向井秀徳アコースティック&エレクトリック@有楽町よみうりホール(2022年3月13日)

一体どこにあるんだ。有楽町よみうりホール。

ここいらへんは何回か来たことあるから大体見当がつくし、いざとなればスマホのナビがあるから大丈夫だろと思ってたいして調べず来た。来たはいいがしかし、どこだかさっぱりわからないじゃないか。

「目的地に到着しました」じゃねえよ。

ビックカメラじゃないかここは。

ビックカメラの周りを3周くらいしてしまったじゃないか。

だからどこなんだ有楽町よみうりホール。

まさかビックカメラのパソコン売ってるフロアかなんかの一角でライブが行われるというのか。This is 向井秀徳ライブ in This is ビックカメラか。そんなことがあるものか。

「えっ? ひょっとして……」

ふと視線を上げた。

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マジかー。あったあったあった。ってビックカメラの上かよ。まさかのまさかだ。
まったく。馬鹿野郎。って馬鹿野郎はおまえだ馬鹿。よく知らないところに行くときはちゃんと下調べしてから来るべきである。
開演5分前。ギリ間に合った。ナビよ、疑ってすまんかった。
向井秀徳アコースティック&エレクトリック。前回、向井のソロライブを観たのはナンバーガールが解散してしばらく経ったころだ。そのころは「無戒秀徳アコースティック&エレクトリック」と名乗っていた。もう随分前になる。
場内暗転。向井登場。
ある曲ではアコギを、はたまたある曲ではエレキを掻き鳴らしながら向井が歌う。たまにサンプラーだかシーケンサーだかでギターの音を器用に重ねながら歌う。ナンバーガールの曲やZAZEN BOYSの曲やKIMONOSの曲やソロ用の曲や新曲っぽい曲をThis is 向井秀徳が歌う。
にしてもやっぱ歌うまくなったなー向井。などとあらためて思う。
「ハンバーガー!」
「ハンバーガー食いてえ!」
突然、向井が言う。
場内から笑いが漏れる。
「あの〜わたくし今日タイミングを逃してですね、なんも食ってないんです。ハンバーガー! うん。帰りに買いに行こう」
そんなようなことを向井が言う。
なんだかこっちもつられて食いたくなる。俺も今日の夜飯ハンバーガーにしようかな。マクドのハンバーガー。
そういえば、洋画を観てるとあちらの俳優はハンバーガーをこう発音する。
「ヘェンヴァーグゥアー」
などとどうでもいいことをしばし考える。
この日のハイライトは間違いなく「自問自答」だった。いま現在、世界を騒がせているあの戦争を想起させる歌詞を織り込んでいた。
「戦争反対」とかストレートな反戦メッセージを吐いたわけではない。ただ、あきらかにそれとわかる言葉だったし、あきらかに諦念や怒りや悲嘆が込められていた。鬼気迫る演奏。鳥肌が立った。
ラストは佐野元春「約束の橋」のカバー。
うん。また観に来よう。
家路に向かってバイクを走らせる。道中、近くにほっかほっか亭があることを思い出す。
そういや2日前にケンタッキー食ったばかりだったな。
へェンヴァーグゥアーをやめにしてほっかほっか亭に寄る。竹の子御膳なるものを注文する。
竹の子御膳が出来上がるのを待っている間、スマホでTwitterのタイムラインをボケーっと眺める。
松村雄策が亡くなったことを知る。
悲しい。とても悲しい。
へェンヴァーグゥアーはこれを書く前のいまさっき食った。