2024年10月の消化物(音楽、映画)

ようやく涼しい日が出てきたもののまだまだ蒸し暑い日が多く金玉が蒸れて発狂していたころによく聴いたり観に行ったりした音楽や映画の感想文です。

【音楽】ザ・スマイル『Cutouts』

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本年2作目のアルバム。いや、よく働くな。しかし、もうやる気ないんだろうかレディオヘッド。で、それはともかく、個人的にはこれまでにリリースされた3作のアルバムのなかでこれがいちばん好きかも。なんか俺ら流にトーキング・ヘッズっぽいのやってみましたみたいなエレクトロファンク調の楽曲群が新鮮味があるし、ジョニーのファンキーなギターが大活躍している⑤「Eyes&Moon」とかカッチョいい。リズムセクションもこれまで以上に創意工夫を凝らしている印象で、このバンドならではみたいな個性が完全に確立された感じがある。まあ、じゃあてめえレディオヘッドよりこのバンドのほうが好きなのかと問われたら圧倒的に「いいえ」なのだが。

 

【音楽】柴田聡子『My Favorite Things』

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2月にリリースされた『Your Favorite Things』のバンド演奏をごっそり抜いて独演で再構築した作品。よくあるアコギ弾き語り系のシンプルなやつだろうなと予想してたが、いい意味で裏切られた。岡田拓郎プロデュースによる透明感溢れる美麗なサウンドテクスチャーがじつに心地よい。あえてブートレグっぽくしたような仕掛けがあったり、シンプルなようでマニアックなつくりにニヤリとされられた。

 

【映画】『悪魔と夜ふかし』

深夜のトークショー番組の司会者やってるおっさんが低迷する視聴率を挽回するためオカルト特集の生放送を組む。そしてショーの目玉である悪魔に取り憑かれたとされる少女が登場がするが……みたいなお話。私はガキんちょのころ友達に遊びに誘われた際に「用事がある」と嘘をついて家でテレビを見ていたほどの重度のテレビっ子だったわけで、「なんかこういう胡散臭い番組、昔よくやってたよなあ」みたいな、あのころテレビに抱いていたワクワク感がオーバーラップした。かつてのテレビショーを再現したセットやざらついた映像なども効果的で、私自身も「テレビの視聴者」として没入して見入ってしまった。うるさすぎなくて、まったりとしていて、でも不気味な緊張感もちゃんとあって、とても良い。とにかく個人的にツボすぎる映画だった。大好き。

 

【映画】『サウンド・オブ・フリーダム』

ものすごくかいつまんで言っちゃうと「人身売買は許さんぞコノヤロー!」みたいなお話。火の玉ストレート的というか、工夫なしというか、クソ一品調子かつクソ真面目なお話で、火の玉ストレート的かつ工夫なしに言わせてもらうとおもしろくない。もちろん、人身売買は良くない。良くないが、おもしろくないものはおもしろくない。ただ、エンドロールに入った途端の突然のアレには笑ってしまった。このクソまみれの世界をみんなでどうにかしようぜ、みたいな気概は重々伝わってきたが、なんじゃそりゃと心のなかで突っ込んでしまった。

 

【映画】「シビル・ウォー  アメリカ最後の日』

大統領がムカつくので連邦政府から19の州が離脱してついでにテキサスとカリフォルニアが同盟結んで政府と内戦するわとかえらいことになってるアメリカを舞台にしたお話。で、大統領に単独インタビューすべく戦場カメラマン3人でホワイトハウスを目指すが、急遽飛び入り参加したひよっこカメラマンのねーちゃんが加わって……みたいなことになる。分断化の進行が顕著な現代社会の未来を描いたようなリアリティがあって、でも説教臭くはなく、ややのんびりした部分はあるもののキワキワな緊張感が味わえるエンタメ作品として巧いこと成立させててフツーにおもしろい。ただ、訴えたいテーマが先走りし過ぎたせいか、一工夫みたいなものがなく、勘の悪い私が途中で展開を読めてしまったのが惜しい。赤グラサンがアレするシーンはとても良かった。個人的にはああいう下りがもっと欲しかった。

 

【映画】『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

顔面白塗りのホアキン・フェニックスとレディー・ガガが歌って踊ったりするあのアレ。なんだろう、前作で暴動とか起きたりしちゃったんで日和っちゃったんだろうか。スカッとさせないようにというか、現実は厳しいんだよみたいなメッセージを込めてというか、あえて「おもしろくならないようにした」のだろうか。まあ、こういうヘンなミュージカル映画もアリかなと思ったよ。また観たいとはまったく思わないが。

 

【映画】『破墓/パミョ』

どういうお話だったか、なぜかまったく思い出せない。つまらんな、と思いながら観てたのは覚えている。なんか呪いがどうの、みたいな話だったような気がする。私が呪われてしまったのだろうか。そういうことで、なんだかわからないがとりあえず許してほしい。

 

【映画】『ソウX』

このシリーズは1作目のみ観ただけで、それも遥か昔に観たので内容とかはほとんど覚えておらず迷ったが、暇だったのでなんとなく観に行った。水戸黄門みたいな悪党を成敗する系のお話だった。水戸黄門と違うのは、悪党どもがギコギコグリグリグワングワンみたくされたりするところ。まあじーさん、頑張ってた。末期ガンというのが信じられないくらい超頑張ってた。気合いがあれば大概のことは乗り切れる。そんなことを教えてくれる教育映画だった。だったような気がする。

 

【映画】『トラップ』

「仲良くライブを一緒に観に来たパパがなんと連続殺人鬼だったヨ!」みたいなお話。いや、さすがシャマラン、設定がおもしろい。私は音楽好きやってる人間なので、ライブ会場で殺人鬼のパパと警察が追いかけっことか、もう、「わあ! しょっちゅう行くような場所がこんなことに!」みたくワクワクした。まあ、ライブやってる最中なのにロビーに人いすぎだろ、とか、超人かよ、とか、デタラメな部分が結構があるし、ライブ会場から出たあとは新鮮味がなくなって一気に失速してしまった感が否めないが、それでも風変わりなお話でワクワクされてくれてシャマラン先生ありがとう! と言いたい。

 

以上。疲れた。おしまい。