映画『ネバーサレンダー 肉弾突撃』‐全然ゴリラじゃなくてがっかりした‐

『ネバーサレンダー 肉弾突撃』という映画を観た。

 

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このものすごく頭が悪そうなタイトルで思い出したのは、ずいぶん前に観た『ネバーサレンダー 肉弾凶器』という、これまたものすごく頭が悪そうなタイトルの映画である。

 

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それにしても、ずいぶんタイトルが似ている。つーかほとんど同じじゃねえか。

で、気になったのでネットで調べてみたら以下の事実が判明した。

 

・いずれの作品もアメリカのプロレス団体WWEが製作している。

・タイトルは似ているものの、この『肉弾突撃』はべつに『肉弾凶器』の続編でもなんでもない。

・主人公を演じているのは両作品ともにプロレスラーの人である。

 

『肉弾凶器』の主人公を演じていたのはジョン・シナというプロレスラーだった。そして、今回観た『肉弾突撃』の主人公を演じているのはテッド・デビアスというプロレスラーである。さらにじっさい鑑賞してわかったのは、テッド・デビアスもジョン・シナと同様、相貌がゴリラにきわめて酷似しているということだ。

『肉弾凶器』は一言で言ってしまえば「ゴリラが大暴れする映画」だった。とにかくジョン・シナのものすごいゴリラっぷりにワクワクしたのをわりとよく覚えている。なので、当然ながら『肉弾突撃』も「また大暴れするゴリラが観られるぞ!」と興奮しながら鑑賞していたわけだが……全然ゴリラじゃなかった。がっかりした。

とりあえず主人公の男の職業が海兵隊員であること、悪い連中にさらわれた嫁さんを助けに行く物語であること、派手なアクションシーンを中心にした内容であるという部分が『肉弾凶器』とおもいっきりかぶっていた。

まあ、それはいい。とにかく大暴れするゴリラが観られればいいんだ。ゴリラ人間が大暴れするのを観られるのがこのネバーサレンダーシリーズの最大の、というか唯一の魅力的な部分であるはずだからだ。

ところが肝心かなめであるはずのアクションシーンのこの残念っぷりはなんなんだろうか。

思い返せば、『肉弾凶器』のジョン・シナは拳銃をいっさい使わなかった。まるで「銃を使うなんてゴリラじゃない!」と言わんばかりに、己の拳のみで敵に立ち向かっていたではないか。

しかるにテッド・デビアスに関しては、拳銃やナイフ等の武器をふつうに使っている。こんなやつ、全然ゴリラじゃねえよ。

たしかに敵から攻撃されてもほとんどノーダメージであったところはゴリラっぽくはあった。とはいえ、猛スピードで走っているダンプからおもいっきり振り落とされたというのにほぼ無傷だったジョン・シナの堂々たるゴリラっぷりを観てしまったあとではどうにもゴリラ感が欠けていたと言わざるを得ない。

あるいは、知恵をつけたゴリラが武器を使えるようになった、ということをこの『肉弾突撃』においては描いているつもりなのだろうか。 『肉弾無双』、『肉弾烈戦』、『肉弾乱擊』、『肉弾英雄』と、まだまだあるらしいが、いずれかの作品においてさらに進化したゴリラ人間がスマホの最新アプリだとかのハイテクを駆使して敵をぶっ倒したりするのを観られたりするのだろうか。

そんなやつ、ゴリラじゃねえよ、と言いたくなってしまうばかりだ。

とりあえず、近いうちに『コマンドー』を観て口直ししようと思う。ジョン・シナのゴリラっぷりも悪くはないが、やはり『コマンドー』のシュワルツェネッガーこそリアルガチなゴリラだと声を大にして言いたい。まあ、『コマンドー』のゴリラも銃をおもいっきり使っていたが、そんな細かいことをいちいち気にしてても時間がもったいないではないか。とにかく、WWEの中の人も『コマンドー』を観て本物のゴリラとはなんたるかをいま一度勉強していただきたい。