【ザ・カンソー】最近聴いた旧譜

最近聴いた旧譜アルバムの感想文です。

 

Emilia Sisco & Cold Diamond & Mink『Introducing Emilia Sisco』

open.spotify.com

「クレイロの『Charm』が好きな人ならきっと気にいるから騙されたと思って聴いてみたらいいと思うよ」みたいなよく知らない人のツイートが流れてきたのでなんとなく聴いてみた。クレイロのアルバムと共通する部分はあまり感じないというか、おもいっきりソウルミュージックな感じ。隙間を活かしたスカスカなサウンドプロダクションが暑苦しくなくて良いし、メロディもしっかりしてて結構好み。ヴォーカルも色気があって良い。そんであと、乾いたスネアの音がすこぶる気持ち良い。

 

泉まくら『マイルーム・マイステージ』

open.spotify.com

この人のことはラブリーサマーちゃんとの共作で知った。なんとなくフィッシュマンズっぽい「低熱感」を感じさせる。基本はヒップホップだが、ボサノヴァやシティポップやレゲエなんかも無理やり感なく取り込んでいて、それでいて芯の通ったポップスとしてしっかり機能している。とくにTr.2「candle」がお気に入り。

 

デス・キャブ・フォー・キューティー『Plans』

open.spotify.com

このバンドに関しては大昔から知ってて「とりあえずバンド名カッコいいっすねー」と思いつつスルーしていたが、ロッキンオンソニックの予習でようやく拝聴。「なんかメルヘンチック過ぎないか? あと腹から声出せ! 気合いが足りない!」みたいな熱血体育教師調の感想しか出てこなかったが、それでも頑張って聴き込んでたらようやく掴めたというかかなり気に入った。とにかく美メロ炸裂の良曲がわんさか収録されていて、とくにTr.5「I Will Follow You into the Dark」は珠玉の名曲とベタ褒めしたくなるほど素晴らしい。ロッキンオンソニックでも聴けて最高だった。

 

ザ・レモン・ツイッグス『A Dream Is All We Know』

open.spotify.com

ロッキンオンソニック予習組その2。兄弟を中心に結成されたバンドとのこと。「なんかビーチ・ボーイズっぽ過ぎないか? オシャレな音楽やってモテたいのか知らんが、本当に君ら自身を創造しているのか? 破壊こそ創造の母だ! 芸術は爆発だ!」みたいな岡本太郎調の感想しか出てこなかったが、実際ライブ観てみたらかなり気合い入った演奏で(ドラマーの叩きっぷりがとくに良かった)ちょっと印象が変わった。ただ、やっぱり個人的な好みとしてはもっとビターな感触が欲しい、とも思った。

 

岡田拓郎『Morning Sun』

open.spotify.com

柴田聡子バンドのギタリストとしてもお馴染みの人。いやあ、これはいいねえ。全体的に落ち着いたトーンが印象的な大人のポップスといった風情があるが、意外なタイミングでめちゃくちゃ歪んだエレキの音が鳴ったり、美麗なピアノの音色がふとした瞬間にさり気なく挿入されたり、かと思えばダブ風の音響処理が施されたドラムが唐突に炸裂したり、なんというか、ドラッギーとでも形容したくなるサウンドプロダクションがじつに素晴らしい。それでいて装飾過多感は一切なく、というかむしろ喉越しスッキリ感が絶妙なので、聴くたびに新たな発見があるし何度聴いても飽きないし疲れない。文句なしの名盤。

 

イングリッシュ・ティーチャー『This Could Be Texas』

open.spotify.com

ついこないだライブしにこっちにやって来た人たち。その来日公演の模様を捉えた知らない人の動画がツイッターのタイムラインに流れてきたのでなんとはなしに眺めてみたら「変拍子爆裂!」みたいな結構好きな感じだったので本作を拝聴。で、これが想像と違ってバリバリ変拍子な曲だらけというわけではなく、サイケ調の音響構築とかぶちかましたりしつつ、わりと歌心のあるロック・ポップ系の曲が多めでいい意味で裏切られた。個人的には哀愁たっぷりのピアノバラードTr.11「You Blister My Paint」の出来が突出していると思う。

 

というわけで、今回の一等賞は岡田拓郎の『Morning Sun』でした。

以上。疲れた。おしまい。