この間、書店へ行ったら以下の本を見つけた。
名著『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の著者である増田俊也の新刊だ。
しかも帯に目をやると、
もうひとつの『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
大宅賞&新潮ドキュメント賞ダブル受賞作の外伝
というコピーが躍っているではないか。
さっそく手に取ってページをぱらぱらとめくってみた。
とてもおもしろかった。
私は立ち読みをするのがあまり好きではない人間だが、気づいたらそのまま10分ほど熟読してしまった。
結局、買わずに帰った。
とても分厚い本で、しかもお値段もそこそこしたからだ(3000円ぐらい)。
で、それから5日ぐらい経ったのだが、いまになってあの『木村政彦 外伝』が気になって仕方がない。
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』はそれこそ貪るように読んだ記憶がある。
ものすごくおもしろい本だった。
『木村政彦 外伝』はその「外伝」だ。
これはもう、おもしろいに決まっている。
とはいえ3000円はやはり高い。中途半端な読書好き人間からすれば躊躇せざるを得ない価格だ。
はてどうしたものか。ブックオフで中古で売られているのを待つか…。
だが、やはり気になって仕方がない。なんだかいてもたってもいられなくなりネットで木村政彦や力道山のことを調べた。
すると、ウィキペディアの力道山のページに驚きべき記述を見つけた。
「強靭な肉体」と題された項目にその記述はあった。以下がそれだ。
また、相手を威嚇するためにガラスのコップをバリバリと噛み砕いて飲み込む「人間ポンプ」という芸を持っており、ごく機嫌のいい時か悪い時に披露したという。
まず、「相手を威嚇するためにガラスのコップをバリバリと噛み砕いて飲み込む」というのがよくわからない。しかも、「ごく機嫌のいい時か悪い時に披露した」ってなんなんだ。わけがわからなすぎるだろ。
で、ここの部分を読んでいて「そういえば…」と思い出した。
『木村政彦 外伝』である。
立ち読みしていたら、ある記述が目に入ったのだ。うろ覚えだが、それは以下のような文章だった。
「木村政彦のちんこは馬鹿デカい」
私は『木村政彦 外伝』を購入することにした。
もう躊躇などまるっきりない。
近いうちにまたあの書店へ行って買おうと思う。
なにしろ、ごく機嫌のいい時か悪い時にガラスのコップをバリバリ噛み砕いていた男とちんこが馬鹿デカい男の「外伝」である。おもしろくないわけがないじゃないか。
こんなしょーもない動機で本を買うことを決める人間もいる。
「たぶん似たような人もいるはずだ」と信じたい。