映画『リディック』‐「悪人なのにいいやつ」だっているのでは…?と夢見させてくれる映画‐

『リディック』というヴィン・ディーゼル主演のSF映画をこないだ観たのだが、以前にもヴィン・ディーゼルの主演作を一本観たはずなのに、なぜかタイトルも内容もまったく思い出せない。そればかりか一時期はジェイソン・ステイサムと人物的にごっちゃになっていたほどである。

 

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おなじ筋肉モリモリのマッチョマンでありながら、ジェイソン・ステイサムはシュッとしたハンサム顔のハゲ。一方のヴィン・ディーゼルは、整形後のヴァンダレイ・シウバをやや彷彿とさせるブルドッグ顔のスキンヘッド(ただし毛根は死んでない様子)だ。よくわからんが、とりあえず引き分けということにしておく。

で、この『リディック』であるが、はじまってすぐのあたりで

「昔、助けてあげた○○が裏切った」

だとか

「昔、助けてあげた××がべつの惑星で囚われの身になっている」

だとかいうエピソードが出てきて、とくにその説明もなく、なんだかわけがわかんねえな、と思って観ていたらそれもそのはずで、どうやら『ピッチブラック』という映画の続編であるらしい。

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『ピッチブラック』なる映画はそこまで有名な作品じゃないだろうに、これは不親切だと言うべきだろう。

『ピッチブラック エピソード2』だとか、もしくは『ピッチブラック THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』だとか、誰もが続編だとわかるタイトルにすべきだったのではないかと遺憾に思えてならない。

ともあれ、本作を観進めていくにつれ細かいことが気にならなくなったのは、この映画自体がまさしく「こまけえことは気にすんな」的なストーリーであったからである。

とにかく、ヴィン・ディーゼルが飛んだり跳ねたり八面六臂の大活躍を繰り広げる。その様子を思う存分楽しめる映画だった。

しかも悪党のくせに情に厚く、仲間思いで、女・子供にはやさしい、「悪人なのにいいやつ」というよくあるパターンのキャラクターを演じている。思えばジェイソン・ステイサムもこの手のキャラクターをしょっちゅう演じているので、これもごっちゃになってしまった理由としてあったのかもしれない。

こんな連中は虚構の世界にしか存在しないと思うが、だからこそ国の東西・老若男女を問わず誰もが憧憬してやまないのだろう。

「パワハラ上司に毎日悩まされているが、本当はいいやつ」

と無理やりな想像を働かせながらこの手の作品を鑑賞するのもアリっちゃアリかもしれない。

「そんな都合のいい想像なんて間違ってもできない」

という人は、わざわざ私が言わなくてもすでになんべんもやっているだろうが、ぜひ想像の世界においてパワハラ上司をクソまみれにするなり爆発させるなりしてストレス解消に勤しんでいただきたいものだ。

あと、

「札付きの不良少年のくせに捨て猫にはやさしい」

なんていうのもヤンキー漫画などの定番キャラだが、これ以上書くと話があさっての方向へ行きそうなのでここらへんでやめておく。