ずいぶん昔に行われた某ミュージシャンの某所でのライブを観に行った人のブログを偶然見つけて、なんとなく読んでたら、
「○○(←※曲名)のイントロをトチって演奏をやり直していた。プロとしていかがなものか」
みたいなことが書いてあってびっくりした。
その某ミュージシャンが演奏をトチったことにびっくりしたのではない。某ミュージシャンが演奏をトチったことに腹を立てている件のブログの筆者にびっくりしたのだ。
べつに私は心が広い人間だとアピールしたいわけではない。ないが、嫌味ではなくびっくりした。
そりゃあ、いつまで経っても演奏せずにえんえんと漫談かなんかされたら私だって怒るよ。歌そっちのけでハートチップルぼりぼり食いだして気づいたらライブ終了してた、みたいなことをやらかされたら腹を立てるだろう。
「ちゃんと歌え! 金返せや! つーか、にんにくくせえよ!!」
きっと客席からシンプルにそう突っ込みを入れるはずだ。
イントロをトチるなんてわりとよく見られる光景じゃないか。トチった某ミュージシャンからしても不満だったろうが、むしろそういうハプニングこそがある種ライブの醍醐味ではなかろうか。少なくとも私にとってはそうだ。なんのミスのないパーフェクトなライブももちろん良いものだが、演奏をトチって
「ごめんなさい! もう一回やらせてください!!」
みたいな流れになったりするのも、なんというか、映画のDVDの特典映像でよく付いてくるNGシーンを見ているような、とにかく「なんだかおもしろいもん見れたなあ」と、なんとなく私は得した気分になる。
これまで様々なミュージシャンのライブをそれなりの本数観てきた私であるが、「なんだかおもしろいもん見れたなあ」と、得した気分になれたハプニング集を思い出せる限り以下にまとめてみた。
①エレファントカシマシ
10年近く前になろうか。エレカシのライブを観にお台場にある某ライブ会場を訪れたときのことだ。曲の演奏が終わるたびに、なにやらわけのわからぬ言葉を大声で発している女性客がいた。あきらかに「ヤバめな人」だった。恐怖から客の誰もがくだんの女性客を見て見ぬふりをしていた。それでもなお意味不明な言葉を発し続ける女性客。やがてついに「あのお方」がブチギレた。
「おい、さっきからうるせえよ! おめえだよ! おい、誰かそいつつまみ出せ!!」
誰あろう、宮本浩次である。
会場中が一瞬で凍りついたのは言うまでもない。
「なんだか珍しいもん見れたなあ…」
と思ったものの、もちろん私も凍った。
②BRAHMAN
20th Anniversary Live『尽未来際』 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2016/03/23
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
これも10年近く前の出来事。友人が好きなBRAHMANのライブを付き合いで観に行ったときのことだ(会場はどこだか忘れた)。ライブ中、なにやら後ろのほうがやけに騒がしいなと思ったら、客の男子ふたりが取っ組み合いの喧嘩をおっぱじめていた。すぐにセキュリティの人らがやってきてふたりは退場させられていた。一瞬、「わあ、お得な光景が見られたなあ」と思ったが、誰か関係ない人が怪我でもさせられてたらお得なんて言ってる場合ではなかった。
③レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
- アーティスト: レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: DVD
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
15年くらい前に観に行ったレッチリ幕張公演にて、ベーシストのフリーから説教を喰らった。これは↓に詳しく書いた。
④bloodthirsty butchersの前座で出ていた若手のバンド
これもずいぶん昔のライブ。ナンバーガール解散直後、新たにbloodthirsty butchersに加入した田渕ひさ子を観たいがために今は亡き新宿JAMへ。正直、bloodthirsty butchersは私の好みとは言えない感じだったが、前座で出ていた若手のバンドがUKロック風のサウンドを鳴らしていて少々気になった。ライブ終了後、物販でCD買おうと思った。しかし、なぜか物販にCDが見当たらない。
「あの、CDってないんですか…?」
機材をかたしている最中のヴォーカリストに声を掛けた。すると、帰ってきた言葉が以下だった。
「すいません、あの、持ってくるの忘れちゃって……」
さすがに「わあ、なんだか得した気分!」とはもちろん思わなかったものの、なんだかすっかり興味が失せてしまった。ちなみに以降、このバンドの名前をどこかで見た覚えも耳にした覚えもない。
以上。
とりあえず、今後も私のモットーである「人に甘く、自分にも甘く」を心がけてやっていきたいものだ。いや、モットーと言えるほどとくに徹底しているわけじゃないけど。ただ、ガンズみたくライブ開演予定時刻から2・3時間とか待たされたとしたら、さすがに私もキレる自信がある。