映画『アルティメット・フォース 孤高のアサシン』‐「ボケ=マジギレ」の不幸‐

さて、今回はミルコ・クロコップ主演の映画『アルティメット・フォース 孤高のアサシン』を取り上げたいと思う。

もちろん観ていない。

というか、観るわけないじゃないか。

むしろ、観てどうすると言いたい。

観てないが、ただ、アマゾンのカスタマーレビューを拝見したところ、本作がいわゆる「ツッコミどころ満載の映画」であることはよくわかった。

曰く、

舞台セットは極端に金がかかっていない感じで、予算がなかったためか、自然の風景の中でのアクションシーンが多い。

曰く、

ストーリは浅く、演出もチープ。戦闘シーンに表示されるTVゲームのようなダメージ表示は鬱陶しいだけ。

とのことで、もうボケ倒しといった感じなのだろう。

というか、ちょっと観たくなった。

「戦闘シーンに表示されるTVゲームのようなダメージ表示」

っていうのがとくに。

まあ、観ないが。

それにしても、アマゾンのカスタマーレビューには驚いた。

ミルコファンなので期待しながら見たのですが、正直あまり面白くなかったです。正直、映画として見るところは無いです。ミルコファンとして見てみたものの、彼が輝くのはやはりリングの上のようです。

といった感じでメタクソな言われっぷりなのである。

中には、

なんじゃこのチョーつまらん作品は!! 「戦慄の左ハイ炸裂」なんてキャッチ・コピーだったから鑑賞したけどいつ「戦慄の左ハイ」が炸裂したんだ!! K-1ファイターだったらもっと迫力のある肉弾戦を見せろよ! 途中眠かったぞ! 俺の期待を返せ!

などと、マジギレされている方もおられるではないか。

「わけがわからない……」と、この映画の作り手たちはきっと戸惑うはずだ。

なにしろ、「ミルコ・クロコップ主演」という時点で、「マトモな映画じゃない」と普通、気付くだろう。ましてや、「戦慄の左ハイ炸裂」とコピーを打ちながら、「いつまで経っても炸裂しない」という渾身の一発ギャグをかましたというのに、あろうことか怒られてしまった。こんな不条理なことはないと思う。

やっぱりちょっとギャグが弱かったのだと思う。

主演ミルコのほかに、

一緒に戦う仲間:高嶋政伸

途中で死ぬ仲間の黒人:ダービッツ

ヒロイン:カイヤ

敵組織のボス:甲斐よしひろ

ミルコの父で敵組織を裏で操っている真の黒幕:ダービッツ(1人2役)

みたいな感じで、おもいきってやるべきだったのだろう。

ミルコが映画開始直後2分で死んで、なぜか主役がダービッツに入れ替わる、という手もアリだったかもしれない。

いずれにせよ、中途半端なギャグは人を不幸にする。ギャグをかますのなら、作り手側は本気でやっていただきたいものだ。「ボケ=マジギレ」の不幸は、どうかこれっきりにしてほしいと、切に願う私なのだった。

アルティメット・フォース 孤高のアサシン (通常版) [DVD]

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