鹿の一族@下北沢GARAGE(2019/3/23)

鹿の一族2ndアルバム『P』レコ発ワンマンライブを観に行ってきた。

GARAGE前の光景を見て驚いた。

なんと、たくさんの人たちが列を作って並んでいるではないか。

フルハウスである。

 

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今回で鹿の一族のライブを観るのは4度目となるが、このような光景ははじめてだ。

たしかに小さなハコである。ひさしぶりのワンマンであって、なおかつ、土曜の夜開催ということもあったのかもしれない。それにしても、メンバーたちもフルハウスはちょっと想像していなかったのではないか。

列に並んでいると関係者らしき人たちが

「いやあ、中、パンパンですよ」

「全員入りますかねえ…」

「うん、たぶん大丈夫…」

などと立ち話をしているのが耳に入ってきた。

これは鹿の一族、キテるのではないか。いや、もともとこれぐらいは朝飯前のバンドでなければおかしいのだ。もっともっと売れるべきバンドなのだ。

とにかく、この日は「正しいロックファン」が多数詰めかけていた。開演前なのになんだかこれだけで私はとても嬉しくなってしまった。

開演予定時刻の19時30を10分ほど過ぎたあたりで無事ライブはスタートした。

ライブでは、当然ながら『P』収録の新曲が多数(全曲?)披露されたわけだが、もうこれはまったく心配はしていなかった。事前にバンドのホームページで聴くことができた『P』からの2曲である「風呂」も「Pの日常」も、そのどちらもが素晴らしい楽曲だったからだ。

じっさい、これまでの鹿の一族の世界観を踏襲したシャープなエレキギターとグッと腰にくるヘヴィなリズムセクションがスリリングに絡まり合う楽曲はもちろん、軽快に弾けるポップロックや、躍動感溢れる陽気なパンクロックや、さらには松崎ナオらしい影を感じさせる楽曲など、バラエティに富んでおり、それでいてどの楽曲もメロディはすこぶるキャッチーでポップでとても親しみやすい。とにかく、この日演奏された新曲はどれもが出色の出来だったと断言できる。もちろん、ファースト『鹿の一族』からのナンバーも相変わらず素晴らしく、キレキレかつ迫力満点の圧巻のパフォーマンスぶりである。

すごい。ヤバい。かっこいい。楽しい。

そんな馬鹿みたいな感想しか出てこない。

いま、鹿の一族がのぼり調子であることは間違いないだろう。評判がもっともっと広がっていくことは間違いないだろう。こんなにも歌に力があって、ポップな魅力に溢れた楽曲があって、なおかつ、演奏の妙技を楽しめるロックバンドは、そこいらじゅうを探しても滅多にいないだろう。

MCでドラムの鹿野隆広が

「加入してから一年ぐらい経って、このような満員のお客さんの前で演奏できてとても嬉しいです」

などといったようなセリフを感慨深そうに口にしていたが、まだまだこんなもんじゃないはずである。

半年後、恵比寿リキッドルームで演奏していてもなんらおかしくない。というか、実現するべきである。さらに1年後にはZEPP TOKYO、そして2年後には武道館で演奏をしていることを私は望む。

とにかく、ロックが好きな人間なら、いまこそ鹿の一族を聴くべきだ!