「デラックスのりお」と呼ばれないために

オリジン弁当のデラックスのり弁当にはまってからしばらく経つ。

もともとのり弁はわりと好きで、脳がのり弁モードになったときは、ほも弁、もしくはほか弁によく買いに行っていたのだが、ふだんあまり行く機会がなかったオリジンにある日なんとなく出向いた際、件のデラックスなやつをためしに買って食ってみたところ、あくまでも俺的にはだがほも弁やほか弁のそれよりもクオリティが高いと思った次第。

で、以降はほも弁やほか弁ののり弁には目もくれず、のり弁と言えばオリジン一択の俺であり、週1・2食のペースでしょっちゅう食ってる。面倒だし金持ちでもないのでそんなことをするつもりは毛頭ないが、気分的にはデラックスのり弁を開発したオリジンの社員にはオリジンのデラックスのり弁1000食を贈呈したいぐらいだ。

ただし、ひとつ気をつけていることがある。

デラックスのり弁ばかり食っているがために栄養面のバランスに支障をきたす恐れがあるから、ではない。そんなものはデラックスのり弁の美味さと天秤にかければごく些細なことだ。

「買いに行く店舗をばらけさせる」

これを気をつけている。

なぜなら、俺はヤングなころにコンビニでバイトしていたのだが、毎回同じ品を買っていく常連の客は店員どもにあだ名を付けられがちなのを知ってるからである。つーか、「付けられがち」ではなく、ほぼ100パーあだ名を付けられていると断言できる。

「だいたい2・3日おきに来店し、牛カルビ弁当とお〜いお茶をセットで必ず買っていくサラリーマンふうのおっさん」

「いつも東スポとブルガリアヨーグルトをレジに差し出してくる肉体労働者ふうのおっさん」

俺のコンビニバイト時代、彼らがどんなあだ名で呼ばれていたか、それはあえて書かないが、なぜか「そういう奴」は大体決まっておっさんだった。

そして、今現在の俺はすでにおっさんと言える年齢にじゅーにぶんに達している。

おっさんは同じ食い物を食いたがる生き物なのだろうか。

まあ、わからん。

わからんが、とにかく

「デラックス野郎」

「デラックスのりお」

「ノリスケ」

みたいなあだ名で呼ばれないために、あー今日はあっちのオリジンにすっか、と真剣に考えている俺はかなりイケてないおっさんに違いない。