私はおもに洋画を好んで鑑賞する人間である。アクションやサスペンス、ホラーにSFに西部劇、さらには戦争映画やらサメ映画やら、特定のジャンルに区切ることはせず、まんべんなく観ているつもりだ。
んが、あんまり手を付けていないジャンルもあるにはある。
恋愛映画とファンタジー映画だ。
これがまるっきりと言っていいほど興味がない。
なぜか。
前者に関しては、フィクション・ノンフィクション問わず他人の色恋沙汰に興味がないから。後者に関しては自分でもよくわからんが、なんだろう、あまりにもリアリティが感じられないからだろうか。『ハリー・ポッター』だとか『ロード・オブ・ザ・リング』だとかはもちろん、子供のころにヒットしていた『ネバーエンディング・ストーリー』や『E.T.』(厳密には「SF」に該当するのかもしれんが)なんかもテレビで何度も放送されていたはずだが観た記憶はないので、もとから私にとって興味がないジャンルなのだろう。
しかしまあ、食わず嫌いはよくない。観てみると案外楽しかったり、価値観なり見識なりが広がったりするかもしれない。
というわけで午後ローでやってたんで録画したのを昨日観てみた。
『レッドソニア』という映画である。
主役のレッドソニアを演じているのはブリジット・ニールセンという人だ。
早速再生してみると序盤からいきなりブリジット・ニールセンが回想するシーンが出てきたりしてなんだかよくわからない。
業を煮やしてネットで調べてみたら、この『レッドソニア』、『コナン・ザ・グレート』、『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』なる映画の続編にあたるシリーズ3作目の作品らしい。道理でよくわからないわけだ。
ちなみに以前、ヴィン・ディーゼルの『リディック』という映画を観たときにも私はおなじ過ちをやらかしている。
↑のエントリーでも書いたが、いや不親切だろこれは。続編なら続編らしいタイトルをつけろよと言いたくなろうというものだ。つーか、そもそもブルーレイおよびDVDのジャケットにはシュワルツェネッガーがでかでかと写っているのに主役がブリジット・ニールセンの時点で詐欺だろ。
しかも、続編であるにもかかわらずどういう事情なのか知らないが、本作においてシュワルツェネッガーは前々作・前作の主人公「コナン」ではなく「カリドー」なる別の人物を演じている、とウィキペディアに書かれているではないか。ほんとうにわけがわかりません。
で、そんなことはどうでもいいが、それでも我慢して観ていたら、どうやらやたらと面積の小さい衣装を着用している戦士ブリジット・ニールセンが、おなじく戦士であるシュワルツェネッガーら仲間たちと協力しながら、なんか地球を破滅させる力を持っているらしい石っぽいモノを廃棄するため、その石っぽいモノの所有者である邪悪なおばはんを退治しに行く物語であるらしいことが徐々に理解できてきた。
ただ、どうも中世ヨーロッパを舞台にしているっぽいのだが、そのわりに龍の化け物と戦っている場面でシュワルツェネッガーが
「くっ…殺せない! こいつは機械でできてるんだ!!」
だとか言って、
「この時代に『機械』って概念があんの、おかしくね?」
と突っ込みたくなったりして、やっぱりよくわからない。
ほかにも俳優たちの大半がやたらとイガイガした兜みたいなの被ってて、
「肩凝らないのかなあ」
とか、あと、日本語吹き替えで観たんで英語だと言い回しが違うんだろうけど
「始末をし!」
だとか
「ぬはは。目玉をくり抜いてカラスどもにくれてやるわ!」
だとか、まともな大人だったら赤面してしまうようなセリフを大真面目に言ってるのを観てこっちが赤面しそうになったり、シュワルツェネッガーの剣捌きが見るからにスローモーなのに
「うっ。ヤラレタ!」
つって悪い役を演じている人たちが簡単に殺されていったり、なんつうか、
「なんか……お金稼ぐのって大変だね」
などと、ついつい余計なことばかり考えてしまっているうちに映画は終わってしまったのだった。
「ああ、アホらし…」
と思ったらだめなんですね、やっぱりこういうのは。
尚、この映画でブリジット・ニールセンは第6回ゴールデンラズベリー賞の最低新人賞を受賞し、邪悪なおばはんの役を演じているサンダール・バーグマンという人は同賞・最低助演女優賞にノミネートされてしまったらしい。
いまいち世界観に入り込めなかったのは私の「ファンタジー映画アレルギー」のせいなのか、もしくはこの作品自体がそもそも「うんこ」であることが原因なのか、よくわからなかった。たぶん両方が原因だろう。