サッカー日本代表のアギーレ監督が解任ということで、今回は元日本代表監督ジーコ主演の映画『陽だまりのイレブン』を取り上げたいと思うが、正直に言おう。
観ていない。
ぶっちゃけ、一ミリも観ていない。
「ジーコ主演」
まずそのキャッチ・コピーを目にした時点で、「これは絶対に観ないほうがいい」と確信した。
しかも、原題が『ジーコの冒険』である。
「さわるな危険!」
そんな言葉が雨雲のごとくたちこめてきたのは言わずもがなだ。
さらに、DVDのパッケージに写る満面の笑みを浮かべたジーコを目にした瞬間、脳裏に浮かぶ「いやな予感」がもはや疑いようもない事実であることを悟った。
そんな思いに追い打ちをかけるようなアマゾンのカスタマーレビューの一文。
「神様とも(一部では)言われる人に何をさせるんだ、ブラジル人」 と、思わずつぶやいてしまうこと間違いなし(主演俳優のジーコさん、ご本人はもの凄くノリノリですが)。
「観ちゃダメだ……!!」
シンジ君だってそう言うに決まっている。
世の中には「観なくても事前の情報だけでお腹いっぱいになる映画」というものがあるが、まさしくこの映画がそれだ。
それにしても、なんて晴れ晴れとした、じつに素敵な笑顔なんだろう。とりあえずこの笑顔にお目にかかれただけで、もう充分すぎるほど満足した。
まあ行きつけのツタヤに普通に置いてあるわけだが、書いてて気付いたが、そういえば一度も借りられているのを見たことがない。
というか、誰が借りるのか。
ジーコのファンか。
ジーコのファンだったら、なおさら観ないほうがいいのではないか。
ひょっとしたらなにかの間違いで、サッカーにまったく興味のない人がうっかり借りてしまったことがあったかもしれない。そのうっかり借りて観てしまった人はなにを思ったのだろう。
「なんだかわからないけど、このオッサン、もの凄くノリノリだな」
そんなふうに思ったのだろうか。
そういえば、かつてサラ金のCMで
「ヒトリデデキタ!」
「(ネジを巻きながら)ジーコジーコジーコ…」
などと、つたない日本語を披露されていたジーコだが、やはりそのときも満面の笑みを浮かべつつ無駄にノリノリであったことを思い出した。
キャッシングのレイク、懐かしいCM ジーコ編 - YouTube
とにかくわかったのは、「きっとジーコはいい人に違いない」ということであり、逆に言えば、それ以上のことはなにひとつわからなかった。なぜなら、映画自体一ミリも観ちゃいないからだ。