それにしても缶コーヒーってあまりにも数が多すぎじゃないか。
余計なお世話かもしれないが、とはいえ、モノには限度ってもんがあるじゃないか。
とある町で見かけたコカ・コーラの自販機を写真に撮ってみた。
看板商品であるコーラなど36個の商品がずらっと並べられているのが確認できるが、中でも缶コーヒーに関しては、ホットとコールドで被っているのを同数にして数えても合計で7種類もの商品が陳列されている。
「こんなにいるか?」と純粋に思ってしまうし、これだけの数があったら「で、結局、どのコーヒーが一番いいの?」と困惑してしまうのも無理からぬ話だろう。
たとえば、コカ・コーラ製の缶コーヒーで代表的な商品といえばジョージアの「エメラルドマウンテン」、略して「エメマン」だ。
缶の側面に記されている説明文にはこうある。
一粒一粒が手摘み
高級豆エメラルドマウンテン使用
なにしろ「一粒一粒が手摘み」であり、しかも「高級豆エメラルドマウンテン使用」である。相当こだわって作られたコーヒーなのだろうということは充分すぎるほどわかるし、さすがに代表的なコーヒーとして売り出しているだけに、なんだか知らないが納得せざるを得ない文章である。
では、これが「エメラルドマウンテンブレンド 至福の微糖」の説明文となるとどうか。
コカ・コーラ ジョージア エメラルドマウンテンブレンド 至福の微糖 185g缶×30本
- 出版社/メーカー: コカ・コーラ
- 発売日: 2016/03/07
- メディア: 食品&飲料
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コロンビア産上位3%の希少高級豆
「エメラルドマウンテン」使用
やはり使用されている豆は「エメラルドマウンテン」だ。しかも、「コロンビア産上位3%の希少高級豆」と、エメラルドマウンテンについてより詳しい説明が記されている。
ただ、ふたつの文章を比べてみても、微糖であるのとそうでないこと以外、違いがいまいちよくわからないというのが正直なところである。大体、そんなに「高級」で「希少」な豆で作られたコーヒーをたかだか120円とか130円で売っていいのか。
では、おなじ微糖でも「ヨーロピアン コクの微糖」はどうか。説明文を見てみよう。
コーヒー専門店で味わえるような豆本来の苦味となめらかな口当たりのコーヒーを、猿田彦珈琲と共同で開発。コク深い大人の微糖をお楽しみください。
勉強不足で申し訳ないが、「猿田彦珈琲」ってのがそもそもわからない。とにかく「猿田彦珈琲と共同で開発した、豆本来の苦味となめらかな口当たりを表現したコーヒー」であることはわかるが、それにしても「コク深い大人の微糖」とはなんなのか。コクが浅かったら「大人」じゃないのか。よくわからない。
お次は「ヨーロピアン プレミアムカフェラテ」だ。
こちらも猿田彦珈琲と共同で開発したコーヒーであるとのことだ。以下がその説明文である。
猿田彦珈琲と共同で開発。華やかな風味のタンザニア産高級キリマンジャロブレンドにミルクを贅沢に使用した、なめらかな大人のプレミアムカフェラテです。
「タンザニア産高級キリマンジャロブレンドにミルクを贅沢に使用」である。まあ、これは言いたいことはなんとなくわかりますけど、にしても「なめらかな大人のプレミアムカフェ」とはなんなのか。上の「ヨーロピアン コクの微糖」にしてもそうだが、たとえば「コク深い中学生の微糖をお楽しみください」だったり「なめらかな赤ん坊のプレミアムカフェ」じゃだめなのか。とにかくコーヒー業界では「大人」であることが重要らしいのだ。
さらにこちらは違う自販機で発見した缶コーヒーだが、「ジョージア ザ・プレミアム」というのもある。
この商品の説明文がすごい。こうだ。
通常よりも1.3倍のコーヒー豆を贅沢に粗挽きにすることで実現したジョージア史上、最高傑作の味わいをお楽しみください。
ついに「最高傑作」の登場である。
誰が「最高傑作」と決めたのか。コカ・コーラの社長だろうか。あるいは、猿田彦珈琲の店主がそう断言したのだろうか。
ちなみに私も飲んでみたが、どこらへんが「最高傑作」なのかよくわからなかった。
いずれにせよ、コカ・コーラが自らそうきっぱりと言いきっているんだから「最高傑作」に違いない。
最後に取り上げるのは「ヨーロピアン 熟練ブレンド」である。
コカ・コーラ ジョージア ヨーロピアン 熟練ブレンド 270ml ボトル缶×24本
- 出版社/メーカー: コカ・コーラ
- 発売日: 2016/04/04
- メディア: 食品&飲料
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ボトル缶型のコーヒーだ。説明文を見てみよう。
専門店の焙煎を取り入れた「アロマ密封焙煎」により、豆のコクと香りを引き出し、さらに美味しく、なめらかになった口当たりをお愉しみください。
これまで「お楽しみください」だったのが「お愉しみください」になっているのはなぜなのか。まあ、それはいいとしても、「アロマ密封焙煎」とはなんなのか。なにしろ「アロマ」である。
ここまでくると、もうさっぱりわけがわからないと言うしかない。