映画『ウィッカーマン』(2006)‐「笑えるニコラス映画」としては上位に入る作品ではないか‐

世の中には「マン」が溢れている。

エロい人は勘違いしないでほしい。私はシモの話をしたいのではない。

「スーパーマン」とか、「ウルトラマン」とか、「キン肉マン」とか、「アンパンマン」とか、「ブッシュマン」とか、そういう「マン」のことである。

で、「ウィッカーマン」だ。

 この言葉を耳にして、人々が思い浮かべるものとはなにか。

ちなみに、そのあとには

「主演ニコラス・ケイジ

という言葉が付いてくる。

本作を観る前の私もそうだったが、おそらく大方の人間は

「ニコラス扮するスーパーヒーローが地球を守るために悪い奴らを懲らしめる映画」

と、想像するのではないか。

 

 

で、結論から言うと全然違った。

ウィッカーマン』は、逆にニコラスが悪い奴らにやたらと懲らしめられる映画だった。

わけがわからない。

という人のためにもう少し詳しく説明すると、ジャンルとしては「オカルト」あるいはミステリー」と考えれば正しいだろうか。とはいえ、オカルトとしてはいかんせん恐ろしさが足りず、ミステリーとしてはどうにも間延びしている感が否めない。

なんだろう、『2000人の狂人』と『白い肌の異常な夜』と『ゾンゲリア』を足したような内容というか、そしてそれを「うんこ」で割ったような感じというか、ようするにクソ映画である。

では、観る価値がまったくない映画なのかというとそんなことはない。

なにしろ、ニコラスがおもしろいからだ。

まず冒頭、冴えないハゲのおっさんがコスプレしているようにしか見えない白バイアメリカンポリス姿でさっそく笑わせてくれる。

その後も、ばばあを容赦なくグーパンチでぶっ飛ばすわ、若い女をグーパンチ&ケンカキックでぶっ飛ばすわ、挙句の果てには熊の着ぐるみ姿でまた違う女をグーパンチでおもいっきりぶっ飛ばすわ、とにかくやりたい放題のニコラスが笑える。

で、結局、ニコラス・イン・キャンプファイヤーというか、ある意味すこぶるにぎやかな「お祭り」っぽい感じで映画は終わり、それもそれで笑えるのだが、

「こんな役も平気でやっちゃう俺、かっけーだろ?」

と、ドヤ顔でウインクするニコラスが目に浮かんでくるのがもうたまらなくおもしろすぎる。しかも本作にてゴールデンラズベリーの最低男優賞部門にノミネートまでされたというのだから、「オチまで付けて笑わせてくれてありがとう、ニコラス!」と言いたくなろうというものだ。

前述したとおりオカルト、あるいはミステリーとしては凡作だが、「笑えるニコラス映画」としては彼の主演作の中でも上位に入る作品ではないか。

「ニコラスなんてどうでもいい! ちゃんとしたおもしろい映画が観たい!」

というまともな映画好きは、1973年作のオリジナル版を観ればよい。

 

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私は未見だが、かなり評判がいい映画なので、きっとおもしろいはずだ。

それにしてもニコラスだ。こうなったら『スーパーマン』や『ブッシュマン』を演じるニコラスも観てみたい。きっと『ウィッカーマン』のニコラスよりももっと笑えるに違いない。