にしても、『シャーク・ナイト』っていうこのタイトルはどうなのよ。もちろん、『ダークナイト』にひっかけてるんだろうけど、どうもねえ…。いささか安直なタイトルだと言わざるを得ないし、じっさい観てみたら蝙蝠の甲冑を装着している変態やピエロのコスプレをしている変態とサメが対決するシーンなんていつまで経っても出てきやしなかった。
まあ、そういう面白い展開にならないのは仕方がないとしてもだね。この映画、肝心のサメがあんまり活躍してないの。
というかサメ、ほとんど添え物。
まあ、そもそも大概のサメ映画に出てくるサメってじつは全然悪くないからね。だって自分のテリトリーに入ってきた人間やっつけてるだけだから。ヴィジュアル的に迫力あるだけで、じっさいやってることは案外地味だったりする。
人間だって自分んちでゴキブリみつけたらやっつけるでしょ。それと一緒。
なのにサメだけが一方的に悪者扱いされてきたわけだ。
「はあ? おまえらだって似たようなことしてるだろ」
サメだって文句のひとつも言いたくなるだろう。
ましてや、砂の中を泳がされるという無理難題を突きつけられた挙句、なぜかハルク・ホーガンの娘と戦わされたり(『ビーチ・シャーク』)、しまいには宇宙に飛ばされたり(『シャークネード エクストリーム・ミッション』)、人間の勝手な都合で笑い物にされてきたりもした。
もちろん、この映画のサメは前者。大真面目でストイックでガチなやつ。CGがしょぼくてちょっと笑えたけど、とくに面白味のない地味な脇役に徹していた。
まあ、こういうのも嫌いじゃないけどな。
ただサメよ。現実世界のおまえはこの映画のように至って真面目に生きてるだけなんだろうけど、映画の中では基本的にボケキャラだからな。そこんところは肝に銘じておくように。