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映画『ザ・ビーチ』‐原始人を演じるディカプリオが凄い‐

映画

数年前、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』がいよいよ劇場公開ということになり、そのことを告知するCMがテレビで連日に渡って流されたものであるが、それを目にして思ったのは「やっぱり日本人にはSFは無理」ということだった。

 

 

まあ、SFといっても色々あるので全面的に無理とは言わない。

ただ、いくらイケメンな主人公やら綺麗なヒロインやらを宇宙船に乗せて、それっぽい衣装を着せ、「波動砲、発射!」とかなんとか言わせてみても、結局のところ「コント」になってしまう。

たぶん、宇宙船っていうのが日本人、というかアジア人全般に絶望的に合ってないのだと思う。ついでに宇宙服も絶望的に似合わないと思う。

どうもしっくりこない。というか、やっぱりコントにならざるを得ないのだ。

しかし同じ題材でも、ハリウッドが作って、それを西洋人が演じたら、ちゃんとサマになっているのだろう。そう考えると、なんとも悔しいばかりである。

やはり外見上の問題なのだろうか。

足が長くて背が高い金髪じゃなきゃだめなのか。

なにかあるたびに、「オゥ!」だの「ホワッツ?」だの「マイガッ!」だのっつって、いちいちオーバーなアクションを取らなければいけないのか。

所詮、元が農耕民族なんだから、立場に見合った地味ーな作品をシコシコ作ってろ、ということなのか。

たしかに、農民と宇宙じゃイメージ的に不釣合いもいいところだ。

普段我々が日常で接しているあれこれを比べてみれば、それは一目瞭然である。

パン、コーヒーVS納豆ご飯、味噌汁

フローリングVS畳

アメリカン・フットボールVS相撲

ロックVS演歌

どちらが宇宙空間に見合った、未来的でスポーティな感覚を持ちえているかは、火を見るよりもあきらかだろう。

それにしても原作のアニメ版『ヤマト』、ウィキペディアで調べたら、主人公の古代進の年齢は18歳だという。映画のほうの設定は知らないが、まだ下の毛も完全に生え揃ってないような少年の役を当時38歳のキムタクが演じているのだとしたら凄いと言うしかない。

『ヤマト』でのキムタクの変身ぶりも凄いが、『ザ・ビーチ』でのディカプリオの変身ぶりも違った意味で凄かった。なにしろ、原始人化したディカプリオが観られるのだ。

  

ディカプリオ演じる主人公は退屈な日常に飽き飽きしているモラトリアムな青年。やがて念願叶い日常の全てから解放される夢の楽園に仲間たちとともに辿り着いたはいいが、人里離れた楽園を守るため、仲間から孤立し、ついには原始人化を果たす。

両手を掲げゴリラみたいに口をすぼめながら野原を駆けずり回るディカプリオ。その格好は、さすがにボカシ入れるハメになったらまずいだろうとズボンこそ身に付けてはいるが、上半身裸、素足というきわめて原始人チックなスタイルだ。

腹が減ればミドリ虫だって食うし、侵入者がやって来れば「キシャー!」と唸り声を上げ威嚇。やりすぎにもほどがあるのである。

しかもこれがディカプリオにとって、あの『タイタニック』の次に撮影された作品だというのだから驚いた。イケてる絵描きを演じて世の女子どもをメロメロにした直後に原始人なのである。さすがディカプリオ、さすがハリウッド、と言うべきか。やることがハンパないのである。

ディカプリオ版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が俄然観たくなってきた。

きっと、あの宇宙服も似合うに違いない。

「ハドーホウ、ハッシャ!」

そんなディカプリオを見たら、やっぱり笑ってしまいそうだが。