、シンプルな勧善懲悪モノで英雄奇譚の西部劇で、なおかつ、じつは相当捻くれた幽霊映画でもある『ペイルライダー』を選んだ。イーストウッドの持ち味である編集の巧さが光っててガンアクションも文句なくカッコよろしくて何度観ても痺れてしまう。
【8本目】『時計じかけのオレンジ』
タランティーノが本作について「キューブリックの偽善性がプンプンしてて嫌い!」と評したのは、要するに「スカしてんじゃねえよ!」ということなのだろうし、まあ、なんとなーくわかるような気がしないでもない。ただ、私は「雰囲気を体験する」ことが映画の大きな魅力のひとつだと思ってて、そういう意味でこの鮮烈かつ美麗な映像描写は単純に素晴らしいと言わざるを得ない魅力があると思うし、なんだかわからんがこれこそ映画の醍醐味だなあー、芸術だなあー、と思う。
【9本目】『ゾンビ』
子どもやってた頃にホラー映画が好きな兄がレンタルしてきて一緒に観た記憶がある。もちろん当時は子どもらしく「怖いよー!」つっておしっこちびりそうになりながら観たが、大人になってから見直したら「スゲーよく出来てんな」とフツーに感心した。あと意外とコメディっぽい描写があるのにも驚いた。恐怖を演出するための緩急、間、テンポ、キャラクター描写、すべてが絶妙。ホラー映画の教科書的なポジションに位置付けられる傑作と言っていいと思う。
【10本目】『プロジェクトA』
私が子どもやってた頃はジャッキー・チェンの全盛期だったのでもちろんこれも外せない。創意工夫を凝らした命懸け人力アクションは今のガキンチョたちが観ても「スゲー」って感嘆の声を上げるだろうし、なにしろジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウというスターが勢ぞろいしているので今でもワクワクしてしまう。スーパーヒーローが大活躍するヤツといえば、マーベルでもDCでもなく俺はコレ。
【11本目】『トップガン マーヴェリック』
去年の私のベストということで選んだ。個人的に1作目は「うーん…」だったのに「なにコレ超楽しい!」ってなった珍しい続編作でもある。とにかくエンタメならではの爽快感がこれでもかと味わえる作品でハリウッド映画の底力をあらためて堂々と見せつけられた気がした。
【12本目】『ファイト・クラブ』
シンプルに「プラピかっけー」ってなったしいまだになっちゃう映画。現在の生活に多少なりとも不満を抱えている人間、とくに野郎どもなら誰しもがテンションが上がる映画じゃなかろうか。
【13本目】『ダイ・ハード』
どこにでもいそうだけどめちゃくちゃ逞しい主人公、クソむかつく悪党、理解力のある相棒、合間合間に楽しい寸劇を繰り広げてくれるサブキャラ、過不足なく展開されるアクション、ハラハラドキドキが渦巻くサスペンス要素、といった見どころしかないエンタメのお手本のような映画。
【14本目】『激突!』
正確に言えばテレビ映画だが大好きなヤツなので。低予算(テレビ)映画であることは私のようなアホでもおもいっきりわかるくらいシンプル極まりないストーリーだが、ここまで地味におもしろいとハリウッド映画とかなんでもかんでもじゃぶじゃぶ大金かけて作らなくても良いのでは、と思ってしまう。とにかく素人でも考えつきそうな脚本なのに最後までまったく飽きずに観られるのがすごいと思う。
というわけで続きは中編で。
以上。疲れた。おしまい。