普段、何の気なしにテレビを見ていて、ふと
「この芸能人の現在の株価は、果たしていかほどなのか」
と考えるときがある。
たとえばいま現在、我が国のメジャーロックシーンにおける「甲斐よしひろ」の株価はいかほどなのか。
もちろん、ヤザワより低いのは間違いないだろう。
浜省よりも低いのは確実だ。
では、これが世良公則と比べた場合、どうなのか。
あるいは、もんたよりのりは。
ダイヤモンド☆ユカイと甲斐よしひろ、果たしてどちらの株価が上なのか。
さすがに高橋ジョージが相手だったら、甲斐よしひろの株価が勝るだろう。
あえてお菓子で強引にたとえるなら、ヤザワが高級サブレ、浜省が草加せんべい、甲斐よしひろがプリングルス、高橋ジョージが五円チョコといったところか。
ここ数年、甲斐バンドが解散・再結成を繰り返すのと比例するように、甲斐よしひろの株価もどんどん下落していったように思う。ミュージシャンである娘がパっとしないのも、「甲斐株」下落の大きな要因のひとつだろう。
かつて人気絶頂にあった反町隆史が突如リリースしたデビュー曲『Forever』。
この曲のギターとコーラスを担当していたのが、ボン・ジョヴィのギタリストであるリッチー・サンボラであった。
「そりゃあ、かつての絶頂期に比べたらボン・ジョヴィの価値も低くなったけど、だからって反町ってことはないじゃないか」
そんなボン・ジョヴィ・ファンの嘆きを無視するように反町の曲は大ヒット。
そのとき、日本の洋楽市場におけるボン・ジョヴィの株価はビートルズやストーンズよりも相当低い位置にあることを私は悟った。
そんなボン・ジョヴィのヴォーカリスト、ジョン・ボン・ジョヴィが出演しているハリウッド映画『ペイ・フォワード 可能の王国』を観た。
主演は『シックス・センス』や『A.I.』でお馴染み、当時大人気の子役であったハーレイ・ジョエル・オスメント君。急激におっさん&巨大化した現在のオスメント君も気になるところであるが、そんなまだかろうじて可愛かった頃のオスメント少年の父親を演じているのがジョン・ボン・ジョヴィである。アル中でロクに働きもせず、たまに家に帰ってきたと思ったら妻にカネをせびる、ようするにろくでなし夫という設定だ。
しかしこれが物語上、それなりに意味のある登場人物ではあるが、とくにこれといって印象に残らない。第一、出番自体もの凄く少ない。
「べつにわざわざボン・ジョヴィ起用しなくても、良かったんじゃね?」
みたいな残念な感じである。
いわば、「ボン・ジョヴィの無駄遣い」といったところだ。
映画自体の内容は正直どうでもいい感じだったが、とりあえず
「ハリウッドでもボン・ジョヴィの株価はそう高くない」
ということは充分に理解した。
それにしてもジョン・ボン・ジョヴィって、舌を噛みそうになる名前だ。
ジョン・ボン・ジョヴィジョン・ボン・ジョヴィジョン・ボン・ジョヴィ……10回続けて言ってみる。
では、フランスの有名なワインは?
「ボンジョレーヌージョヴィ!」
そんなわけない。