アマゾンの意味不明な映画のカスタマーレビュー

テレビで放送されている映画(主に午後ロー)はとりあえずかたっぱしから録画しているのだが全然観るペースが追い付いておらず、いいかげん外付けハードディスクの容量がやばくなってきたので、最近は家にいるときは大抵映画を鑑賞している。

先日は『アンノウン』という映画を観た。

 

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一言で言ってしまえば、「リーアム・ニーソン無双」の映画だった。

「リーアム・ニーソンの映画ってこんなんばっかだな。あとリーアム、よく見たら鼻、超でかい」

なんてことも思いつつ、まあそこそこ楽しめた。

んで、鑑賞後はすかさずアマゾンにアクセス。

「ふーむ。なるほど」

なんてな感じでいろんな人のレビューを眺めていたところ、その中になんだかよくわからない投稿を発見した。

「この映画は非常にいいです。」というタイトルが付けられたレビューで、投稿者は「Amazon Customer」という人だ。以下がレビューの本文である。

 

この映画はすばらしく見えます。私はこの映画の中での小道具が本当に好きです。それは全く現実的です。私は兄と一緒にこのビデオを見ました。この映画の脚本家は本当に素晴らしいです。結果は予想外です。俳優の演技の場所にあります。

 

いったいなにを言ってるんだこいつは。

なんといっても全体的に日本語がめちゃくちゃだし、途中でいきなり「私は兄と一緒にこのビデオを観ました」などと個人的な情報を差し込んでくるのも意味がわからない。おまけに文章の締めが「俳優の演技の場所にあります」ときた。なんなんだこれは。

わけがわからなかったが、そんなことをいつまでも気にしててもしょうがない。

後日、また映画を観た。『オーバードライヴ』という映画である。

 

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プロレスラーのザ・ロックとしても知られるドウェイン・ジョンソンの主演作である。

違法薬物の所持・売買の疑いで長期の服役刑に処されてしまった息子を救うため、トラック運転手のドウェイン・ジョンソンがあの手この手を使って七転八倒する物語だ。

「凶悪なヤクの売人どもよりフツーのおっさんを演じているはずのドウェイン・ジョンソンのほうがあきらかに強そう」

という問題はさておき、実話を元にしているというだけあって、なかなか真に迫った内容で見ごたえのある映画だった。

早速、アマゾンでレビューをチェック。

こちらの映画に関してはやはり好意的な意見が多かったが、気になったのは「私は、英雄のように。」というタイトルのレビューだ。以下が本文である。

 

プロットは素晴らしい。私は、私の旅行への道の上でそれを見ました。この映画は非常にいいです。すべての俳優のパフォーマンスは非常に現実的です。映画の特殊効果は本当に良いです。エンディングが素敵でした。

 

投稿者はやはり「Amazon Customer」だ。

だから何者なんだおまえは。

本文はまあさっきのものと比べるとかなり日本語としてマシだが、「私は、英雄のように。」って、いったいどういうことなんだ。わけがわからないよ。

さらにそのまた後日、今度は『ホワイトアウト』という映画を観た。

 

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保安官を演じる主演のケイト・ベッキンセールが、極寒の南極を舞台に殺人事件の真相に迫るサスペンス作だ。

けっしてつまらなくはなかったが、じゃあどこがどう良かったのかというと答えに窮してしまう、そんな内容の映画だった。

んで、こちらも鑑賞後、アマゾンにアクセス。

多くの人たちも私と同じような感想を持たれたようで低評価のレビューが多めだった。まあ、そりゃそうだろう。

あと、ケイト・ベッキンセールが一部の人たちから「ベッキン姉さん」と呼ばれてることを私ははじめて知ったが、そんなことはすぐにどうでもよくなってしまったのは「私は、英雄のように。」というタイトルのレビューを見つけてしまったからだ。

もちろん投稿者は例のあいつだ。そう、「Amazon Customer」である。以下が本文だ。

 

私は私自身でこのビデオを見ました。私は、主演女優が好きにしてください。エンディングは良かったと私は、次のものを感じました。計画ねじれです。当時、映画の特殊効果は良好であった。映画の話がうますぎる。

 

もはや突っ込みどころしかないじゃないか。あまりにもめちゃくちゃ過ぎて逆に面白いよ。

だが、これだけではなかった。この『ホワイトアウト』に関しては、もうひとつわけのわからないレビューが投稿されていた。

投稿者は「Amazon Customer」ではなく、「椎名大成」というやつだ。

まずタイトルからしてこうだ。

 

「悪くない。次の1つがあるならば、私はそれを楽しみにしています」

 

いきなりしびれてしまうが、本文のほうもすごい。以下がそれだ。

 

結末はロマンチックです。それらの日間において、映画はかなり良好であった。映画の筋は現実に非常に近い感じがします。私が持っていたならば、私は英雄のような誰かを見つける必要があります。非常にかわいい。私は兄と一緒にこのビデオを見ました。

 

またしても「英雄」「私は兄と一緒にこのビデオを見ました」だ。「Amazon Customer」といい、兄と一緒に見たからなんなんだって話である。ましてや唐突に出てくる「非常にかわいい」という言い回しもどうなんだ。ほんとうにわけがわからないよ。

日本語を勉強中の外国人かなんかが投稿している文章なのか。あるいは、どこかの外国の業者による宣伝、いわゆる「ステマ」というやつなのか。

やっぱりよくわからんが、いずれにしてもこれらの文章にはなんともいえない魅力があるのは厳然たる事実だろう。私は読んでて笑ってしまった。