映画『コロンビアーナ』-「いい顔」した悪党どもが大集合していた-

マフィアの家庭で育った少女が、ある日、手を組んでいたべつのマフィア一味に裏切られ両親を無残にも目の前で殺される。やがておとなになりプロの殺し屋となった彼女は両親の命を奪ったマフィア一味への復讐を企てる…というストーリー。

なんだか散々観たことがあるようなお話であり、正直あまり期待はしていなかったのだが、なかなかどうしてこれがけっこうおもしろかった。 

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なんといっても敵マフィアどものぶっ殺され方がいちいち豪快でよろしい。

ショットガンでハチの巣にされるわ、ミサイルぶち込まれるわ、挙句の果てにはサメや狂犬どもに食われるわ、バリエーションが豊富であるし、おまけにテンポも良い。悪い奴らがばんばんさくさくどかんどかんぶっ殺されていくのでスカッとする。

ぶっ殺される悪党どもの顔もまたいい。

殺しをメインとする作品ならば悪党の顔はきわめて重要である。

考えてみてほしい。

はたして「クリリン」のような顔した悪党がぶっ殺されるのを観て我々視聴者の溜飲が下がるだろうか。

あるいは下がる人間もいるのかもしれないが、大方の人間はやはり「悪党は悪党らしく小憎らしい面構えをしていてほしい」と思うものではなかろうか。

「出来ればピッコロ似で」

と注文したくなるのではなかろうか。

「クリリン」顔の悪党なんて「殺され映え」がないよ。

その点、この映画のキャスティング担当の人間は優秀だった。全員、額に「悪」と油性ペンで書いてあってもまったく違和感がないような「いい顔」をしている。たけしの映画で「コノヤロー!」と言わせたくなるほどだ。フランスとアメリカによる合作映画とのことだが、あちらの国々にも悪役商会みたいなプロダクションが存在するのであろうか。とにかくよくもまあこんだけ「いい顔」した連中を集めたもんだと感心した。

キャスティングといえば、主人公の女優さんと彼女の幼少期を演じている子役の顔が「ちゃんと似ている」のも素晴らしい。

「ある人物の昔の姿を演じているはずの子役がまるで似ていない」

映画なりドラマなり、私はこのような場面に遭遇すると一気に興ざめしてしまう。

さらに

「死後、それなりに時間が経過したはずなのにやたらと血色のいい死体」

とか、

「カーチェイスの場面なのにクルマのスピードがあきらかに出ていない」

とか、

「濡れ場を描いているくせに、どう見てもガッツリ揉んだり吸ったりピストン運動をしているようには見えない」

なども興ざめするのでご勘弁願いたい。

あとモテ役を演じているはずのヒロインがなぜかブスだった場合も興ざめするが、その話をするとあと3万字ぐらい必要になるので、またべつの機会にしたい。