売れないパンクバンドがね、ライブやって帰ろうとしたの。したら、メンバーのひとりが「楽屋にスマホ忘れた」って言い出したから取りに戻ったわけ。で、ドアを開けたらアラびっくり。
楽屋にいたのは、いかつい見た目した怖そうなおっさんと数名の輩、さらになにやら怯えている様子の若い女。で、その傍には頭にナイフ刺さった女の死体が横たわってるではないか。
「ぎゃああああああああ!!」
つってパンクバンドのメンバー4人は逃げようとするんだけど、強引に楽屋に引き摺り込まれたうえ、警察に通報されたらたまらんってことで全員スマホ没収、そのまま拉致監禁される。
その後、いかついおっさんと数名の輩はライブハウスの関係者で、動機・目的等は一切不明だけどとにかく女をぶっ殺した張本人であることが判明。つーか、そもそもこのライブハウスの関係者全員がネオナチ信奉者であることが発覚する。
怖いよー。なんとか逃げなきゃ!
ま、大雑把に説明しちゃうとそんなような内容の映画なんですこれは。
もう随分前のことなんだけど、俺、都内某所をひとりでぶらぶら歩いてたんだ。したら、見知らぬおっさんが突然声を掛けてきたの。
「おにいさん、DVDあるよ。どう?」
とかなんとか言って。
「はてDVD? そうか! このおじさん、暇そうな人たち集めて自分ちで劇場版クレヨンしんちゃんの鑑賞会を開催してるんだ! きっとジュースやお菓子なんかも用意してくれてるんだろうなー。いやー、都会の人間は冷たいって訊いてたけど親切な人もいるんだなー。わーい!」
って、ついてったわけ。
数分後、寂れたビルに到着。
「このビルの中だよ」
案内されるがままエレベーターにおっさんとふたりで乗り込もうとした。したが、咄嗟に
「あっ……すいません、やっぱいいっす!」
つってやめた。
だって知らないおじさんについてっちゃダメだよっておとうさんとおかあさんから言われてたから。クレヨンしんちゃん観たかったけどな。我慢した。
……えーっと、だいぶ話が脇道に逸れちゃったけど、ようするにだね、この映画を観て学んだのは、よくわからん場所では細心の注意を払おうってこと。あともうひとつは、部屋に人がいるかもしれないときはちゃんとドアをノックをしようってこと。
誰が生き残るのか、はたまた全員ぶっ殺されるのか。先が読めない展開でわりかし面白かったし、オチも洒落た感じで良かった。
バンドマンだったらより楽しめるんじゃないかなあ。
「あるある」
って。
ないか。うん。ねえな。