アニメ映画はほとんど観ないが、中でも声優に俳優やお笑い芸人やらを起用したアニメ作品にはまったく興味が湧かない。
たとえば宮崎駿のアニメなんかも、元から関心がないというのもあるが、やはりその多くの作品で声優に俳優だったりお笑い芸人を起用していることが私が宮崎アニメを観る気になれない理由のひとつでもあったりする。
というか、アニメにかぎった話ではないが、声優に芸能人を起用するメリットがよくわからないのだ。
声に存在感がある芸能人を起用した場合(例:所ジョージ、美輪明宏等)、アニメのキャラクターとは本来無関係であるべきタレント本人の顔が頭によぎってしまうものだろう。といって、声にあまり存在感がないタレントを起用したところで、ほとんど意味がないと思う。それこそ、本職の声優さんに任せておけという話だからだ。
たしかに『こち亀』の両津勘吉(@ラサール石井)のように、次第に馴れてくるのもあるにはあるが、あれはあくまでも稀なケースだろう。
とくに最悪な例として今でも忘れられないのが『ジャングルの王者ターちゃん』のターちゃん(@岸谷五朗)だ。声優という仕事に慣れてないせいか、朴訥というレベルを超えたあまりにもたどたどしい岸谷五朗の声は、元気ハツラツなターちゃんのイメージとはかけ離れていた。
「こんなのターちゃんじゃない!」
当時ガキだった私は、夜な夜な涙で枕を濡らしたものである。
あれはかなり前のことだったと記憶しているが、昔、テレビの洋画劇場で『ダイ・ハード』が放送していたのでチャンネルを合わせた。
観たらブルース・ウィリスが演じる主人公の日本語吹き替えの声を村野武範が担当していた。
わけがわからなかった。
「なんで村野武範……?」
その疑問は年を重ねるごとに増すばかりである。
同じくらいの時期だったと思うが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がやはりテレビで放送していて、マイケル・J ・フォックス演じる主人公の声を織田裕二が担当していたのだが、これはまあわかる。あの名作の主人公の声を織田裕二が担当するとなれば、それなりに話題になっただろう。もちろん、違和感バリバリだったが。
しかし、ブルース・ウィリス@村野武範。
わからない。
本当にわけがわからない。
ちなみに村野武範版『ダイ・ハード』は、当然ながら『ダイ・ハード』ではなく『くいしん坊!万才』に変わり果てており、いつブルース・ウィリス@村野武範が世界各地の名物料理を食べ歩きに行くんだとハラハラしながら観ていたが、そんな面白い展開にはいつまで経ってもならなかったのは言うまでもない。
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