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【読書】‐この本を書いた中の人たちはきっといい人たちに違いない‐『人には教えたくないグレーゾーンな知識500』(裏の処世術研究倶楽部)

半年ほど前、以下の記事である本についての感想を書いた。

『決定版! 悪用禁止! 悪知恵』なるタイトルの本だ。

 

 

表紙には「金儲け、恋愛、生活で使える禁断の裏テク&激ヤバ情報大公開!!!」という刺激的なコピーが躍っており、コンビニでたまたま見かけた私は、つい出来心で購入してしまった。

なにしろ「悪用禁止!」「激ヤバ情報大公開!!!」である。手にした人が本の内容に目を通し、結果的に犯罪を助長するようなことにでもなったら誰が責任を取るというのか。

と懸念されたが、読んでみたら「激ヤバ情報」なんぞほとんど掲載されておらず、「ミカンの白い薄皮を綺麗さっぱり取る方法」だとか「トゲが刺さったときの簡単な抜き方」だとか、なんだか役に立ちそうな、いやそうでもないような、というかそれ以前に「悪用禁止!」もなにも悪用しようがないだろ、みたいな微妙としか言えない豆知識・雑学ばかりが集められた内容であって、大いに肩透かしを食らった。

なぜとくに大きな反響もなかったこんな記事をいまさら取り上げるのか(つーかそれ以前に、このブログ自体とくに大きな反響があった記事なんてひとつもないが)、というのにはもちろん理由があって、こないだコンビニに行ったら見つけたのだ。

 

人には教えたくないグレーゾーンな知識500

 

『人には教えたくないグレーゾーンな知識500』という本だ。あきらかに続編本である。

なにしろ装丁がそっくりだし、「悪用は禁止です!」と、なぜか前の本よりややマイルドな表現になっているのが気になるが、まあそれはいいとして出版元が宝島社であるのもおんなじだ。

ただし前回取り上げた本の著者は「日本博学研究所」だったが本書は違った。著者は「裏の処世術研究倶楽部」である。

裏の処世術研究倶楽部なんてはじめて訊いた名だ。いったいどんな倶楽部なんだ。

やはりつい出来心で購入してしまった。

家に帰りさっそく本を開いたらブックカバーの裏面に裏の処世術研究倶楽部についての概要文が載っていた。文の出だしからいきなりこうだ。

 

実話誌を中心に執筆している“ずる賢い”ライターの集団。

 

どうやら「ずる賢い」連中らしいのだ。いまだかつて、これほどまでにきっぱりと「ずる賢い」と公言している奴らがほかにいただろうか。じつに堂々としている。気に入った。

さて、肝心の「グレーゾーンな知識」である。

500個もあるのだ。さぞかし「ずる賢い」知識がわんさか載っているのだろう。

まずは本書のオープニングを飾る「人には教えたくないグレーゾーンな知識」を紹介しよう。以下がそのタイトルである。

「安全な水を安く飲む知識」

一部本文を抜粋しよう。

 

水道水として使用する場合の安全基準は50項目なのに対し、ミネラルウォーターは18項目。つまり、水道水のほうが厳密な審査をクリアーしていることになる。とくに発がん性が高いとされるヒ素の基準値は、水道水のほうが5倍も厳しい。

わざわざ高い金を払ってミネラルウォーターを買うよりも、水道水のほうがはるかに安全というわけだ。

 

まさかミネラルウォーターよりも水道水のほうが安全だなんて想像もしていなかった。さっそく金輪際ミネラルウォーターなんぞ買わずに水道水一択の生活を送ろう。うん。決めた。

って、どこがずる賢いんだ。この情報のどこをどう切り取れば悪用することができるというのか。むしろとてもタメになる情報を教えてくれるいい人たちじゃないか。

とはいえ、まだ499個もある。

べつのページを開いてみたらそれっぽいのを発見した。以下がそれだ。

「ナンパをしやすい意外な場所」

 

意外なナンパの場所といえるのが、神社や寺といったパワースポット。とくに「恋愛成就」に御利益があるとされるところは、ナンパの成功率が高いとされている。なぜなら、恋愛成就と難しい言葉が表現しているが、簡単にいえば「ステキな彼氏が欲しい」ということ。つまりは「男探し」にほかならない。

(中略)わざとハンカチを落とし、「あの、落としましたよ」と声をかける。「いえ、私のじゃありません」と彼女は言うだろうが、男性からいきなり声をかけられたという事実に、運命を感じてしまうかもしれないので、その後の誘いもうまくいく可能性が高い。

 

これはかなりずる賢い。ずるいが、とはいえ、こんな古典的な手口がほんとうに通用するのか、甚だ疑問に思えてならない。「昭和の恋愛マニュアル本か!」と言いたくなろうというものだ。

 「スムーズに車の割り込みをするコツ」

こちらもいかにもずる賢そうな情報だがいかがなものか。

 

まず、徐々に徐々に、クルマを前に進めてみよう。すると「曲がりたい!」という意思が、意外と相手に伝わるもの。そして親切なドライバーなら、道を譲ってくれる可能性もなきにしも非ずだ。

コツとしては、前から来るドライバーの顔を見て、「この人は優しそう」「この人は譲りそうにないな」という判断を下すこと。譲ってくれたら、会釈のひとつも返すのも忘れずに。

 

お前は親切な教習所の先生か。

「美味しい焼きイモを作る方法」

「唐揚げを美味しく揚げる方法」

「肉を美味しく煮込む方法」

「日焼け後でもヒリヒリしない入浴方法」

「疲れた内臓を元気にする方法」

セブンイレブンをお得に利用する方法」

ファミリーマートをお得に利用する方法」

「ローソンをお得に利用する方法」

もちろんこれらのトピックも「ちょっとした豆知識」が載っているだけであって、ずる賢さの欠片もなかったのは書くまでもない。

結局、あらかた読んでみて「これはずる賢いなー」と思えたトピックは全体の2割にも満たない程度だった。

また騙された。

まあ、読む前からなんとなくわかってたが。

ネタがないことにかこつけてこの本をブログの記事に利用した私が一番「ずる賢い」と言えるかもしれない。いや、この記事もとくにウケないだろうから「賢く」はねえか。

まあいいや。疲れたので風呂入って寝る。